19/01/25 00:42 (:単発/妄想(ジャンル無節操))
  鶴見中尉<無題>
話題:妄想を語ろう
「まだ探し物が見つからんのだが」


鶴見中尉がそう宣いながら、壁に押し付け

女の匂いを嗅ぐ


「此処この小部屋を一緒に探してくれ」

手を引き入る


入った途端


また壁に押し付け

髪の匂いを嗅いだまま
強く抱き締める


「いい加減まだか」

其処に留まらない

風の様な女


思いの外、長い期間
唇を奪えず


無意識に
鋭い目つきになる


「鶴見さん‥」


困惑したまま
彼の胸を押しのける

ぐ‥


(強い、、、。)


鶴見中尉殿も

我慢の限界


強引に
奪ってしまおうか


鶴見中尉が
右手に力を込めた


と、

同時に吹き出す女


「どうした?」


「‥だ、見上げたらちょうど私の鼻‥」

女は俯いたまま笑い
途切れ途切れに語る

「なんだ?笑っていたら分からないではないか」


「済みませ‥あの、私の鼻噛まれました鶴見さんに‥ッ」


早口で言い終えると
とうとう我慢出来ずに大笑いする


「‥あぁ」


近い、あぁこんなに近付いていたのか。

鶴見中尉の唇は
女の鼻先にあった


女は笑っていたが


鼻には歯形が
クッキリ残っていた

集中し過ぎて噛んだ感覚は 忘れていたのか‥


それすらも勿体ない

「これは痛々しい‥悪かった。甘い物でもどうだ」


笑い涙を拭い
頷く女


道に烏

夕闇に消える影二つ

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