フリーゲーム「OFF」感想

「知的な君であるならば言うまでも無く気付いているとは思うが」
プレッシャーのかかる前置き。



えー、今回はUnproductive Fun Timeさんおよび翻訳陣によるフリーゲーム「OFF」(offjptranslation.wordpress.com)の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

ジャンルはRPG、ラストのみ分岐あり、見ようによっては鬱展開の作品です。
もともとかなり話題になっている一作なのでご存じの方も多いかと思うのですが。この作品、もともと海外で作られたものです。と言っても、例えばアメコミと聞いて連想するような勧善懲悪で色鮮やかな俺がヒーロー的な作品ではありません。かなり静謐で、かつ皮肉の効いた良い一作でした。



というわけでまず魅力的な点から。



・堂々と挟まれるメタ視点

初めに聞かれるのはプレイヤー名です。と、言ってもキャラクター名ではありません。そう、あなたの名前です。私は自分のHNを入れたんですが、カタカナなおかげか世界観にも馴染んでラッキーでした。
登場人物はもう堂々とメタ視点を持っています。そのぶん私もかなり心を揺さぶられました。だってあの人達こっちのこと見透かして来るんだもの。



・哲学調にスパイスの効いた台詞

翻訳作であることを知った時は正直ちょっとためらいがあって、言語感覚が違うんじゃないのかなあなんてことを考えてもいたのですが。これも杞憂で、プレイした結果、プレイして一番気に入ったのはセリフなどの文章面でした。
なんだろう、ちょっとお固くはあるんですけど、シニカルな感じがすごく好きなんですよね。チュートリアルのジャッジの口調でもうめろめろでした。OFF語録とか作って欲しいくらいです。
一番好きなのはヴァレリーの住民街での大演説です。




・BGM

さすが、最初に注意書きがあるだけあって、かなりクオリティが高いです。
エレクトロニカ時々インダストリアル系?だと思うのですが私の音楽知識は乏しいので何とも。とにかく、主だった曲はどれも聞いていてどことなく沈んでいく感じがして好きです。
やっぱり初印象が強烈だったからか、zone0の曲がお気に入り。それと戦闘時の曲の、途中のガンガン鳴ってる音が野球の応援歌っぽくて好きです。




・ちょっと頭を捻らせる必要のある謎解き

RPGではありますが、おつかい要素より謎解き要素の方が強いです。
初めはなんとなく察しのつく簡単な難易度にして、次は少し捻った展開に。基本→応用の流れがしっかりしている謎解きが多くて楽しかったです。
ギミックの箱がぷかぷかするのが可愛くてなんか好きです。図書館も考察しがいがあって、謎解きだけに収まらない色々を感じられました。この辺りをがっつり考察していくと世界観が深まるんだろうと思うとたまりませんね!



・癖になるキャラクターとグラフィック

黙々と浄化を進めるバッター、軽薄おちゃめなザッカリー、皮肉屋だけど純粋なジャッジ。メインキャラがどれも良い味出していて、会話イベントになる度わくわくしました。街の住人的なポジションのエルセン達も、疲れた心にぶっ刺さるような一言をさりげなく漏らしてきて癖になります。
キャラクターのグラフィックはかなり独特です。仲間キャラは輪っかですし。敵キャラのグラフィックもモノクロでどことなくバケモノじみた感じ。それがいい。デザインの発想はまさに感服の一言です。この作品でしか味わえない個性感があります。
それぞれのマップは単色ながらも色鮮やか。特に終盤の狂気的な演出には良い意味で鳥肌が立ちました。一つのマップをあそこまで効果的に使い回せるのは流石の一言です。
とにかく、癖になる。これに尽きます。





とまあ、こんな感じで。
不思議な世界観や、色々考えたくなるストーリーに惹かれる方、作品の画像などを見てピンと来た方は是非ともプレイしてみて下さい!

