18/12/28 01:17 (:単発/妄想(ジャンル無節操))
  月島軍曹と。
話題:妄想を語ろう
「またあの定食屋に行くのか?」


「ええ」


スタスタ


「たまには向こうにある料亭に行かないか」


「‥俺は、いつもの定食屋に行きます。どうしてもと言うのならお一人で」

スタスタスタ


「月島、御執心だな‥私も付き合おう」

月島の後を

鯉登が追う


定食屋


町外れにある定食屋
この辺りは治安が悪く、絡む客も多い


「こんにちは。いつもので よろしいですか?」


女店主が
月島に声を掛ける


「‥お願いします。2つで」


「いつもありがとうございます!」


笑顔で
調理場へと向かう


「‥月島は何が目的なんだ?」


すかさず
疑問を口にする鯉登

「食事をしに来ています」


「違う。別の目的があるのかと」


「別も何も」


(表情が一切変わらないから分からんな‥)

半ば諦めて

運ばれて来た定食を
黙々と食べる




突然席を立ち
調理場へ向かう月島

「?」


調理場を抜けた裏口
其処に女店主と

酔った男がいた


「困ります‥。もう此方には絶対に来ないと約束しましたのに‥」


「あんなもン余所者の兵士が勝手に約束させたもんだろ?そんなの女将さえイイなら関係ねェよな!」


逃げるその腕を
強引に掴み

まるで

物の様に荒く扱う
酔っ払い


その男のこめかみに銃を突きつける


「約束が守られないのなら、残念だが」

月島軍曹の
冷徹な視線


更に

こめかみに
当てられた銃口の

ヒヤッとした感覚


男は

自身の頭が撃たれ

吹っ飛ぶ所を想像し

恐怖がジワリと滲む

「わ、悪かった」


転げる様に逃げる男

それを無言で
見送った直後


その場にヘナヘナと
座り込む店主の姿


「お怪我はないですか?」


「あ‥大丈夫です」

手を取り起こす


「‥また見回りに来ます」


済みませんと頭を下げる
女店主の目に涙

‥無理もない

怖かったに違いない
「俺の方こそもっと早く着いていれば‥‥ん」


背後に刺さる視線


「鯉登少尉殿?」
無の目で見る月島

扉の向こうから

瞳を潤ませて
此方を見ている


「今まで覗いてたんですか?」


「‥月島軍曹にも、こういう一面があったのか‥」


「一体何を言っているんですか鯉登少尉殿」

「俺も此処に通う」

「は?」


「月島軍曹だけに良い顔させないからな!」


爽やかな笑顔と共に支払いを済ませる


鯉登音之進


見送り
頭を下げる店主に


深く頭を下げる月島

「守ってやれ‥私も協力する」


清々しい表情で
月島に声を掛ける


(‥なんか、勘違いしているみたいだが)


まぁいいか。


俺は、あの店主の
飯が食えればいい

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