▼22:56 2009/10/6 (0)

口を滑る 偽りを
信じてくれと 縋り付く
嘲笑う 貴方の顔に
湧き出る想いは

愛 と 殺意

貴方の胸に 頬を寄せ
回した腕に 毒を塗り
口元だけを 引き攣らせ
喰い込む爪に 貴方の温度

殺してしまえ

嘘を言うのは この唇
嘘つきなのは 貴方の唇

騙し合いを続けた果てに
死に逝く姿は 貴方か 私か

ああ 愛してくれと叫ぶのに
振り返り 微笑む瞳は もう なくて
失ったのは 愛した瞳と 私の真実
後戻りは 出来ないと
振り返り 弧を描く唇に

生まれる 殺意

「愛しているの」 口を滑る

嘘と言う 悲しい真実

▼23:54 2009/9/20 (0)

鳴いた 鳥

貴方がいた 最期の夏
想い出を掘り出して 何度も泣いた
見上げた空が 眩しくて
細めた目から 雫が落ちる

嗚呼 逝かないで

捨てたものが 多過ぎて
拾ったものが 儚くて
散って逝く日々が 早過ぎて
速度を上げた 現実と
変わらぬ時の 遠い過去

嗚呼 貴方が居れば良かったと
嗚呼 貴方だけが世界だったと
叫んでみても 誰も聞いてはくれないけれど

羽ばたく鳥が 貴方を映して

大空に舞う 幻が
悲しみと共に 消えるなら

嗚呼 まだ どうか
悲しませていて 忘れさせないで
愛を繋いで 消えないで
辛い現実 悲しい過去
それでも 貴方を感じていたい

空に消えた 幻の鳥
どうか 貴方が私を覚えてくれますように

▼23:07 2009/9/19 (0)
眠らない 逆さ吊りのピエロ
浮かぶ笑みは 何を遺して
風に舞う 香りは常に灰色で
擦れ違う 振り返る肩に
堕ちる 問い掛け

止まない雨に 青い傘
打ち付ける雫に ひとつ 泣き
空気に混ざる 空虚に消える
平行線 振り返る肩
苦しみの懺悔 堕ちる月

振り返る男 微笑むピエロ
振り返る女 涙するピエロ

嗚呼 雨だというのに
雨、だからなのか
もう 手は伸ばさない
振り返らない ひとつ 進む

いち

にい

さん

振り返る その先に
男の背中 涙するピエロ

さん

にい

いち

振り返る その先に
女の背中 微笑むピエロ

眠らない 目が開かない
開いてはいけない
ピエロが迫る 追い駆ける

嗚呼 さようなら
愛しい貴方 卑しいピエロ
嗚呼 さようなら
悲しみの月 言い訳の空

▼23:46 2009/9/18 (0)
雨の日の犯罪者

一枚 めくる
君か?

二枚 めくる
違う

三枚 めくる
やっぱり 貴女だ

四枚 めくる
違う やっぱり 君か

五枚 めくる
塗り潰された 真実
違うわ 貴方だったのね

六枚 めくる
泣き止んだ
いや まだ 止まらない

七枚 めくる
歪められた真実 矛盾する行き察
真実を知る時
握られた刃が牙を剥く

叫んだ言葉が 空を舞い
少年には翼を 少女には自由を

八枚 めくる
僕は 何もやっていない
真実を知るは 誰も亡く
他人の言葉を嘘にして
自分の言葉を信じずに

九枚 めくる
逃げ場は 何処だ
埋もれた死体に 問い掛ける
間違いは どれだ
嘲笑う死体に 問い掛ける
出口は 何処だ
そこは本当に 救いなのか
自由は 何だ
狂おしい程 愛苦しい程
手にしたい物なのか

青年は 覚悟を
ほつれた糸を 解く手に
重なる温度を 知っている
手にした救いは 虚しいけれど
終わりの見えない 悪夢から
解き放つ時を 君と待つ

十枚 めくる
最期に 笑う



犯 人 は 誰 だ ?

▼10:33 2009/9/18 (0)
迫り来る闇 拡がる朱
空虚と化す 幻想に
救いを求める

捨てた秋

冷たい光
見誤って 手を伸ばす
救ってくれる 影は亡く
望む事さえ 明日に消ゆ

消えた冬

湧き出る闇に 生まれた渦
閉じた瞳に映った 光
眠りに就く 闇に消える
拡がる現つに 埋もれて
亡くす 騙されて
気付かない振り 見ない振り
亡くしたものは 振り返らない

幻想に死んだ春

引き攣る喉に 爪を立て
微笑む聖母が 締め付ける
眩しい空は 瞳を焦がし
流れる雲は 生を抜き取り
拡がる朱に 囁かな幸を

逃げ出せる その先に
明日はないと 知っているけど

拡がる朱 沈む現つに

解放の夏

*#

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