追記にはネタバレ感想、興味のある方は右下追記よりどうぞ。
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フリーゲーム「腐った世界の庭、美しきルネス」感想

「腐葉土でこそ花はよく育つ」
適当言いましたな前置き。



えー、今回はコメディクライム(comedycrime.sakura.ne.jp)さんところのフリーゲーム「腐った世界の庭、美しきルネス」(comedycrime.sakura.ne.jp)の感想をつらつら書きますね。
プレイ時間30分程度の一本道ノベルで、暗澹とした世界と甘酸っぱい悲恋が感じられる一作です。革命、魔女、勇者、恋愛、ネガティブなどにピンときたらDLしてみることをオススメします。



・ストーリー

女性向けとあったので恋愛メインだろうと予想しつつプレイしましたが、魅力は恋愛面だけでなく舞台設定にもありました。腐りきった王政、冷笑を浴びせられる勇者などなど……。こういう暗い世界観大好きなので、序盤からこれは好みだなーと感じました。
悲恋もので終始暗めの雰囲気が漂うこの感じ。穏やかなシーンでもどことなく終わりを感じさせられる展開がたまりませんでした。
女性向けで男性視点な作品はそんなにプレイしたことがなかったのでこれも新鮮でした。



・キャラクター

ジュラス・ラザラス
思考が攻撃的なのに口調が柔らかいと言うか、
君、僕、「〜なの」という独白がたまらんツボでした。
アンバランスな感じが好きです。

ラーン
可愛い。
これ書くのは野暮ですが、覚えていたけど忘れたふりをした……
みたいないじらしい考えがあったってことですよね。
穏やかに過ごしていた日々の心情を考えると切ないです。



・グラフィック

短編ではありますが、スチルが惜しみなく出てくるのでグラフィック重視の方も楽しめると思います。杯を傾けられている時のスチルが好き……。
台詞枠に名前を出すのではなく、色替えで誰が言っている台詞かわかるようにしているのもおしゃれでいいなーと思いました。人数少ないから名前でなくても問題ないし、メタ要素が減るのも利点だなー、なんて。
1シーンにしか出てこないサブキャラにも立ち絵があって、丁寧さに感服です。




とまあ、こんな感じで。
ルネスの意味がわからなくてググってみたところ、人間復興との訳が出てきまして……エンディグを想起させられてじーんと来ました。
短めではありながらも綺麗にまとまっているので、興味を持った方は是非DLしてみてください。

フリーゲーム「アクイ ト アイ」感想

「利害の一致は時に善行になりうる」
別にあんたのためじゃないけどな前置き。



えー、今回はWooden Tkool(woodpenguin.blog.fc2.com)さんところのフリーゲーム「アクイ ト アイ」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽくなってます。
中編RPG、プレイ時間は3時間強くらい。地獄から這い上がっていくストーリー。RPG慣れしてる人向けかと思います。難易度はやや高め。ただ、ゲームオーバーになるとヒントが得られます

では、さっそく良かった点から。
以下、ぼやかしているつもりではありますが、察しの良い方はネタバレ注意です。



・ダークヒーローの蹴落とし物語

ストーリーをざっくりまとめるならこれに尽きる気がします。
といっても胸糞悪い系の展開はほとんどありません。世界設定が地獄なので鬱展開めいたエピソードはありますが、キャラクターが皆開き直るなり許容するなりしているので基本的に後味は軽め。むしろ、王道的な熱い展開に期待する方が良いくらいかもしれません。
序盤は漠然と黄泉還りを目指して進み、世界観に馴染む。中盤はキャラクターの過去話の掘り下げ。終盤は彼らの未来について。階層を進むにつれてお話も段階的に広がっていくので、とても飲み込みやすく共感しやすい良い構成でした。



・お約束を破らず生き生きするキャラクター

タイトルの通り、メインキャラクターは「アイ」と「アクイ」。そう、これキャラクター名なんです。特にアクイはその名の通り、悪意を体現したようなキャラとして描かれます。
この発想にまずやられましたねぇ。斬新だし、キャラを覚えやすいし、勿論キャラは個性的になるし。まさに発想の勝利って感じでした。
お気に入りキャラクターはセイギ。彼のお約束的な行動、大好きですw 脆いところがあるのも人間味があって素敵。
会話のテンポがとても良くて、中でもギャグシーンはつい吹き出すことがしばしばでした。アクイがこっちの言いたいことを代弁してくれていたおかげかも。プレイヤーの思考を読まれてる感が面白かったです。
イベントシーンで、二頭身(?)ドットがたくさん動いてくれるのも見どころでした。アイちゃんのジェスチャー可愛いなあ。



