紅茶一杯。



シロクマ師匠とアザラシモブ
2017年4月6日 14:26

話題:二次創作文

※モブサイコ100
※本日の記念日
※師弟出来てる設定
南極の日とモブのあとがきからネタ引っ張ってきた



「今日はシロクマか。」
霊幻は己を見下ろし呟いた。
「モブはどこだ。」
今回はどこでどんな役で現れるだろうか。霊幻が辺りを見渡すと、真っ白な白銀の世界に、ちんまりとした白い固まりが。
「……まさかな。」
霊幻が呟くのとほぼ同じに
「師匠。」
と真っ白でフワフワな、ちんまりとしたアザラシの子供が手(?)を挙げた。
「嘘だろ……」
霊幻は項垂れながら前足で目を覆った。
茂夫が一生懸命によいしょ、よいしょ、と近寄ってくる。真っ白でフワフワで、目つきの悪い可愛い弟子。あまりのいじらしい姿に、霊幻の腹が鳴る。
「モブ、止まれ。これ以上こっちに来るな。」
「えっ。 どうしてですか。」
ぴたりと止まった茂夫が驚いた顔をしている。霊幻の腹がぐるぐる鳴り、空腹を訴える。
「この通りだからだ。」
「?」
「なんだ知らないのか。シロクマはな、アザラシが大好物のごちそうなんだよ。」
霊幻が涎を垂らしながら真面目な顔で言う。
「……そうなんですか。」
茂夫は少し声のトーンを下げ、しょんぼりする。しかし何故かまた霊幻に向かって歩み出す。
「おいモブ。なにしてるんだ。」
「師匠、お腹が空いてるんですよね。」
「ああ。だから寄るな。今の俺はお前にとって危険なんだぞ。」
霊幻が茂夫から距離を取るため後ずさった。茂夫は更によいしょと歩み寄る。
「なら、僕を食べて良いですよ。」
「なに言ってんだお前。」
霊幻が困惑する。茂夫は更に頑張って歩き、戸惑う霊幻の側にやっと辿り着く。
ぴとりと身を寄せると、少し切れた息をしながら
「師匠なら、いいです。」
と目を閉じた。
「バカ。いくら夢だからって簡単に命を差し出すな。てか俺の気持ちも考えろ。」
涎を垂らしながら、ぶんっと一回頭を振り、涎と食欲を振り払う。茂夫を前足で抱き寄せると
「どこに大事な弟子を食う師匠がいるってんだ。第一な、お前が居なくなっちまったら後がつまらないだろ?」
ニヤリと笑って、強くなってきた冷たい風から茂夫を守る霊幻。
「師匠…」
「飯なんか探せばいい。ふたりでなら、見つけやすいだろ。だから……」
これからも宜しくな、と笑う。そして
「てかお前、超能力は使えないのか?」
ぱぱっと魚取れたりしねーの?と超能力頼みな霊幻に、茂夫は笑った。



「おはようございます、師匠。」
「おう、おはよう。」
ベッドの中で挨拶を交わす。
「アザラシの生涯も悪くなかったです。」
「嘘つけ、最後餓死したじゃねーか。」
「でも師匠が側にいてくれたので寒くなかったですし。」
しがみついてくる茂夫を受け入れる霊幻。
「こっちの人生でも、末永く宜しくお願いします。」
「宜しくな。今度こそ餓死は阻止してやるからな。」
と苦笑する霊幻に、幸せそうに笑って胸に顔を埋めた茂夫。





・南極の日にした妄想チェックしに行ったらあとがきにシロクマ師匠とアザラシモブがあったんで、せっかくだしやってみました。夢の使い勝手の良さたまんない……!(ワンパターンの罠へようこそ)


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