19/01/29 00:40 (:単発/妄想(ジャンル無節操))
  鶴見中尉と。9
話題:妄想を語ろう
「‥先程は済まなかった」


女を送る道中

気まずそうに
頭を下げる鯉登


「いえ。私の方こそ‥寝てしまって」


夜道でも分かる程に
頬を赤く染める女


その姿に
つい笑ってしまう


「‥本当にお恥ずかしい」


「いや、貴方よく起きなかったですね‥鶴見中尉殿の声」


鯉登少尉を起こした鶴の一声


「あぁ‥私、つられて眠ってしまうと寝起き悪くて」


「つられて?」


鯉登が
彼女に視線を落とす

「いえ、余りに気持ちよさそうにお休みになっていたので‥」


ああそうか


なんと無防備な所を見られてしまったのか。鶴見中尉殿の前で女性に身を寄せて眠ってしまうとは‥

「鶴見中尉殿が貴方を気に入る理由は」

鯉登の言葉に


スッと
表情が変化する女


「鶴見中尉殿に口止めされているからですか?」


二人の秘め事


「私からはなにも」
「そうはいきません‥今夜は聞きたいですね」


今夜は


「私はこれで‥」


二股に別れた道


足早に去ろうとする肩を掴む

「鶴見中尉殿と何をしようとしている」

外套の上からでも分かる肉体の柔らかさ

華奢な肩


力ずくで
吐かせようか


「無理か」


当然だ。そんな事をしたら 鶴見中尉殿に叱られる


「分かりました」

「え」


「少しだけなら」


「そんな!鶴見中尉殿が口止めした筈では‥!?」


女に肉迫し
疑問を口にする


「‥殺気が」


「さっ‥あぁ」


鶴見中尉の事になると見境無くなる鯉登

目の奥にある殺気が隠せなくても

仕方ない


「だからいいですよ‥少しだけなら」


「そ、そうか」


「カフェーだとまだ人が残っている可能性があります。もし良かったら私の家に来ますか?」


「家‥君の家か」


「はい。狭いですが」


一瞬警戒したが

‥大丈夫だろう


「此方です」


指差す肌の白さ


(どうも‥マッサージを受けてから調子が狂うな)


鶴見中尉殿は気になるが、 この女も‥

(妙に気になる)
「まさか家に誰かが隠れているなんて事は無いだろうな」


「隠れる場所なんて無いですよ。本当に狭いだけですから」
破顔する女


その向こう

確かに家はあった。
蔦の絡まる家

全貌の見えない
女と、同じ家

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