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ずっと書く書くと言っていて、こんな時期になってしまいました・・・・orz
転生パロシリーズ『巡りゃんせ』の六年生の設定になります。
★立花仙蔵
私立大川学園高等部3−A在籍。寮は301号室で文次郎と同室。
成績優秀眉目秀麗、おまけにドSの風紀委員長。
実家は、父親が貿易会社の重役なので結構な金持ち。
昔と違って髪は短いが、サラストは健在でシャンプーにも気を遣う。
部活は弓道部と茶道部を兼部し両方とも部長だったが、三年なので引退。
前世の記憶は、小学二年生の時に思い出し済み。
思い出すまでは、気弱なママゴト好きの乙男だった。
★潮江文次郎
私立大川学園高等部3−A在籍。寮は301号室で仙蔵と同室。
会計の計算が合わないと合うまで連日徹夜もする生徒会会計委員長。
小学二年生の時に、仙蔵の家の隣に引っ越してくる。
なので、仙蔵とは小学校からの腐れ縁。(本来は前世から)
留三郎とは相変わらず犬猿の仲。すぐ喧嘩して大惨事。
部活は空手部で部長だったが、三年なので引退。
前世の記憶は、高校生になっても戻らず。
★中在家長次
私立大川学園高等部3−B在籍。寮は311号室で小平太と同室。
寡黙だがしっかり人の話を聞いている、実は一番まともな図書委員長。
本が大好きで、暇さえあれば何時間でも図書室にいる。
昔と違って顔の傷はなく、本を読む時は眼鏡をかけるようになった。
多少口数は多くなったが、相変わらず怒ると笑い出す。
部活は文芸部で部長だったが、三年なので引退。
前世の記憶は、物心ついた頃から持っていた。
★七松小平太
私立大川学園高等部3−B在籍。寮は311号室で長次と同室。
いけいけどんどんの暴君健在体育委員長。
明るく他者を巻き込む天然トラブルムードメーカー。(何
長次とは家がご近所で、幼稚園からの幼馴染じみ。
実は部活には入っておらず、色んな部に顔を出す万能スケット。
前世の記憶は、中等部に入ってすぐに六年生メンバーだけ思い出す。
後の人はボヤーッとだけだが、会うと直感で思い出す野生児。
★善法寺伊作
私立大川学園高等部3−C在籍。寮は321号室で留三郎と同室。
怪我人・病人を放っておけないお人好しな保健委員長。
寺の息子なので霊力はあるが、次男の為継ぐ気はないらしい。
部活は科学部で部長だったが、三年なので引退。
前世の記憶は、中等部二年の冬に思い出し済み。
記憶が戻るまでは、ガラも悪く不良で一人称も「オレ」だった。
記憶が戻ってからは、前以上に不運になった気がしないでもない。
★食満留三郎
私立大川学園高等部3−C在籍。寮は321号室で伊作と同室。
手先が器用で日曜大工もお手の物、面倒見が良い備品管理委員長。
部活は剣道部で部長だったが、三年なので引退。
前世の記憶は、高等部に上がって二日目に思い出し済み。
だが、妙にはっきり覚えいる部分と曖昧な部分がある。
記憶が戻るまでは、大人しく消極的で一人称も「僕」だった。
記憶が戻ってからは髪を伸ばしており、今は項が隠れるくらい。
後の設定は、随時追加していきます・・・・っ!
