おいが友人たちからひどく殴られ、瀕死の重傷を負いました。友人というのは、高校生と高校を中退した人間です。親の責任を追及したいのですが……。
子どもが暴力にあった!
弁護士: 被害にあった方の年齢は?
相談人: 16歳、高校2年生です。素直な子なんですが、無口で、ひとから頼まれると断れない気の弱さをもっています。
弁護士: その子を殴った友人というのは?
相談人: 小学校のとき以来の友人なんです。どうもおいは以前からイジメにあっていたようです。親もうすうす気がついてはいたようですが、本人が遊んでいるだけだと言いはっていましたから、それ以上は深く追及しなかったようです。
弁護士: イジメがエスカレートしたのでしょうね。
相談人: そのようです。でも、ともかく執拗なんです。何回も何時間も殴られたようです。ひどい全身打撲なんですから・・・
弁護士: 抵抗しないと暴力に快感を覚え、自分の満足のために暴行をエスカレートさせていくようです。
相談人: 怖い子どもたちです。許せません。
弁護士: それで、殴った子の親はどうしていたんでしょうか?
相談人: 注意してたんですけどねー、とか、まるで他人事なんです。それが悔しくて・・・
弁護士: 最近の東京地裁の判例に、子どもの問題行動の状況を知りながら、その行動の意味を深く考えたり、事実関係を慎重に確認もせず、なんらの対策もとらないで表面的な理解にもとづいて問題行
動のときにその場限りの注意をするという表面的な対応をしてきたため暴行がくり返されるのを見過ごした親には監督義務違反があるというものがあります。
相談人: そうですか、親に責任が認められたのですね。
弁護士: はい。親に賠償責任が認められました。
相談人: で、いくら?
弁護士: その判決は死亡に至ったケースですが、慰謝料3000万円をふくめて8000万円が認められています。
相談人: うーん、なるほど、そうなんですか・・・。いや、本当に親の責任は重大ですよね。