おはようとおやすみのキスをした



 わたしの隣の家の猫ちゃんはとても元気だ、なぜなら飼い主であるサトミさんが猫ちゃんを深く深く愛しているからだ、サトミさんに愛されて猫ちゃんはとても幸せだ、この間なんて愛されすぎて嘔吐したんだ、過剰な愛は体に毒だ。
 好きが溢れて溢れて押さえ切れなかったんだ、愛おしくてたまらなかったんだ、それがマイナスになるなんて思ってもみなかったサトミさんは、猫ちゃんに毎日おはようとおやすみのキスをした。
 少しずつすり減る小さないのち。気付かないでサトミさん。ただただ伝えたくて、必死で必死で、おはようとおやすみのキスをした。



090205



-エムブロ-