紅茶一杯。



おがくずとエクボ
2017年5月6日 14:57

※モブサイコ100
※やまもおちもいみも無い注意
※本日の記念日ネタ


「今日は国際ノーダイエットデーとゴムの日とコロッケの日か。」
いつものように事務所で暇をもて余した霊幻が記念日一覧表を眺めながら言う。茂夫はそんな霊幻を眺めながら
「ノーダイエットって事はダイエットをしないって事ですか。」
と緑茶の入った湯飲みを片手に質問する。
「そうだ。つまり今日だけはコロッケ食べ放題って事だな。」
「なるほど。」
「いや なるほどじゃねぇだろ。なに言ってんだ。」
呆れながらエクボが姿を現す。
「ようエクボ。散歩帰りか。」
「巡回だっての!次ペット扱いしたらテメェんちの鍵穴におがくず詰めるからな。」
ぷんすことご立腹なエクボ。
「そりゃまたヒデェ事を考える悪霊だな。」
「おうよ。悪霊だからな。」
「止めなよエクボ。師匠のうちの鍵穴におがくず詰めてもたいして楽しくないでしょ。」
楽しい楽しくないで言ったわけでは無かったが、茂夫の言葉にニヤリと嗤うエクボ。
「いや、楽しいぞ。霊幻が必死におがくずを掻き出してる様はなかなか楽しい。」
ニタニタ笑みを浮かべる意地悪な悪霊にため息をつく茂夫。霊幻は特に焦りもせずエクボをいつもの冷めた目で眺めている。
「いいんですか、師匠。」
「いや、むしろおがくずを集めて回るエクボを想像したら意外と微笑ましくてな。」
せっせとおがくずを集める緑の悪霊を想像したら思いの外和んでしまう光景になった。あの小さな両手に、いっぱいのおがくずを抱えるエクボはなかなかいじらしい。
「そんなこと言ってられなくしてやるからな。」
怒りに顔を染め、ピキピキと青筋を立てるエクボ。言うに事欠いて微笑ましいとは。エクボにしたら侮辱もいいとこだ。
「それは構わんが、おがくずってどこで手入れる気だエクボ。」
「えっ?」
霊幻の投げ掛けにキョトンとしてしまうエクボ。
「そういえば、おがくずってどこにあるんですかね。」
茂夫がふと口にする。
「おがくずは材木から出た細かい欠片だからな。材木屋だろう。」
「なぜか森の木こりのイメージがありました。」
「ああ、なんか分かる。」
頷く霊幻。
「切り株の上にこう……おがくずがあって……森の香りに包まれるように、おがくずに埋もれて寝てるエクボとか。」
「わかる。」
「わかるな。」
頷く霊幻の肩を掴みながら、困惑と怒りの含んだ顔をして突っ込みを入れるエクボ。
「おいお前ら、俺様を妖精扱いしてねぇか?」
嫌ではないが、いまは可愛いよりワイルドに見られたい気分のエクボ。
「いや全然。」
「いや全然。」
きっちり揃った声で否定されるとそれはそれで寂しくなる悪霊。
「止めときなよエクボ。リスに噛られるかもしれないよ。」
「お前の中で俺様に何があったんだよ。」
突然のリスに戸惑うエクボ。
「リスに頭を噛られてた。」
4分の2くらい。と脳内の出来事を話す茂夫。
「思ったより食われてるじゃかねぇか。おいシゲオ、俺様がリスごときにそこまで食われてやるわけないだろ。」
上級悪霊だぞ。上級悪霊様だぞ。大事なことなので二回言うエクボ。
「その上級悪霊がリスに噛られるって事はそのリスはただ者じゃないな。」
悪乗りしだす霊幻。
「オイふざけんな霊幻。俺様がリスごときに噛られるわけがないだろ。」
「分からんだろ。ただのリスじゃないんだぞ。」
いつの間にかただ者じゃないリスに決定している。
「駄目だよエクボ、危険だよ。リスから手を引こう。」
「シゲオはそろそろ帰って来い。お前の中のリスもうリスじゃなくなってんだろ。」
てか何なんだよマジで。と困惑するエクボ。
「霊幻、お前のせいでこんなにとっちらかったんだぞ。責任取りやがれ。」
収集のつかなさに霊幻を睨むエクボ。元はといえばエクボがおがくずを持ち出したのだが。
「責任か……コロッケパーティーでいいか?」
しばし思案したあとの言葉に呆然とするエクボ。
「師匠。律も呼んで良いですか?」
「いいよ。」
霊幻の許可がおりたので携帯を取り出す茂夫。コロッケパーティーの準備(財布の確認)をしだす霊幻。
呆然として眺めていたエクボは無言でおがくずを集めに出かけた。





・師匠が帰宅したら鍵穴におがくず詰まっててモブ(超能力でおがくず出した)に叱られるエクボ。
正直おがくずから着地点を見失いました。




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