18/12/18 23:59 (:単発/妄想(ジャンル無節操))
  尾形百之助<抜け出して‥>
話題:妄想を語ろう
(‥目、覚めちゃった)


仰向けに眠っていたらしい
自身の腕をみると‥

尾形が掴んでいた


足を絡ませピタリと寄り添って眠る尾形

(‥道理で動けない)

起こさない様に彼の足を外し、絡めた腕もやんわり外す


(‥露天風呂行こう)

眠る尾形を残し

半纏を
無造作に羽織る

(刺さる様な寒さ‥あ!)


露天風呂の近くまで来たのに引き返し


そぉっと部屋を覗く

(よし!尾形さん起きなかった‥さ、コレコレ)


目当てはカムイトノト


(雪見酒で露天風呂)

満面の笑み

急いで露天風呂へ


「深夜の露天風呂なんて‥。贅沢」


冷えた身体を
柔らかく解す温泉


「あぁ極楽‥」


溜息と共に、ひとつの人影を見つける


(あ、お仲間)


スィーと


泳ぐ様に
その人影のそばへ


「こんばんはー」


「あぁ、おはよう」

一瞬の間


「何故いらっしゃるんですか?尾形さん」

「や、何故誘わない水臭いぞ」


「あれ。寝てましたよね‥?尾形さん」

動揺する女の言葉を聞きながら‥

いつの間にか杯を手にした
尾形


カムイトノトを
旨そうに飲み干す


「お前が酒を取りに戻った時には、既に此処に潜んでいた」

あの布団は
もぬけの殻


「二人で来たと言うのに俺に声もかけずに露天風呂とは‥」

少し
大袈裟に言う尾形

(俺を出し抜けると思うのか?)


「‥余りにも穏やかな寝顔だったので」

「俺の寝顔は思い出すな」


杯を寄越す


「んー、や!美味し」

「ほどほどにな」


雪のやむ気配もなく

しんしん


しんしん




耳に静かな音を届ける‥


「あ、そうだ尾形さんはイイ人居るんですか?」


酒が入るとその会話になるのか‥この女

と、

頭に浮かんだ台詞は飲み込み伝える


「俺が何も思っていない女と二人で温泉に来ると思うのか?」

首を傾げる女


酒が脳に回っているのかも知れない


(気持ちは身体に直接伝えればいいか‥)

「俺は」


女に向き直り、その肩を抱く

「尾、形さん‥」

抱き締める力が強くなる


見つめ合ったその時

「‥!?」


尾形が異常を察知し
後ろを振り返る


「他のお客さんも来たので貸し切り気分ではなくなりましたね」


残念そうにする女


その女の
肩を抱いたまま


うなだれる尾形


「あと少し、俺は寝る」


「そうですね、まだ4時前ですから‥」

温泉と酒満喫


どちらからともなく身を寄せ‥


奥の間まで歩く
男と女

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