法律相談事例集

弁護士： ご主人は事業に失敗されて、自己破産の手続き中なのですね？

相談人： はい。破産管財人の弁護士が、借金の確定とか未収入金の回収をしていると聞いています。

弁護士： それで、債権者への配当はありそうなのですか？

相談人： 私も詳しくは聞いていないので、よく分かりませんが、税金の滞納も大きいですし、配当なんて、ほとんどないと思っています。

弁護士： それで、ご主人は生活はどうしておられるのですか？

相談人： 今のところ仕事はせず、親に頼っているような感じです。ともかく、倒産してからの夫は気が抜けてしまったようで、口先ではいろいろ事業を再建するとか、新しい店をやり直すと言っていますが、足が出ません。

弁護士： 多いんですよね、そういう男性は…

相談人： 私も、夫との仲がギスギスしていますし、二人の子どもたちとも話をして、この際、夫と離婚しようと思っています。

弁護士： なるほど、仕方ないかもしれません。

相談人： それで、私も自己破産をしようと思うのですが、子どもや実家の母に何か責任が出てきますか？

弁護士： 子どもさんやお母さんは保証人になっておられるのでしょうか？

相談人： いいえ、保証人にはなっていません。

弁護士： それでしたら、法的には、あなたが破産しても親や子には何の影響もありません。

相談人： それを聞いて安心しました。

弁護士： 親が事業に失敗したことによる事実上の影響がないとはいえませんが、親がすっきりすると子どもも安心しますよ。離婚をするかどうかはあなたの今後の生き方の問題ですから、よく考えられたらと思います。