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エゴノキが実を付けた 花の咲くのが早かったからね‥ 花の写真をこのブログに載せたのが5月3日だった 一般的には5月〜6月に花が咲き,7月頃に果実を付けて9月〜10月に実が熟す ひと月以上早く実を付けたのは、やはり早すぎるのではないかな‥ 花の美しい木であるのに「エゴノキ」等と何やら余り美しさを感じない名が付けられている由縁は、正にこの1p ほどの果実にある 果皮には毒性のあるエゴサポニンという物質が含まれ、果実をかじると「エゴい,エグい」味がすることが其の由来である 昔、この毒性を利用して川で魚を獲る漁法があったというが、実際にはそれほど毒は強くない また、枝にふくよかに垂れ下がる実の様を 乳房に例え「乳成り」と見立てて、それが「チシャ」に転訛し、「チシャノキ」という別名も持っている 万葉集にも「ちさ」の名で歌に詠まれているのである 他にも「セッケンノキ」という別名も持っているが、これは、果皮のエゴサポニンに界面活性作用があり、泡立ちが良く、実際に果皮を磨り潰して水に入れて石鹸水として利用していたことに由縁する 私の職業に関わる話としては、 このエゴサポニンが含まれる果皮は、昔、痰 (たん) きりや咳止めの薬の原料として使われていたという さて このマンションには色んな野鳥が遊びにやって来る エゴノキの実は、ヤマガラをはじめオナガ,ヒヨドリ,キジバトなどの野鳥の好物だ ヤマガラは果皮の毒性を知っていて、器用に果皮を裂いて中の実を食べている 樹木の多いこの辺りは、野鳥にとっての正にレストラン 樹木は自力で動くことができない だから花の蜜や果実を提供し、虫や鳥たちに受粉を助けてもらったり、種子を遠くに運んで貰っているのである ヤマガラは 中の種子を自分の住み家に運び、全てを食べきるのではなくて地面の中や朽木の穴の中に隠し、エサの少ない冬に備えて貯食したり、そして生まれくる雛鳥にも食べさせる それ故に、エゴノキは離れた場所に子孫を遺すチャンスを得るのである 植物と鳥‥ 全く異なる種族だけれど、彼等は互いに助け合う共生関係を構築している 人間はどうなのか‥ 東欧で戦争となって一年以上が経った 同じ種族で殺し合いを続けている 自然の中で共に生きるものとして、彼等には余り利口には見えていない事だろう‥ 今日もまた多くの人が死んで行く 人の命を 何だと思っているのか |