2018-1-23 19:29
手袋
無事家に辿り着くや、荷物を置き、上着や防寒着を脱いだ。
それらを分別しながら山にし直し、いろいろと確認して、気づいた。
「…手袋が、片方ない」
何度改めても片方しかなかった。
途中までその感触を覚えてるが、生活圏に入ったあたりから自信がない。通過地点の報告をするのに何度も外していたから。
遠くないとはいえは、降り続く雪に消されるか、誰かに幸か不幸か拾われて、わからなくなってしまうか。
せっかくやっと帰って来たのに、また雪の中に戻ることにした。
果てない道のりを思いながら玄関を飛び出した。
駐輪場にさしかかったら、なんてことない。雪の淵にポンと落ちていた。
黒いカワの手袋。榊の海外研修のお土産だった。蚤の市みたいなところで買ってくれたという。お揃いだった。中はファーで、あたたかい。そうして今日も僕を守ってくれた。
大げさではなく、抱きしめて、家に急いで戻った。
大切な手袋、すぐに見つかったようでよかった!
お楽しみいただけたようで、嬉しいです。(笑)
手袋、大事にします!