未明よりしじまに響く携帯は懐かしきみの着信メロディー
午前6時前、後輩からだとわかる着メロ。昨年末、吾が片恋してた後輩の、社会への巣立ちを見送った。彼女の親はフォビアだと。慕ってくれてたけれど辛い立場に置くことになるので告れず。吾は気持ちを閉じた。
よわよわしい声は涙につまりゆく みちのくからの助けてコール
好かれる性格で友達も多いのに憂き目にあい耐えきれなくなったと。別れ際、自立せよ、もう吾を頼るなと言ってしまった。誰にも言えず貯め込んでいたらしい。言わなきゃよかった。もっと早く楽にしてやれたのに。
弱りたる心に寄り添い慰めぬ眼前にあらば抱き竦むべし
話を聞いてもらうだけで気持ちが楽になることもある。寒さに震えながら全部吐き出させた。彼女に必要ならその役目に徹しよう。
忘れんとなだめし心さざめきぬ灰に赤らむ埋み火のごと
いつになったら完全に忘れさせてくれるのだろう……。
やりとりの一部を切り取り押し出して 人の悪口己の保身
人を悪人に仕立てあげるのは自分を正当化するための手段。自分の目で、耳で、確めたら噂と実像が違うことがほとんど。人の噂で人を嫌いになるのは愚かしい。