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そしてこちらの演奏も是非どうぞ ●「 Schindler's List 」Theme シンドラーのリストのテーマ → youtu.be ・ 作曲 : John Williams (ジョン・ウィリアムズ) ・Violin: Simone Lamsma (シモーネ・ラムスマ) ・Cor anglais:Davida Scheffers (ダビダ・シェファーズ) 私たち演奏家は色んなものを抱えて舞台に上っている 人生の困難な時期に演奏する際に、思わず涙が溢れそうになる時もある ‥ しかし、クラシック音楽の演奏家は演奏中に涙を流すことは許されない‥ 何故なら そのことで音のコントロールが乱れてしまう可能性が非常に高いからだ また、聴いているお客様の心に届ける,言わば与える側の人間が 自分のその感情に溺れてしまう等、プロフェッショナルとしての仕事を成し遂げていないことになる しかし、この YouTube に流れる涙は美しい‥ 立派に演奏しながら流した涙に共に涙し,観客と共に心から大きな拍手を贈りたい ヴァイオリン奏者だけではなく コーラングレのソロを演奏しているダビダ・シェファーズにカメラが向いているのには理由がある コーラングレを吹いている彼女は 深刻な神経筋疾患となり 再びオーケストラと共演するのは無理だと言われていたのを、努力して見事に復帰を果たしたのだ 初めてこの動画を観た時、客席の若いブロンドの美女が何故何度も映されているのか不思議でならなかったが、調べてみると どうやら彼女の娘らしい その娘の18歳の誕生日でもあったという 最初 曲想に合わないブロンドの女性の微笑みに訳がわからなかったけれど、復帰して舞台にいる母親のシェファーズを見守っていたのだね 曲が終わった後の娘と母親の流している涙は本当に素晴らしいものだ ・ 私がプロの演奏家として舞台に立つようになって随分長い年月が経った 目頭が熱く成ったことは沢山あるけれど、幸運にも 舞台の上で声楽家として歌声のコントロールを失ったことは無い しかし一度、指揮者として指揮をしている時に涙が止まらなくなった事がある‥ 今振り返っても、涙の百や二百 そりゃあ出るだろうよ‥ とそんなシチュエーションだった 涙ながらに指揮する私につられて目の前の演奏者に涙が溢れた‥ 本当に申し訳ないことをしたなと‥ 今も其のことを思い出す 一つ一つの舞台の上で様々なドラマが生み出される 舞台とは、本当に素晴らしい場所なのだ |