・わかりやすく、捻りの効いたマップ

前に進むだけなら迷うことの少ないマップが多いです。ただ、この作品の魅力は脇道にあります。
あからさまに色の違う床とか、通り抜けできる壁とか、思わせぶりな出っ張りとか。わくわくしますよね! 一階層につき最低一か所はこういったお宝脇道が隠れ潜んでいます。これからプレイしようと考えている方は、基本的に行き止まりには何かあるものだと心しておくと良いかもしれません(実際何もない時もありますが)。
このマップ作りが絶妙で、何となしに進んだ通路から隠し通路のヒントがあったり、行き止まりを良く見れば向こう側にアイテムが落ちていたりと、絶妙なバランスでご褒美が仕掛けてあります。ああいうヒントに気づけるとこちらもすごくやってやった感があって嬉しいんですよねぇ。おかげで楽しく徘徊できました!



・皮肉の効いたテキスト

アイテムの説明文や、能力(ステータス)画面の辞書引用文が印象的です。特に、〜〜感や〜〜心の説明文は一見の価値あり。警句めいたものから突っ込みを入れたくなるものまで、端的にびしっと決めてくれているものが多いです。種類が豊富なのも面白かったなあ。
警戒心と優越感の説明文が好きです。クスっとくる感じが。



・親切リトライ機能

ボス戦で負けるとリトライを選ぶことができ、ボス前イベントをすっ飛ばすことができます。しかも、メニュー画面からスタートなので装備や作戦を考え直せるという有難い仕様! これには何度も助けられました。なので、ボス戦で心が折れることは少ない、かも!





さて、一方、人を選びそうなところもありまして。それがこちら。


・独自のバトルシステム

コンボなどのアクション要素や、組み合わせによって変化するスキル、状態異常や弱体に対する耐性の事前表示などなど、独自要素が濃いです。初めこそかなり戸惑いましたが、これがなかなかに楽しいものでして。初めて自力でコンボを繋げられた時は鼻が高くなりました。
しかしながら、難点もいくつか。AIが弱く、手動で命令しないとボス戦ではまず負けると思います。かといって手動操作していると攻撃でのコンボ稼ぎができず、せっかくのアクション要素が殺されてしまうんですね。互いに干渉し合っちゃってる感。
また、スキル変化はキャンセルにチェックを入れていてもほぼ強制で変化してしまうので、ここもちょっと不便。とはいえここのところは攻撃順番を変えるだけで回避できるので、戦略立てるの好きな方には燃えどころかもしれません。
要は、合う人と合わない人が分かれそうなバトルシステムかなと感じました。行動順を調整するのは凄く面白い試みだと思うんですが、うーん。





で、最後にちょっと残念だった点を。




・エピローグのあっさり感

ラストはそれこそ終盤にふさわしく、動き、暴れ、悪意がものを言わせる流石のストーリーです。だからこそ、失礼を承知で言いますが、エピローグがとっても惜しかった! なんだろう、あまりにあっさりと終わってしまったのです。盛り上がった気持ちを昇華して欲しかったー!というのが正直な感想でした。
でも本当、直前の大活劇は最高に心が震える展開でしたので、悪しからず!



・信用し過ぎれば詰みに近づくシステム

ストーリーの関係上、去った仲間の武器防具等が回収できない理由はよくよくわかります。むしろ返される方が違和感なのも重々承知です。
しかしそれでも言いたい、ただでさえ数の少ない装備を没収はキッツイと。
幸いにして、脱退しそうな仲間はなんとなく察せる仕様です。そこは有難い。けれどもこの作品、仲間を丸腰にして勝てるボス戦がそう無い……ような気がするのです。プレイスタイルによっては楽勝かもしれませんが、少なくとも自分は無理でした。なので、どうしても有用な装備が少しずつ減っていき、最入手の機会がなかなか無いこのシステムはけっこうきつかったです。
しつこいようですが、ストーリーのことを考えるとこの取捨選択こそがテーマの一つ、もっと言えばラスボスの姦計なのだと考えれば、逆にこれは最高の演出とも言えます。なので書いてる私としても心中複雑、あっちを立てればこっちが立たずとはまさにこのこと……。
これはこの作品のバトルが弱点や属性・耐性重視だからこそ感じるキツさかもしれません。やりたいことはわかる、納得もいく、でもそれが残念ながらマイナスで干渉し合っている感じ……。なまじこのシステム面での演出が素晴らしいと感じる分、惜しいところでもありました。





