先ずは何から話せば良いのか。


僕の仕事がお姉さんにばれてしまった事は先に少し触れたと思う。


あれはいつもの様にお姉さんの家に遊びに行った時のこと。


僕はいつもの様にリビングで、お姉さんはいつもの様にキッチンでそれぞれに時間を過ごしていた。


何気なく、本当にそんな事も予期せずに僕がお姉さんに近寄って行こうとした視線の先に凝固した。



紛れもなく、いや、誰があんな雑誌を見間違えるものか。





お姉さんがさっきから無心で読んでいた雑誌が僕の出ている雑誌だった。




もう、ね、頭の中が真っ白になるってこう言うことだった、なんてその時初めて体験したよ。



足もすくんで動かないんだ。


自分の身体が自分のものじゃない感じだった。





消えたい。





兎に角、その場から自分と言うものの存在ごと消してしまいたかった。




でも、後の祭りだよね。



恐かった。


お姉さんに何て話し掛けて良いのか、全然考えられないんだよ。




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