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フリーゲーム「愛はさだめ、さだめは死」感想

「死後流転するならば物語も巻き戻るのか?」
なかなか読み終れない前置き。



えー、今回は、さつ(www.geocities.jp)さんところのフリーゲーム「愛はさだめ、さだめは死」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

前に取りあげた「ふしぎの城のヘレン」(mblg.tv)と同じ作者様で、こちらが前作に当たります。ストーリー面では一切関連がありませんが、システム面ではちらっと前身に当たる様なところも見受けられる、かもしれません。

ジャンルは、うーん、なんだろう。戦略型ダンジョンもの? 斬新なシステムの一作なので、うまいこと言えませんが、とにかく「死神」「冥界」「運命」等ののワードにピンとくるなら合うと思われます!



というわけで以下、特徴など。



・パラメータ2つだけの複雑オリジナルバトル

パラメータとしてあるのはHPとVITの二つだけ。持ち物も装備品だけとシンプルなものです。ひたすらダンジョンに潜って敵を討伐すれば良いので、操作も簡単。オリジナルバトルは好きだけど複雑なチュートリアルは嫌い、そんなあなたにオススメです。

しかしながら、この二つだけというのが曲者で。
1つのパラメータが攻撃力・防御力・行動力を兼ね備えているようなものなので、ある意味ではかなり複雑とも言えます。序盤にヒントをくれるキャラもいますが、理解しきれないうちはぽこぽこやられることもしばしば……。戦闘に手ごたえを感じ始めたのは中盤以降だったように思います。

敵キャラのパラメータは事前に確認できる場合がほとんどなので、対策を練ってから挑むのが重要だなーと感じました。戦略を練るのが好きな方や、詰将棋系が好みの方向けのバトルシステムかもしれません。




・名作の一節が心を打つ多様な敵達

例を挙げると羅生門。個人的に好きなのはシラノ・ド・ベルジュラック。

そうです、出てくる雑魚敵のほとんどがかの名作にちなんだキャラなんです。こういう引用ものは元ネタがわかるととっても嬉しいですし、知らなくても台詞だけでキャラが立って良いものです。敵によっては短い台詞に深い事情が感じられて、思わず討伐を躊躇ってしまうことも。
純文学だけじゃなくって曲やそのほか色んなところから引っ張られてるのも面白かったです。是非とも元ネタ一覧が欲しいところ。
ボス敵のほうもしっかりと意思をもったキャラばかりで、淡々と倒すには抵抗が出てきそうなシーンもあります。とはいえ倒さなければ進めないわけで、葛藤しながら戦いを挑むのはまさにタイトルを体現しているかのようでした。





・主人公は私、直球メタストーリー

OPからしてはっきりと、「主人公は今ゲームをしているあなただ」というような形で宣言されます。しかしながら当然、主役はゲーム内にいるわけで、プレイヤーはゲーム世界に現実的に飛びこめるわけでもありません。では、この導入がはたしてどう繋がるのか?
勿論、結論を書くとネタバレになるので伏せますが。いやー、やられました。ある意味単純と言えば単純ですが、エンドロール前の言い回しがまた上手いもんで、グっと心にきちゃいます。そろそろ掃除しないとなあ。
ストーリー部分は短いのですが、その分濃密です。

メタ視点が許せる、大好きな方は是非ちょっとやってみて欲しいゲームです。
ちなみに冒頭のタロットは魔術師の逆位置でした。うーん、当てはまる。





・討伐すべき敵はどこ? ローグライク風ダンジョン

冥界の街とダンジョンを交互に行き来して彷徨える魂を屠っていく、というのが大まかな流れ。このダンジョンものをツクールでやってることにまず驚く自分がいます。
一方通行の床や隠れた通路など、ダンジョンものによくある探索要素もしっかりあって、バトルのみでなくマップの面でも楽しめました。迷子になりがちな私にはオートマッピングも助かります!

いっぺん街に帰ると全回復、というシステムも面白かったです。負けても奪われるのは武器だけですし、同じ武器が色んなところで手に入るので、わりとデメリットは薄め。いざとなれば白旗も振れます。たぶん作者さんとしては、1体ずつ倒して帰還というより、複数に挑んでぎりぎり状態で帰還するスタイルを狙っているんだろうなあと。

ただこれ、個人的には合わなかったところもあり。
強敵には全快の状態で挑みたい。しかしながら敵配置がランダムなので、とにかく自分の力量に合った相手を探すのが大変。奥の階に1体だけ残して帰還なんてしちゃった時には、会えるまで何度も行き来する羽目になり、ぶっちゃけ面倒でした。しかも、帰還ポイントが敵と被ることも。
最奥へのワープシステムや、道中での回復装置があれば、作業感が無くなってくれたと思うのですが……。ここだけ惜しかったです。






とまあ、こんな感じで。
独特のシステムが人を選ぶところもありますが、ストーリー面では輝くところがあり、シリアス好きにはどっぷりハマれる一作だと思います。
何よりOPのタロット演出が素晴らしい! そして、トゥルーエンドのカタルシスが気持ち良い!
気になった方には是非DLしてほしい良作でした。

