Green Clover

及川×影山・及川視点 1月17日 01:00


中学時代。
独占欲の強い及川。付き合ってない。


「ねぇ、トビオちゃん」

その声にドキッとして顔色が変わるトビオちゃん。
あぁ、その顔だ。
その恐怖に歪み始める、その顔。
俺はトビオちゃんのその顔がたまらなく好きだ。

「トビオちゃんさぁ‥ほんと学習能力低いよね」
「なんっ‥」
「俺さ、言ったと思うんだど」

壁に蹴りをかましてトビオちゃんを逃げられなくして。
その大きな音にトビオちゃんも驚いたみたいだった。

「他の奴と喋るなって言ったよね?」
「‥言い、ました‥けど‥」
「他にも触れさせるな、とも言ったよね?」
「‥‥はい‥」

さっきまでチームメイトと楽しそうに話していて。
それでいて頭をわしわしと撫でられちゃったりして。
それをたまたま俺が見ちゃったもんだがら、怒りがふつふつと込み上げて来て。

「俺だって必要最低限のチームメイトとの話なら目を瞑るよ?」
「‥‥‥」
「でもさ‥違うよね?」

そう言って微笑んで見せると、そのまま胸倉を掴んで引き寄せ、言い聞かせるように耳元で囁く。

「分からないようなら‥またお仕置きするよ?」
「っ‥!?」
「最近は後ろでもイけるようになっちゃったしね?」

ちゅっとその耳元にキスをすると、その艶かしい感触にビックリしたのかトビオちゃんが俺を突き飛ばす。
トビオちゃんがそんな反抗的な態度をとるなんて初めての事だったから、ちょっと吃驚した。

「あっ‥」

バツの悪そうな顔をして、後ろめたいのか顔を俯かせて。
先輩を突き飛ばすだなんてどうしようと、謝るタイミングも逃して言葉を詰まらせてしまった。

「‥トビオちゃん」
「っ‥」
「俺から逃げられると思わないでよ?」

あぁ、早く堕ちればいいのに。
トビオちゃんの目には俺だけが映り込んでゆらゆらと揺れていて。
その薄く開いた唇に、俺は静かにキスを落とすのだった。



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