『廻りゃんせ』序・留三郎編(食満+仙蔵)
人生十五年間、自分は目立たないタイプとして生きてきた。
大人しく消極的で、行事等でも表立つ事はない、気弱な生徒。
中等部まではそれで通っていたし、実際そういう性格だったのだが、それは高等部進学と同時に一変する。
*****
それは、高等部に進学して二日目の朝。
目が覚めると、物凄い違和感に襲われた。
起きて目にするつもりだったものと、実際目に映ったものがあまりにも異なり過ぎていた。
天井に設置されているライトを見つめて、ベッドの上で呆然とする。
この時代に、ライトなんてあっただろうか―――――と。
いや、違う。あっているのだ。
今は文明も発達した二十一世紀。
“あの頃”のように、板目だけの天井ではない。
そう考えて、初めて気付いた。
自分は、たった今“あの頃”―――――前世の記憶を思い出したのだと。
その事を理解したとたん、ガバッと飛び起きて下段のベッドを覗く。
そこに、すでにルームメイトの姿はなかった。
どこへ行ったのかと周囲を見回せば、ルームメイトの机の上に一枚の紙が置かれていた。
慌ててベッドから下りて、紙に書かれている文章を読んで、彼が部屋にいない理由を把握する。
『保健委員の用事で、先に校舎に行ってます。』
新学期の始まりは、健康診断や身体検査がある為、保健委員にとっては忙しい時期だ。
また不運な目に遭っていなければいいが・・・・などと考えながら、急いで着替えを始める。
早く、彼に記憶が戻ったと伝えたかった。
思えば、彼が話しかけてくれるようになったのは、中等部二年の冬から。
それまでは殆んど話した事もなかったのに、何故急に優しくなったのかと不思議に思っていたのだが、今ならわかる。
恐らく、彼は丁度その頃に前世の記憶を思い出したのだろう。
せっかく彼が積極的に話しかけたりしてくれていたのに、自分は約一年間も記憶を思い出すのが遅れてしまった。
「・・・・・・後で謝んねぇとな。」
ポツリと呟いて、着替えが終わったのでカバンを抱え部屋から出る。
委員会の用事という事は、保健室へ向かえば彼と会えるだろう。
ドアを閉めて鍵をかけ駆け出そうとすると、丁度向かいから誰かが歩いてきた。
「・・・・食満。ネクタイが曲がっているぞ?」
緩やかな微笑を浮かべてそう言ってきたのは、“あの頃”からの同級生。
彼は、人差し指でこちらのネクタイを示す。
見下ろしてみれば、確かに紫色のネクタイが少々右に曲がっていた。
慌てて着替えたので、ネクタイの事まで気にしている余裕がなかったのだ。
軽く眉根を寄せながら、渋々ネクタイを直しつつちょっとした嫌味のつもりでこう言ってやる。
「・・・・・お前、風紀委員になってから作法の時より口うるさくなったんじゃねぇか?」
瞬間。
こちらの言葉を聞いた相手の切れ長の双眸が、大きく見開かれた。
かすかに震えた口元から零れる、驚愕の声。
「おま、え・・・・・“留三郎”か・・・・!?」
先程と、自分に対する呼び方が異なっている。
どうやら、こちらに記憶が戻ったと気付いたらしい。
“あの頃”から考えても滅多に見れなかったあまりの驚きの表情に、思わず笑みが零れる。
「なーに言ってんだよ、仙蔵。」
不敵に笑って、続ける。
「俺は、今も昔も“食満留三郎”だぜ?」
その一言に、相手は最初きょとんと目を瞬いていたが。
すぐに普段のような艶のある微笑を浮かべて、「そうだな。」と返してきた。
(―――――ほら、こんなにも。)
(この世界は、“あの頃”以上に輝いている。)
『廻りゃんせ』序・伊作編(伊作+食満)
中等部二年生の途中まで、自分は不良と呼ばれる部類だった。
授業の遅刻サボリは当たり前、勉強だってロクにせず気の合う仲間と遊んでばかりの日々。
その生活に別れを告げたのが、中等部二年の冬。
冬休み入る直前の、終業式の日だ。
その時の自分はまだ、終業式なんて教師達が長話するだけだろうくらいにしか思っていなくて、勿論友達とサボろうとしていた。
けれど、たまたま逃げようとしたところを担任に見つかって、強制的に出席させられた。
学園長の話は突飛な事で有名で、終業式でも何を言っているのか理解し難かった。
暇な式に、思わず欠伸が洩れる。
早く終われ、そしたら遊びに行けるのに・・・・と、そんな事ばかり考えていて、後半の話など全く聞いていなかった。
実際より物凄く長く感じた終業式が終わり、寮へ帰る道。
外は寒い空気に覆われていて、鼻を啜りながらふと前方を見やった。
その時目に入ったのが、ルームメイトの後ろ姿。
自分とは正反対の性質の人間だったので、一年の頃からルームメイトでクラスメイトだったというのに、今まで殆んど話した事がなかった。
