紅茶一杯。



膝に座るモブ霊
2017年5月26日 17:41


話題:二次創作文

※モブサイコ100
※モブ霊(無自覚)



「師匠。」
いつも通りに暇な相談所。茂夫がソファーに座り、霊幻を呼んだ。視線を向ければ、茂夫は自分の両腿を軽く叩き
「どうぞ。」
とだけ言う。茂夫に近付きながら
「お前まさか、そこに座れってんじゃないよな。」
と、あえて聞く。案の定茂夫は頷いた。ため息が出る霊幻。
「なんでそんな事しなきゃならん。」
呆れている霊幻に、茂夫は手持ちぶさたなのか、腿を擦りながら
「最近、筋肉が付いてきたって言われまして。本当かなって。」
「確かめてみたかったのか。」
コクリと頷く茂夫。
「練習しとこうかなと。」
言いながら、少し頬を赤らめる。なるほど、ツボミちゃんへの練習か。と理解する霊幻。
「なるほどな。解った、手伝ってやろう。」
ニヤリと笑う。茂夫が安堵したような笑顔で息をついた。
よっこいせ、と茂夫の膝に横座りする霊幻。流れで茂夫の肩に腕を回す。ぐっと近付いた距離にどぎまぎする茂夫を笑う。
「俺でキョドってたら本番なんか絶対失敗するぞ。」
「そ、そうですね。」
目が泳いでいる茂夫が可笑しくて微笑ましくて、また笑う。
「ほらモブ。腕は腰な。」
と置き場に困っていたモブの手を取り、促す。
あわあわと戸惑いながらも、霊幻の腰に腕を回す茂夫。
(あ……なんだろう、いい匂いがする……)
焦ったせいで霊幻にしがみつく様な形になり、一瞬鼻先が霊幻に埋もる。霊幻は何やってんだ、と苦笑した。
顔を上げた茂夫は不思議そうな表情で
「師匠、香水使ってるんですか?」
と訊いた。なんだかとても心地よい、安心する香りだった。出来れば貸して欲しい。自分もこんな香りをさせてみたい。
「いや、特に使ってないが。」
しがみついたままの茂夫の腕を外しながら答える霊幻。茂夫の代わりに腕の位置を調整してやる。
「そうなんですか?でも、すごくいい匂いがしますけど。」
霊幻に顔を押し付け、嗅ぐ。すごく落ち着いて、安心する。
「うーん……俺のフェロモンとかか?」
身に覚えのない霊幻が冗談まじりに言う。
「これが……フェロモン……」
目を閉じ、すーはーすーはーしてくる茂夫にちょっと困惑する霊幻。
「おいやめろよ、変態みたいだぞ。」
あんまり嗅がれるのも落ち着かない。霊幻は茂夫の頭を手で押し離した。
若干不服そうな茂夫の目に見られ、益々困惑する霊幻。
「なんでそんな顔すんだよ。男のニオイを進んで嗅ぐやつがあるか。」
と、茂夫の膝から退こうとする。が、咄嗟に腕の力を入れ阻止してしまう茂夫。
「………なんだよ。」
「……えっと……もうちょっと、頑張れます。」
自分の膝に視線を向ける茂夫に、霊幻も最初の目的を思い出す。
「本当か?実はそろそろ限界なんじゃないのか?」
と、意地悪で茂夫の腿を尻でグリグリと圧迫する。
「ちょ、痛いですよ。」
実はそろそろ限界だった茂夫が呻く。
「ほ〜らほ〜ら、モブ君そろそろギブアップか〜?」
ニヤニヤ笑う霊幻を痛みに耐えながら睨む茂夫。
「頑張るなぁモブ。何と張り合ってんの?」
急にキョトン顔で冷めた事を言う霊幻に、茂夫も茫然とする。確かに何を意固地になってるんだろう、と我に返る。
「って事で、はい終了〜〜!」
サッと茂夫から降りると、さっさと自分のデスクに戻る。茂夫はそんな霊幻を眺めつつ、じんわり痺れている、霊幻の温もりの残る腿を擦った。
(しまった、時間はかるの忘れた……)
と気付いたのは2分後だった。





※悪のりでいいからモブの膝に座ってくんないかな……トレーニングの重し代わりとかでいいから。



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モブサイコ100




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