法律相談事例集

相談人： 不渡り手形をつかまされたようで、連鎖倒産ですね。
 
弁護士： それで、社長は逃亡したのですか？

相談人： 事務所に人はいるのですが、自宅はもぬけのカラでした。

弁護士： 残務処理でもしているのでしょうか？

相談人： さあ…社長じゃないとまったく要領を得ない調子で。

弁護士： 家族もいないのですか？

相談人： そこまではよく分かりませんでした。

弁護士： 元請けには当たってみましたか？

相談人： 電話をかけてみたのですが、あいまいに逃げられてしまいました。

弁護士：　こういうときには電話ではなく、でかけていって直接面談するべきです。

相談人：　そうですか…これから行ってみます。

弁護士：　まず、本当に支払うべき請負代金残金があるかどうかを確認してください。

相談人：　はい。それからとりあってくれなかったら、どうしましょう？

弁護士： あなたが倒産した会社の債権者であることを示す請求書、その他の書類を示して粘るべきです。そのうえで、倒産企業に対する支払いを止めるように求めます。

相談人： 分かりました。やってみます。それから？

弁護士： 行方不明の工務店の社長を見つけ出したら、あなたに債権を譲渡するという通知を元請けに出してもらいます。

相談人： 見つけ出せなかったら？

弁護士：　裁判所に債権の差押さえを申請して、とりあえず債権保全策を講じます。それから、そもそもの売掛金の回収を求める裁判を起こします。

相談人：　裁判ですか。長くかかるでしょうね。

弁護士：　相手は行方不明ですから、間違いなく早く終わりますよ。

相談人：　そうですか、良く分かりました。やってみます。