荷下ろし

もがいて、あがいて、なりたい自分になろうとしてる。少しずつ少しずつ。

目にして耳にして痛い図星な言葉や話を書き留めて、自分に何度も投げつけて、固く閉ざした扉をこじ開けようとしてる。押して駄目なら引いてみて、それもだめなら壊す勢いで。
閉ざした状態は最悪だ。良くなることなんてない。続くほど、錆びてしまう。朽ちてしまう。

僕はなんとも情けない生き方をしてきたと思う。平凡な家ではあるけれど、溌剌だったり、秀才だったり、柔軟だったりする家族と照らし合わせしてみると、なんとも恥ずかしい生き方を選んできた人生だった。恐ろしいほど無自覚に。

僕は虚しくそして誠に勝手に明後日の方向で独り相撲ばかりしていた。たしかに孤独で寂しかった。しかし、なぜ自ら向き合わず、なぜ勝手に拗ねて、ひとりに逃げ込んでいたのか。
親や環境のせいだと思っていた。それもおそらく事実(今日、祖母から父の少し詳しい生い立ちを初めて聞いて納得した。気が済んだ。今後、父のせいにする気はなくなった)だけれど、子として駄々をこねて求めて権利があったというのに、それが僕にはできなかった。

理由ばかり探して、原因や責任を求めた。周りに。でももう過ぎてしまったことなのだ。できなかったこともその理由も責任も。
僕が全てを許すしかない。それしか道はない。諦めではなく、前向きな結論として。

僕は抱え過ぎたものを一つずつ自分の体からおろしている。
ドキドキしながら、逃げてきたことにもう一度向き合うことや、隠してきたことを隠さないようにしたり、僕自身の考えを臆せずに発してみたりもした。

今後、一部の家族からは落胆されたり、顰蹙をかったりするかもしれない。でも僕はそれでもいいと思っている。……のは理想で、その覚悟をきめようと前年よりも意志をかためている。僕は僕になりたい。
さもなければ僕は、家族みんなを僕自身からのそれとして愛せずに終わってしまうから。

僕は僕になりたい。