環境問題や健康被害の原因をもたらす企業や重役に、虐げられた者による報復として過激な活動を行う。
主人公は、そういった活動を行う組織に潜伏し、情報を掴もうとする。

環境テロに対する倫理のジレンマは、主人公の内に描かれることはあっても、映画全体で明確に白黒はつけない。
見所は、そのアナーキストな生活にあるといえる。

主演のブリット・マーリングは、製作・脚本・主演の3役を兼ねているらしく、自分の経験を基に描いたシーンが多くあるようだ。(詳しくはニューズウィーク日本版2014-1・26で)

そこから見えるのは、テロリストの人間性である。
やはり、彼らにも思想があり、それに基づいて行動している。
それは純粋とも言える。

しかし、どれだけ純粋な思想を出発点としても、一歩踏み出すと違った色を帯び始める。
これは必然であり、思想と行動の絶対的な断絶を露にさせる。

この断絶に対する、イーストの意見は映画では描かれないが「犠牲なしに革命はありえない」のシークエンスで予想はできる。
ザ・イーストは、これに妥協的であったろうと思う。

そして「犠牲なしに革命はありえない」はすでに行動のなかで生きていることを予見させる。

その中で、主人公のようなジレンマが次に発生する。
まあ、こんなことを考えてみても仕方のないことだが・・・

現代社会の様々な、矛盾の綻びを予感させる映画であった。

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