フリーゲーム「ふしぎの城のヘレン」感想

「頭を使えば大人になれる?」
お肉も食べような前置き。



えー、今回は、さつ(www.geocities.jp)さんところのフリーゲーム「ふしぎの城のヘレン」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
まず公式サイトの説明文が唸るほど良い!これでピンと来たら即DLすべきと言っても過言じゃありません。

VIPRPGとして出されたそうですが、こちらの作品にはVIP独特のドギツイネタはなくRTPも同梱してあるので、一般的なフリゲとして取り上げて良いんじゃないかなーと思います。
初めにオリジナル戦闘システムに惹かれ、ダンジョン探索に頭を使いつつ、いつの間にか広がっていたストーリーと世界観の虜になるという見事な構成っぷりのRPGでした!
というわけで順番に項目立てて感想など。




・引き算が鍵になるオリジナル戦闘システム

やはり一番の特徴はオリジナルバトル。
私は弓でぽかぽか弱ジャブ入れつつ魔法で一発決めるのが好き……。敵によってある程度勝ち筋や攻略法はあるものの、自分の裁量で色んなプレイスタイルができるのも魅力の一つだと思います。剣縛りプレイとか楽しそう。

ポイントは行動を決定してから発動するまでのタイムラグがあることです。事前に相手の行動が見えるので、相手の攻撃が来るのに合わせられるようタイミングをはかって防御したり、準備の隙をついて連撃を叩きこんだり。基本はコマンドバトルですが、複数の武器や行動コストの管理などを考えるとかなりの戦略が立てられます。

シンプルながらも奥深い、というとありがちな書き方になってしまいますが、ルール変更や追加縛りなしで最後までこのシンプルさを貫いてくれたのはとてもありがたかったです。



・とにかく可愛く動きまわるドット絵

バトルと合わせて見たいのがドット絵。とにかくこれが可愛いこと!
ゲーム開始して、ダッシュモーションに早くもきゅんときてしまいました。他にも、可愛いポーズを決めてくれたり、かっこよく剣でずばっとしたり――動き回るヘレンが可愛くってたまりません!
敵キャラのグラフィックも丁寧で、どのキャラもぬるぬる動いてくれるので飽きずに雑魚戦へ挑めます。
某キャラの決闘の合図にはもうぞくぞくしました!



・ユニークで親切なダンジョン探索

ダンジョン内にも仕掛けは色々で、隠し部屋や片方しか選べない宝箱など、どのフロアも凝っています。仕掛けがある場所にはきちんと視覚的なヒントがあって、ちょっと遠くに見える謎の部屋に「うん?」と思わされるのがたまりません。特に四天王の部屋にはやられました!発想がぴったりだしギミックとしても面白い!
また、終盤になるとそれまでの階のヒントを得られるため、見逃したものは再度探しに行くことができます。ダイレクトに誘導するのではなく、ひっそりと仕込んである辺りが絶妙でした。
凝っていながらも親切設計なダンジョンだったので、探索がすごく楽しかったです。



・プレイヤーと共に広がる世界と成長するヘレン

ゲームを起動すると、OPもなくポンと寂れた場所に放り出されます。そしてチュートリアル無しの初戦。まさにやってわからせるゲーです。
と、書くととても不親切に見えてしまいそうですが、ここまでは慣らしのようなもので、すぐ後にヒントをくれる人が出てきます。なので文字で説明が欲しいタイプの方も一安心です。
「ゲームなんだから早く動かしたい!」「初めから誘導されてるとつまらない!」そんな要望と、「きちんと説明してくれないとわからない!」「難しい時はヒントが欲しい!」という要望を両立させているという。すさまじいバランス感覚に感服でした。
プレイヤーがだんだんゲームに慣れ、できることが増えていくにつれて、主人公のヘレンが行ける場所も増え、彼女のできることも増えていきます。ヘレンを先に進ませてやるぞー!と燃えながらプレイできました。



・胸が熱くなるストーリーとニクイ台詞

さて、初めはほとんどストーリーといったものがないので、とてもシンプルに見えるこの作品ですが。ヘレンの世界が広がりステージが進むにつれて、たくさんの事実が明らかにされていきます。この段階を踏ませるストーリー展開がまたクるんですよねぇ。
また、台詞にも印象的なものが多く、ラストは名言の応酬と行ってもいいほどでした。
ストーリー面は何を言ってもネタバレになってしまいそうなのでこの辺で。売りはシステムだけじゃないんですよーってことだけ主張しときます!



・耳に心地いいSE、効果音

最後に音に関して。
戦闘中、カチカチカチカチッと削れていく秒がたまらなく好きでした。聞いててすごく気持ち良い音なんですよねぇ、あれ。コマンドの決定音などがどれも鈍い音だからなおさら感じるのかもしれません。
ぼふっていう閉じるみたいなあの音を決定音に使うってとこも好きです。
あと、一か所音が重要なギミックがあって、あれも大変やられました。引っかかりました。上手い!





とまあ、こんな感じで。
繰り返しになりますが、公式サイトの紹介文が秀逸かつ全てな気がします。ピンときた人にオススメの名作でした!

追記からはネタバレ感想。



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