とまあ、こんな感じで。
後半は偉そうに苦言も呈してしまいましたが、重要なのは良い点として挙げた要素です。人を選ぶ作品なのは確か、それでも合う人はきっと楽しめるはず!少なくとも私はなんだかんだ言って楽しかったです。だってなんやかんやエンディングまで見たものね。

というわけで、俺様キャラやダークヒーローもの、王道展開、エッジの効いた文章などに惹かれる方は是非ともチャレンジしてみて下さい。
追記にはネタバレ全開で終盤の感想を書いておくので、興味ある方は右下からどうぞ。


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フリーゲーム「銀の欠片と柘榴の実」感想

「いつか許せるときがくるでしょうか」
時に甘えてしまいたい前置き。



今回は、Planetarium(spica.bufsiz.jp)さんのフリーゲーム「銀の欠片と柘榴の実」(spica.bufsiz.jp)の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
年齢制限と、色々な注意書きを見て頂ければわかると思いますが、鬱展開が含まれます。

結論から言うと大変私好みでした!!! 最高! もうありがとう!!

ただ、ネタバレを隠して感想を書くとなると肝心なところがいっさい語れない作品でもありますw
というわけで、いつものような感想は追記に全部隠してしまうことにしました。


公式サイト見てピンときたらDLして絶対損は無いはずとだけ書いておきます。







というわけで追記ではネタバレ全開です。が、ネタバレは絶対見ずにまっさらな気持ちでプレイした方が楽しめるはずの作品です。ので、既プレイの方のみどうぞ。


同作者様の他フリーゲーム感想記事↓
「退紅」(mblg.tv

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フリーゲーム「昼の国、夜の国」「今日は魔界もハロウィンです!?」感想

「エンドロールを飛ばす派VS飛ばさない派」
きのたけ戦争にも似た熾烈な争いが繰り広げられる前置き。



えー、今回は、晴れ時々グラタン(hanikamuaisuman.web.fc2.com)さんところのフリーゲーム「昼の国、夜の国」(hanikamuaisuman.web.fc2.com)と「今日は魔界もハロウィンです!?」(限定公開作品)の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
どちらも短編なので文量の関係で一緒の記事で書きますが、二作に関連性はなく、単品で楽しめます。





「今日は魔界もハロウィンです!?」

過去作品と関係があるようだけど、そっちをやっていないのでキャラクターが分かりづらかったのが残念……過去作やりたいなあ。BGMの切り替えが多くてせわしないのは気になったけど、雰囲気は明るくわいわいな感じなので合ってるっちゃ合ってるかも?
キャラクターだともちろんミカエルがお気に入り。兄属性、しかも危うくヤンデレになりそうな感じの性格でたまらんです!





「昼の国、夜の国」

こちらは切ない方面のシリアス作品。夢オチじゃない夢の話です。短めノベルですが、立ち絵は多め。この設定で主人公がおじさんというのは珍しい気がします。
短編と言えど演出面は凝っていて魅力的。どっちだ、のところでは鳥肌がぞぞぞっと経ちました。良い意味で。
あと、選択肢でセーブができない(後戻りができない)のも、ストーリーに合った仕様で良かったです。短めだから2周目もすぐにできますし、言って選択は1回だけですし。すごくドキドキしながら選びました。
夜の国で、暖炉にポイするのが印象的というか、余韻が残って……しばしぼんやりと考え込んでしまいました。晴れグラさんところのシリアス系のゲームはまとまりが良くて、全クリしてもついたまーに起動したくなりますねぇ。この作品も、再プレイ用のフォルダに入れられることになりそうです。





とまあ、こんな感じで。
さくっとプレイできるので、気になった方はDLしてみてください。




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「雪葬」(mblg.tv
「WHITE ENIGMA」(mblg.tv
「おとぎ話屋」(mblg.tv
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