流れ星

一門はすこし人が減った。
なにやら揉めて減った。

人それぞれ、個性、特性があるけれど
なにかが物凄く綺麗にパズルみたいに合致して、揉め事になった気がした。
パワーバランスとか、影響の仕方とか
なにか、一片も不要なものがないくらいに。

すごいなと思いながら、最終的には五人で25時から28時過ぎ(そんな言い方があるのかどうか)まで"話し合い"をした。

知り合って1ヶ月そこらの、いい大人、社会人とは思えないような熱量で。
ほとんど喧嘩腰、一触即発、泥仕合、水掛け論。
深夜特有の、頭は冴えるのに、時間と空間がいつものところから隔離されて、ゆるく固まる感じ。
話し続けてもろくな結論が導けそうにない、というあきらめと決めつけが、五人全員の中にあった。
徒労感で満たされたゼリーみたいな空間。

なにがしたい、なにを知りたい、なにを決めたい、っていうのが終始見えなかった。
もうこの人と話すことは何もない、とお互いが思いながら、それなのにすごい熱量で三時間喋ったの。

すごい。信じられない。普通はこんなこと起きない。
めちゃ胃が痛かった。

そのあとは
彼らは抜けて行って別一門を作り、でもその中でまた揉めて、一瞬で一門は解体された。
それが数時間のあいだに起きた。
流れ星のような出来事。


でも、これでよかった気がする。
終わってほっとしてる。何週間も揉めていたもの。
なに考えてるか分からない人たち。

ほんとう、びっくりするくらい、みんなそれぞれ大事にしているものが違ったの。価値観が。
胃は痛かったけど、惹かれた。

胃が痛くなるくらいの、ひりひりはらはらするものが、わたしは好き。