嘘つき兎 死んじまった。
因幡の仲間がわあわあ泣いた。

「ああなんてお馬鹿な子!あたいだったらもっと上手に大嘘ついてやるのにねえ!」
因幡の仲間は大笑い。笑い過ぎたら涙がぽろり。

「ああなんてお馬鹿な子!あいつが消えてせいせいすらあ!」
因幡の仲間は大喜び。嬉しすぎたら涙がぽろり。

「ああなんてお馬鹿な子!これじゃあ暇がつぶせやしない!」
因幡の仲間は大嘆き。あくびをしたら涙がぽろり。


見知らぬ兎 死んじまった。
私は非情な因幡の仲間。

どれが本気の涙なの、どれが胸中うずまくの、
私は因幡、因幡の仲間。
嘘つきすぎた代償に、命も渡せぬ代償に、
自分の本気がわからない。
涙の理由が知れぬまま。