―――――ない、はずなのに。
何故か、その背中を見ていて涙が出そうになった。
理由もわからず胸が締め付けられるように痛くて、苦しくて、悲しかった。
前を歩く背中と、別の誰かの背中が重なる。
萌葱色の、装束。
知らないはずなのに、知っていた。
・・・・・いや、知らないのではなく、覚えていなかったのだ。
ドクン、と心臓が大きく脈打った。
視界が、涙で一気に滲む。
頬を伝った雫が、ポタリとアスファルトの地上に落ちて消えた。
そして、全てを思い出した。
自分は・・・・遥か遠い昔―――――数百年も過去に、闇に生きる忍びだったのだと。
かけがえのない大切な仲間達と学び合い、助け合い、彩りある日々を駆けたのだと、思い出した。
流れ込んでくる記憶の量に、心が懐かしさで満たされていく。
こんなに大事な思い出を、どうして忘れていたのだろう。
“あの頃”も同じ組で同室だった彼と、とっくに再会していたというのに。
学園にだって、“あの頃”の友の姿があるというのに。
幾度となく、廊下ですれ違っていたのに。
彼は―――――今目前を歩いている彼は、“あの頃”の事を覚えているのだろうか。
性格も“あの頃”と異なっているし、話しかけてもこない事からして、恐らく覚えていないだろう。
というより、今までの自分を恐れて避けているかもしれない。
何せ、つい数分前までの自分は、結構な問題児だったのだ。
その印象だけは、何としても改めなくては。
そう思い、零れた涙を右腕で拭って、彼に追いつく為に足早に歩く。
彼と同じ位置まで辿り着き、横に並ぶ。
自分の事に気付いていないらしい彼に、優しく声をかけた。
「・・・・・・やぁ、留三郎。」
瞬間、ビクリと彼の肩が強張る。
「・・・・・え・・・・・。」
おどおどとした様子に、やはり恐がられているのか・・・と多少落ち込んだが、こんなところでめげている訳にはいかない。
また、彼と―――――そして、学園にいる彼らと“あの頃”のように楽しく過ごす為に。
訝しげに・・・・というより、不安気にこちらの顔を見つめてくる彼に向かい、ニコリと微笑む。
それから、口を開いた。
「また、これからもよろしくね。」
(―――――もう、大丈夫。)
(“あの頃”のように、君とまた笑い合えるよ。)
『廻りゃんせ』序・小平太編(小平太+伊作)
中学に入ってすぐ・・・・確か、六月頃の放課後。
友達と一緒に校庭でバレーをしている最中、滅多にないのに太陽の光に目が眩んで周囲が見えず、ボールが顔面に直撃した。
そのまま気絶して保健室に運ばれた時に見た夢の中で、自分はいつも仲間と楽しそうにしていた。
苦しい時も悲しい時も、楽しい時も嬉しい時もともにいた、大切な大切な友人達。
―――――なのに。
彼らの姿が、声が、顔が思い出せない。
想えば想うほど、泣きたくなる。
声が枯れるほど彼らの名を叫びたいのに、それが出てこない。
必死に思い出そうとしている内に、一瞬にして辺りが暗闇に変わった。
彼らが・・・・同じ位置に立っていた彼らが、遠ざかっていく。
自分一人を置いて、仲間の背中が小さくなる。
待って。
待ってくれ。
オレは―――――私は、まだお前達と一緒に。
仙―!
文――!
伊―!
留――!
あと一人。
手を、伸ばす。
長・・・・・っ。
「―――――長次!!」
目を覚まして飛び起きると、そこは保健室だった。
荒い呼吸を整えて辺りを見回し、自分はボールが直撃して気絶したのだったと思い出す。
それまで一緒にバレーをしていた友達が、心配そうにこちらを覗き込んでいた。
ボールが直撃した事の謝罪と身を案じる不安気な声に、「大丈夫。」と一言返す。
ボールが当たった痛みなどとっくに消えていたし、友達にも怒ってなどいない。
それより何より、今自分が飛び起きた拍子に叫んだ名前の方が気になった。
あの名前は―――――幼稚園から同じクラスの、大切な幼馴染みのもの。
・・・・・いや、違う。
幼稚園より昔―――――遥か遠い過去の“あの頃”から一緒にいる、かけがえのない存在。
そうだ、あの、楽しかった日々の“彼”だ。
何故、今まで気付かなかったのだろう。
幼稚園から、もう何年もこうして隣にいたというのに。
そう思うと同時、身体が勝手に動いていた。
ベッドから跳ぶように下りて、保健医や友達の心配気な声にも「大丈夫!」とだけ伝えて駆け出す。
保健室のドアを開けたとたん、たまたま廊下を歩いていた生徒とぶつかりそうになった。
何とか条件反射で身体を捻らせて避けたけれど、相手側から怒鳴り声が返ってくる。
「危ねぇじゃねぇか!!」
その、返ってきた言葉ではなく、思わず声に反応した。
「あ、ごめんいさっくん!また後で!!」
