彰と海斗くんのお話。
彰がメンタル弱い感じから始まってます。
獅子さん海斗くんお借りしました!
続きからどうぞ↓
「ん……?」
ふと違和感を感じて、海斗は夜に目を覚ました。
寝る前に隣にあったはずの温もりを感じない事が原因だったらしい。
まだ肌寒い真夜中の空気を嫌うように毛布にくるまると、のそのそとベッドから降りた。
「……彰?」
リビングまで行くと、窓際にあるソファにいる彰の姿を見つけた。
電気もつけず、ただそこに座っているだけのように見えて、海斗は首を傾げる。
「(寝てるのかな……)」
彰があまりにも動かないので、声を掛けようとドアを開いて一歩前に出たその時、
「海斗、起きちゃった?」
後ろ姿しか見えない彼の方から声を掛けられてしまった。
海斗は驚いたが、こそこそしても仕方ないと彼の隣に腰掛けた。
「こんな夜中にどうしたの?」
「それ、こっちの台詞。何してたの?」
実は、以前から度々こういったことはあった。その時は海斗も睡魔に勝てなかったり何か仕事の関係かと思っていたため深く追求してこなかったのだ。
別に彼の一挙一動をどうこうするつもりはないが、何かあれば言って欲しい。
自分だって、彼の役に立ちたいのだ。
「……何でもないよ、ただ目が覚めて…」
いつものようにはぐらかされるのかと思って続く言葉を待っていた海斗の思いを裏切り、彰は言葉をつまらせた。
不思議に思い彼の頬に触れようと手を伸ばすと、その手を掴まれ抱き寄せられた。
「あき…」
「…ごめん、今はこうさせてもらうだけで…」
いつもは飄々としていて掴み所のない彼の思わぬ姿に、かける言葉が見つからなかった。
きっと何を言っても、今日ははぐらかされてしまうだろうから。
(もっと弱いところも見せてくれたら…と思うのは、俺のワガママなのかな?)
素直な気持ちをさらけ出せない、不器用な二人のある夜の話。
2013-12-13 17:41