エビが脱皮した後の脱け殻が 撮ってくれと言わんばかりに水草にブラリとぶら下がっていたので 久しぶりに携帯で撮った
美しいねぇ
脱皮について書くか‥ と思いながら ちょっと過去の水槽のブログ記事を読み返していたら、脱皮の事を既に結構書いていて笑えた
それだけ私にとって「エビの脱皮」が特別興味を抱く事だというのを現しているわけだけれど‥
無理もない‥ だって 私は脱皮なんてしないもんね (笑)
まず、エビ達は私達人類とは違い、外骨格
そして何度か紹介してきた様に、彼等は脱皮の際に 内臓も脱皮している‥
命懸けで脱皮を繰り返しながら成長して行く生態に興味が湧かない訳がない
内臓ごと脱皮する事と関係あるのだろう‥ 脱皮の一日位前になると、彼等は餌を余り食べなくなる
そして他のエビ達からは距離をおいて じっとしている時間が増えて行く
こんな様子の個体を見つけて、「あぁ‥ もうそろそろだな」と思っていると、次の日に 写真のような脱け殻が転がっているものだ
脱皮後は まだ新しい殻が硬く無く 非常に柔らかいため、外敵に狙われ易い危険な時期となる
従って、脱皮後数時間はこれまた他のエビ達とは距離をおいて殆ど動かないし、餌をやっても他のエビ達が群がるその場所には近付こうとしない
小さな小さなエビなのに、その様子には彼等の賢さを感じ感心するものだ
脱皮は、背中辺りに横に境い目が出来、背中を丸めるようにピョンと一跳ねしてそこから身体を抜き あっという間に終了する
状態の良いエビなら一瞬なのだ‥ だが、体調の悪いエビは脱皮にてこずる事があり、不運なエビは脱皮不全を起こし、古い殻を脱ぎ捨てられない
一跳ねで短い時間で脱皮出来ず、頭部や身体の一部の古い殻がくっついたままのエビは、ほぼ例外なく脱皮不全でそのまま絶命する事になる
脱皮のその一跳ねには、恐らく私達人間が想像するより ずっと大きな体力を使っているのだと考えられる
‥ 脱皮に失敗したエビを見ると、抜けきらないでくっついている古い殻をこちらで取ってやりたくなるが‥‥ こうなるともう助からない‥ 無理なのだ‥
そんな命懸けの脱皮なら、体調が悪い時にはしなけりゃいいのにと思ってしまうが、成長するための脱皮のサイクルは、そんな気分的な問題ではないようなのだ
やりたくなくてもその時が来てしまう
また、環境が急激に変化した際にも、彼等は脱皮をしてしまう‥ 水質に順応しようとする生理的な反応のようなのだが、これがまた厄介な反応なのである
環境の変化による脱皮は、脱皮不全を起こし易い
その個体にとって まだ脱皮するサイクルではない,身体の準備が整っていないタイミングでの脱皮は、その個体の身体に重大な負担をかけてしまうのだ
抱卵している♀個体なら脱皮しないようになっているものだが、これもサイクルが狂い 卵ごと脱皮してしまう‥‥ 当然 卵はもう孵化することなく腐って行く
‥ しかし、悲しいかな彼等は脱皮行動に移ってしまうのだ
だから、エビ水槽の水換えは、魚の水槽の水換えの何倍も神経を遣う
言うなれば、エビに気付かれないように水の一部を入れ替える‥ といった感じだ(笑)
だから大雑把な性格の人は 絶対に小型のエビの飼育には手を出さない方が良い‥ 双方の幸せのためにも
昔、エビの飼育を始めた頃
脱皮って何か気持ち良さそうだなと思ったし
内臓ごとと知った時はちょっと気持ちが引いたけれど、それでも 何だか溜め込んだ身体の悪いものも一緒にリセットできるようで 羨ましいとも感じたりしたものだが‥
だけれど‥
リスクが大き過ぎるね(苦笑)
それに何より
成長するためには、死ぬまでに何度も死を覚悟した脱皮のノルマを経なければならないなんて‥
想像しただけでストレスで死にたくなるに違いない(汗)
普通の人間でいいや
やっぱり
‥ と 語る私は
冬の乾燥した空気で皮膚がガサガサと剥がれている
そういう意味では日々脱皮
なかなか 蝶にはなれまへん
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