「・・・・・・・・・・・・はぁ?」
相手は声をひっくり返して間の抜けた顔をしていたけれど、立ち止まっている暇はない。
一刻も早く、彼と話をしたかった。
後ろから「待て!」という声が届いてきても、足は止まらない。
脳裏に浮かぶ彼は、“あの頃”と変わらず本が大好きだから、きっと図書室にいるはずだ。
さて、彼を見つけたら最初に何を伝えよう。
話したい事はいっぱいあるけれど、一番に言いたいのは―――――。
(―――――また、彼らと。)
(“あの頃”のように、鮮やかな世界を取り戻そう。)
『廻りゃんせ』序・長次編(長次+小平太)
物心ついた頃から、自分には前世の記憶と呼べるものがあった。
誰かにそう言われた訳ではないけれど、最初から何となく理解していた。
脳裏に浮かぶ古い町並みや、忍になる為に学んだ学園の風景、友人達との生活、戦闘の時の恐怖と高揚感―――――どれも前世で感じたとしか考えられなかった。
幼い頃は、見た事も聞いた事もない言葉を話してしまって、よく両親を不思議がらせていたらしい。
子供とは思えない専門的な分野等の難しい話をして家族を不安にさせない為に大人しくしていたら、“あの頃”のように無口になってしまったが。
だが、それが一番自分らしいと思ったので改めなどしなかった。
幼稚園に入園した時、“あの頃”に同じ組だった彼と出逢った。
忍の学園にいた六年間、苦楽をともにした大切な友。
表情にはあまり出なかったが、やはり数百年振りの再会は嬉しかった。
―――――けれど。
「ちょーじっていうのか!オレ、ななまつこへーた!よろしくな!」
彼は、“あの頃”の事を全く覚えていなかった。
当然だ、誰だって前世の記憶というのは覚えていないもの。
物心ついた頃から記憶がある自分の方が、異質なのだ。
その事に少々落ち込んだ時もあったが、彼は昔のように接してくれた。
記憶がないというのに、“あの頃”のように笑って話しかけてくれた。
だから、自分も過去は過去の事と割り切って現世を過ごしていた。
*****
それから数年経ち、中学に入った時。
たまたま校内で、“あの頃”六年間同級生だった仲間達を見かけた。
前世の記憶を覚えている者はいないだろうと思っていたが、一人だけ・・・・“あの頃”作法委員長を務めていた彼だけは、どうやら記憶があるらしかった。
話を聞いてみると、彼は小学生の頃に記憶が戻ったのだそうだ。
その事を知り、己以外に記憶がある者もいるのだと安心した。
中学一年生の六月、放課後に図書室で本を読んでいると、廊下からバタバタと駆ける足音が聞こえてきた。
特に気にもせず書面に集中していると、激しい音をさせて図書室のドアが開いた。
その日は図書委員である自分が図書室の係で、カウンター席に座っていた。
今も昔も、図書室は静かにしなければならないというのは変わらない。
なので、せめて注意はしようと、いきなり開いたドアの方へ目を向ける。
そこに立っていたのは、クラスメイトでありルームメイトでもある彼。
その立ち姿が、一瞬“あの頃”の萌葱の装束を着ていた姿と重なって見えた。
残像を掻き消すように目を瞑り軽く首を振っていると、その間に彼は目前へやって来ていた。
あの、太陽のような笑顔で、真っすぐこちらを見つめてくる。
確か彼は、友達と一緒に校庭でバレーをしていたのではなかっただろうか・・・・そんな疑問を持ちつつも、注意する為に口を開く。
「・・・・・・・・・・小平太。図書室のドアは、もう少し静」
「長次!」
不意に改めて名を呼ばれ、思わず言葉を止める。
彼の声はなかなかに響く性質なので、図書室内で反響した。
もう一度注意し直そうと声を発する前に、彼の方が言葉を放った。
「遅くなってごめん!」
唐突な謝罪に、何か約束でもしていたかと首を傾げる。
それを目線だけで問えば、彼は再びニカッと笑い、
「話したい事が、いっぱいあるんだ!」
「・・・・・・・・・・?」
「“オレ”としてじゃなく、“私”として!!」
目を、見開いた。
現世で、彼が“私”と言った事など一度もなかった。
それなのに、“あの頃”と同じ一人称を口に出すなんて。
彼の明るい笑顔が、“あの頃”と全く同じに映る。
そして、漸く理解した。
今目前にいる彼は、紛れもなく“あの頃”の彼なのだと。
そう認識してから、かすかに口元を綻ばせて伝えた。
「・・・・・・・・・・図書室では静かにと、昔から言っているだろう?」
(―――――そう、今から。)
(これからまた、“あの頃”のように歩き出せる。)
性 別 | 女性 |
誕生日 | 2月16日 |
地 域 | 神奈川県 |
職 業 | 大学生 |
血液型 | O型 |