話題:性犯罪について


 携帯小説などでよく描写される、性犯罪行為。そう、即ちレイプです。(性犯罪はこれにかぎったことではありません。ですが、今回の話題書きではこの犯罪に焦点を絞って書きます)
 
 私の身近にも、似たような目に遭った人がいます。
 「本当に抵抗すれば逃げられるって言うじゃない?そんなの嘘。幾ら抵抗したって無理。脅されたら、抵抗なんてできないよ」
 小説の取材としてインタビューしたとき、その方はそう語ってくれました。かなり以前のことにも関わらず、小刻みに震えながら。顔を真っ青にさせて。
 性犯罪というのは、そういう、心の奥底に傷跡を残すものなのです。

 また、彼女はある病にも掛かっていました。
 PTSD……心的外傷性ストレス障害。即ち、強いショックによって、時間が経ってから後もフラッシュバックが起きるというものです。
 
 性犯罪という特殊な犯罪ゆえに、誰にも相談することもできず、PTSDの発作が怖くて引きこもってしまう。

 彼女はこうも言いました。
「もしもあの時叫んでいれば、もしもあの時病院に行っていれば、って、もしものことばかり浮かぶ」と。
 顔も知らぬ人間に犯されるという恐怖が、その人に種を植え付けるのです。じわじわと心を蝕む、種を。

 街ですれ違う人。
 もしかしたら友人になる人。
 ……親友。
 そういう人を、後悔と恐怖の連鎖の中に落とすつもりですか?