ゲーム小ネタ投下ー。
名前固定→河伯カイト
・ゆらストーリー
「ほら、落ち着け。花開院」
「だって、折角のご馳走が!あの時だって食べられへんかったのに!!」
奴良君のあんまりの仕打ちに暴れだした私を宥める河伯君。やっと滅多に食べられへん食材にありつけたと思ったのに!
「流石に今から高級食材は用意出来ないが、俺が腕によりを掛けてお前の為だけに作ってやるから、な?」
ぽんぽんと頭を撫でながら笑う河伯君。河伯君が私の為だけにご飯を作ってくれる・・・。
「卵料理作ってくれる?後デザートも」
「任せておけ。なんなら暫く夕飯作りに行くぞ?お詫びも兼ねてな」
毎日河伯君のご飯が食べれるん?ちょ、それどんな贅沢!?ざまーみろ、竜二兄ちゃん!私はセレブになったるー!!
「・・・羽衣狐を倒したゆらを手懐けたカイトが1番最強なんじゃねーか?」
「え、えぇ・・・。そうかもしれませんね・・・」
「リクオ、カイトを大事にせにゃならんぞ?奴良組を滅ぼさん為にも・・・」
ぐちゃぐちゃになった部屋の隅で何か言ってる奴良君達。なんや?まぁ、ええか。暫くはセレブ生活満喫するで!嫌がらせに竜二兄ちゃん達に毎日報告しちゃる。
―完―
・茨木童子ストーリー
「クソがぁ!!」
乗り込んだ奴良組本家で無様に這いつくばる俺とカスムシ野郎。流石にこの人数をぶっ殺せるとは思ってなかったが、奴良リクオに一撃も入れられないってのはどーゆー事だ!?クソがぁ!!
「どうしますか?リクオ様」
「決まってんだろ!?京妖怪なんか此処でぶっ殺す」
「待ちなさいよ、牛頭丸。それを決めるのはリクオ様なんだから!」
ごちゃごちゃうるせーな。殺るんならさっさとやりゃー良いだろうがぁ!!あーもう、クソがクソがクソがぁあああぁ!!
「リクオ、こいつらは俺が預かる。良いだろ?」
凛と響いた声にびたりとざわめきが消えやがった。なんだぁ?こいつそんなに偉かったのかよ?
「まぁ、カイトになら任せても安心だろ。好きにしな」
「ちょ、リクオ様!?」
「テメェ本気かよ!?」
ギャアギャア騒ぎ出した奴等をシカトしながら俺達を引き摺って行くクソガキ。何なんだ?こいつは。
「此処が俺の部屋だ。部屋の中では好きにしていて良いぞ」
「・・・貴様何を考えている?」
一室に案内されたと思ったらせっせと片付けを始めたクソガキ。片付ける程散らかってねーじゃねーか。そんな中、クソガキにカスムシ野郎が問い掛ける。
「別に。俺は妖怪が大好きだからな。例え敵だとしても殺したくないだけだ」
にっこりと笑うクソガキ。は?何だそれ。
「意味分かんねーぞ、あ゛ぁ?俺はこんな所で飼い殺しにされてる暇はねーんだ!鬼の世を作りあげなきゃなんねーんだからよぉ!!」
「その通り。闇の聖母を待ち続ける・・・。そのついでに憎きぬらりひょんの孫を殺めるのが我等の目的・・・っ!?」
だんっ!!と大きな音と痛みに眉をしかめた。何だ?視界が反転してやがる。
「お前達の命は俺が握っている。その事を忘れるなよ」
クソガキの言葉にやっと首を掴まれ、畳に叩き付けられていると気付いた。カスムシ野郎もクソガキの畏れってゆーか寧ろ雰囲気?オーラ?に息を飲んで固まってやがる。
「鬼の世を味わいたいのなら味あわせてやるよ。但し、―――」
にやりと笑ったクソガキの顔が目の前にある。っ、痛ぇ!?口の中に広がる鉄の味。ちらりと視界に入ったカスムシ野郎の顔はかつてない程引きつっていた。
「八咫之介、こいつ等を見張ってろ」
「はいな!カイト坊っちゃん」
何処からともなく現れたカラス野郎に命令したクソガキは目を細めて笑った。
「2人共可愛がってやるよ」
絶望と言うモノを初めて感じた瞬間だった。・・・親父助けてくれ。鬼童丸でも羽衣狐でも誰でも良い。俺達をこいつから解放しろぉぉぉお!!
『鬼の世を味わいたいのなら味あわせてやるよ。但し、毛色の違う鬼だけどな』
―完―