話題:妄想を語ろう

フィンクスの呼ぶ声

安穏とした、あの声

だが
殺気を隠そうともしないフィンクス

｢‥しつこいね｣

如何にも不機嫌そうに応えると

投げて寄越した鍵を掴む

｢ほら、居たぞ 彼女｣

フィンクスの目には怒り

彼女に手を出すなと威圧

｢ワタシも大人ね‥乱暴はしないよ｣

｢フン、そうかよ｣

遠ざかる靴音

｢随分鋭い気を放つね‥｣

気に入らない

フィンクスの思いも

あの女の存在も

｢狂うね‥なにもかも｣

音を殺し彼女の元へ

囚われの女

｢ワタシから離れるなとあれ程｣

言いかけ 言葉が途切れる

引き裂かれた服

殴られた痕

敵陣ではぐれた為に起きた

よくある末路

｢残念ね。お前ここで待つよ｣

私が殺す？無理ね

そんなズタズタな服着て何が出来る

せめて今 連れて行け？

｢お前には見せない｣

正確には、見せられないね。

このビルに居た奴らは全員
ワタシの獲物よ

｢‥お前もしつこいね。死体見ただけで吐く奴は大人しくここで待つよ｣

数人は半殺しでアジトの地下に

あとは もう、いいね。

死体を積み上げながら思う

傷つき

それでも目の光を失わない女

あれは あれで‥

フェイタンの加虐心を煽る

｢今夜は｣

阿鼻叫喚を背に

笑うフェイタン