話題:妄想を語ろう
「大丈夫か‥湯冷めしてないか?」


尾形の言葉に
小さく頷く


温泉で身体が温まったせいか、眠りに落ちるのも早そうだ‥

途切れ 途切れに言葉が聞こえる


(尾形さん‥)


身体の熱が
逃げない様に


尾形の腕に
包まれ眠る


‥彼女に


この言葉が届いても
届かなくても‥


「俺は‥」


冬で良かった


眠る頭で、ふと思う

愛しいと思う存在をこうして抱き締め‥眠っていても


(‥おかしくはない)

こんなに人肌恋しいと思うのが

自分自身意外だった

(‥違うな)


頬に触れ思う


(この女性だから)


少し強く抱き寄せる

その強さに
僅か、身を捩る女


起きてしまわない様に優しく背中をさする


そうして尾形は

いよいよ
意識を手放した