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デュラ小話(<来神時代>静雄×臨也)

フレームにおさめて(<来神時代>静雄×臨也)

 


「シズちゃーん。」
「あぁ!?」


聴けばそれだけで腸が煮え繰り返りそうな声の主に呼ばれ、平和島静雄は反射的に振り向いた。
どすの利いた低音で凄んだというのに、それくらいで怯むような細い神経は持ち合わせていない相手―――――折原臨也から返ってきたのは、言葉ではなくパシャという軽い音と眩しいフラッシュ。


「なっ・・・・にすんだ、てめぇ・・・・!」


突然視界一杯に広がった眩さに、思い切り顔を顰めて臨也を睨み付ければ、彼は覗いていた使い捨てカメラから顔を上げてニヤッと笑う。


「あはははは・・・・!シズちゃん変な顔ー。そんな顔してると、そこらの不良どころか可愛い可愛い仔犬にまで逃げられちゃうの当たり前だよね〜。」
「・・・・・はぁ?何言ってんだてめぇ。」


ペラペラといつもの調子で喋り出す臨也の発言に、静雄の眉間に皺を寄せたまま訝しげな表情を浮かべる。
すると、臨也は嫌らしい笑顔を一層深めて、


「あれ?昨日の夕方頃、学校裏の道で犬に近付こうとして逃げられたのって・・・・シズちゃんだよねぇ?」
「!」


とたん、静雄の鋭い眼が大きく見開かれた。
かと思うと、バッと顔を紅潮させて怒声を張り上げる。


「てめぇノミ虫・・・・っ!見てやがったのか!」
「面白い被写体がないかなぁって探してたらたまたま見つけたんだよ。いやぁ・・・・思わず激写しちゃうほど面白い光景だったね。」


言って、見せつけるように手に持つカメラをぷらぷらと揺らす。
その表情や言動に、ただでさえ元から苛立っている静雄が反応しない訳がない。
こめかみ付近に青筋を浮き上がらせ、目前の黒髪を睨む。
だが、睨まれた彼は「おぉ怖っ。」とわざとらしく肩を竦ませるのみ。


「そのカメラ・・・・寄越しやがれ!」


カメラを奪おうと、静雄が勢い良く手を伸ばす。
けれど、臨也はその手をひらりと身体を器用に反らせて避けてしまう。


「嫌だなぁシズちゃん。俺がそんな簡単に渡すと思ってるの?」
「思ってねぇよ!」
「だったらさぁ、そうやって一直線に突っ込んでくるとかじゃなくて、もう少し意表を突いてみるとか驚かせてその間に奪うとか考えない訳?」


そう言ったと、ほぼ同時。

急にグイと胸倉を掴まれ、「え?」と思った時にはすでに臨也の目前には静雄の顔が迫っていた。
近くで見ると何だかんだ綺麗な顔してるなぁ、などと冷静な感想が頭の片隅を過ぎる。
その間にも、相手の顔は鼻先同士が触れるほど近付いてきて。
あ、と声を漏らす前に、気付いたら唇を奪われていた。


「・・・・ん・・・ん・・・!ふっ・・・う・・・・っ!」


思考を全て痺れさせるような、深い口付け。
突然の事に何も対処する術がなく、為すがままに唇を貪られる。
実際にはたった数十秒間だったけれど、思考が蕩けているせいかとても長い時間そうしているように感じられた。

あまりの快感にガクガクと膝が震え出した頃、何の前触れもなく唐突に解放された。
ふらりとよろめき、恥ずかしさからか上手く息が出来なかったからか、顔を紅潮させ呼吸を荒くする臨也。

キッと静雄を睨むと、彼は勝ち誇ったように強気に不敵にニヤリと笑った。
何故そんな笑みを浮かべたのかと疑問に思う間もなく、臨也は答えを知る。
彼の右手には、確かについ先程まで自分が持っていた使い捨てカメラがあったのだ。


「ちょっ・・・・!卑怯だよシズちゃん!カメラ返せ!」
「意表突けっつったのはてめぇだろ?なぁいーざーやーくん?」


子供が見たら大泣きしながら走り逃げていきそうな―――――口元は三日月に歪んでいるが、眼は完全に冷めている―――――表情で言うと、静雄は右手に力を込めた。
手中のカメラが、メキャメキャととても不気味な音をさせながら潰れていく。

無残に粉々になっていくカメラを見て喚くのは、勿論持ち主の臨也である。


「ああああああシズちゃん酷い!俺のカメラだよ!?」
「だからブッ壊すんだよ!こんなもん残ってたってロクな事になんねぇ!」


静雄の握力によって雑に分解されてしまったカメラが、屋上の床に乾いた音とともに落ちる。
もうカメラの機能どころかフィルムすら砕かれた物体を、しばし沈黙したまま見つめる臨也。

黙り込んでしまった彼に、流石にやり過ぎたかと一瞬静雄の心に罪悪感が湧く。
何となく場の空気に耐えられず、遠慮がちに声をかけようとした瞬間、ばっと臨也が顔を上げた。


「・・・・まぁいいや!」
「―――――は?」


明るい声音の一言に、思わず間の抜けた反応を返してしまう静雄。


「カメラ一つ壊されたくらいで落ち込む訳ないじゃん。だって・・・・・」


そこまで話す間に、すでに彼は屋上の出入口のドア前へと移動している。
静雄が未だに彼の言っている意味を上手く解釈出来ず棒立ちしていると、臨也はそれはそれは綺麗ににーっこりと微笑った。


「昨日犬に逃げられたシズちゃんを撮ったのって、そのカメラじゃないんだ。」


言うと、すぐさまドアを開けて、


「じゃーねシズちゃん。また被写体になってよ。」


ヒラリと手を振って、軽い足取りで下へと続く階段を下りていく。
徐々に遠ざかっていく足音と見えなくなる後ろ姿を、静雄はしばらく呆然と見送っていた。




(いぃぃぃぃざぁぁぁぁやぁぁぁあああ!!)

 

 



うおおおおおお小説でキスシーン書くの実は初めてだった!←
めちゃくちゃ照れますね・・・・!こういうシーン書ける方は本当に凄い・・・・!!
基本CPでもギャグだったり、後は友情ばかりなので、あまりそういう絡みがなくてすいませ・・・・!^q^
もっと素敵なエロスをお望みの方には申し訳ない・・・・!書けるように精進致しますキリッ
それにしても、臨也の口調が未だに掴めないwwwさすがウザヤ←
シズイザ難しいですね・・・・公式で本格的戦争コンビだからラブ書けn・・・はっ!そうかツガサイで行けばいいのか←
そして相も変わらず途中からお題に沿ってない微妙な感じになってしまって申し訳ありませんでした!

 


お題提供元様:空は青かった

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