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一切かかわらないように

――って上から流れてきた。やめるんだってね。さんざん忠告してたはずなのにこんな形になったってことは、信頼してくれてなかったってことだよね。みんな残念に思ってるよ。
女子会女子会ってさ、受け入れてくれる人たちとあるがままの自分で楽しくお喋りができるからいいってだけでしょ。優しい人たちと出会えてよかったねって思うけど、それだけじゃ君の世界は狭いままだよ。

GID(性同一性障害)でさんざん苦しんできたんだから、受け入れてくれる人を大事にするのはよく分かる。でもそこだけにしがみ付いて、その人間関係を切ったら行き場がないとか、死ぬしかないなんて言うのは悲しすぎるし愚かすぎるよ。

ここでも受け入れたじゃないか。付き合いの長さからそちらに気を使うのかもしれないけれど、すべて言いなりになるな。自分で判断してかないと人生誤ってしまうよ。個人的な繋がりを切らせて組織が介入してくるって、おかしいでしょ。怖いと思わないのかな。君が行ったところはそういうところなんだよ。

もうひとつ言いたいことがある。
初めて君を知ったのは数年前、共通の友人を介して。まだ男臭さが抜けない見た目で女装した汚いゲイにしか見えなかったけど、GIDであることをはっきり告げて堂々としていた。他人からどう見えるかよく分かってるみたいだった。凄いなと思ったよ。自分らしく生きようとして闘ってるなって。世間の偏見と。弱気になる自分と。

それから数カ月してこちらに君が入ってきて、初めて参加したミーティングで自己紹介したよね。そして開口一番に自分はGIDですと言ってセクシャルマイノリティ―について大雑把に説明しながら、「女装してる人って気持ち悪いですよね?」って同意を求めたのち、自分は病気なんだ。自分のは疾病なんだ。って何度も強調してたよね。そして今、性転換手術を目指していて長い道のりの途中であること、GIDのせいで子ども時分から大変な苦労をしてきたこと、差別されるのは辛いのだと言った。

みんなはセクマイについてよく知らないみたいで、そうかそうかって同情的に聴いてたけど、ワタシは何言ってんだこの人って思ったよ。だってそうでしょ? “女装してる人が気持ち悪い”って何だよ。このときの言葉のニュアンスには侮蔑しか感じなかった。女装することで気持ちを落ち着けてる人や、性転換手術までは望まない同じトランスの人だっているじゃないか。

例えそう思ったとしてもあのシチュで主観を述べる必要はないし、それは自分に特異な目を向けさせないためのアジテーションに感じた。偏見と闘ってる君が必死なのはわかるし、リアルでカムアしてないワタシがこんなこと言うのは安全地帯で遠吠えするようなものだろうけど。人には事情ってもんがある。

そしてXのことを、セクマイの中には自分が男だか女だか分からない変な人もいる。って言ったね。変な人…そうか、ワタシは君とは違う変な人か。ワタシがXだって知ってたらそんな言い方はしなかっただろう。でも、つまりはそれが君の本音ってことだよね。

ワタシだって自分のジェンダーを理解されない悲しみはあるけど、マイノリティであっても生命は等しく尊いし、卑屈になる必要はないってわかってるよ。それがまさか同じセクマイの人からそんなことを言われるとは思ってもみなかった。マジョリティの人から見たら目くそ鼻くそかもしれないけど、ワタシは自分が見下げられてどうこうというよりも、マイノリティの中にも優劣、差別があったという事実に愕然としたのさ。

人間て哀しいものだね。常に自分の下に位置するものを据えておかなければいられないんだね。
君は気づくべきだよ。今まで自分がさんざん苦しめられてきた、侮蔑する心や差別する心が自分にもあるんだってことに。
君が満足な人生を送れることを願っているよ。お元気で。
P.S
顔面はホルモン治療のお陰で以前とは見違えるほど綺麗になったけど、女性らしい女性になりたいんだよね? だったらまず、靴の踵を踏み潰してズルズル音を立てながら歩くのはやめた方がいい。遠くからでも君が歩いてるってわかるし、美しくないよ。

師匠との距離、縮まってるような…

師匠がぁぁぁぁ

ロシアン

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