恋は路傍の花

2020/08/06 05:11
隻腕の狼の記憶

ヤソップ『………』

狼『(憤怒の形相をした仏像の前で座禅を組み、眠りについており)』

ヤソップ『…あれが、新しい代理人か?』
ベック『ああ、葦名と言う世界から来たらしい』

ヤソップ『…座って寝てっけど背中痛くないのか』
ベック『確かに…タオルケットくらいはかけても良いかな(タオルケットを片手に、そっと背後へ周り)』


狼『(かっ、と目を見開き素早い動作で抜刀し ベックマンに飛び掛かり信じられない力で組み伏せ)』
ベック『がはっ!(痛みにうめき、目を開ければ自身の喉元に忍刀が突き付けられているのに気付き)』
ヤソップ『ベックマン!?』
狼『(忍刀を突き付け)』

ヤソップ『てめぇ!(怒りの形相で詰め寄りかけ)』
ベック『やめろ、ヤソップ』
ヤソップ『だけど…!』
ベック『げほっ…げほっ…(咳き込み)驚かせた俺に…げほっ……落ち度がある(つー、と喉から血が伝い)…あー、少し切れたか……動かない様にしてたんだがな』
シャン『ベック!(慌てて駆け寄り)』
ベック『あ、シャンクス…』
シャン『(はっ、と喉元に突き付けられた刀を目線でたどり)てめぇ…!(隻腕の忍びを殺気を込めて睨み付け)』

ベック『やめろ、シャンクス…かすり傷だ』
シャン『どういうつもりだ、いきなり組み伏せて喉元に刀突き付けるなんて』
狼『……(仏頂面を崩すこともなく、シャンクスを見ることもないままベックマンに忍刀を突き付けたまま微動だにせず)』
シャン『謝罪の言葉も言い訳も無しか…よっぽど死にたいらしいな(グリフォンを鞘から抜き/凄まじい覇気を体から放ち)』
ヤソップ『ちょ、お頭!』

狼『…やってみろ』
シャン『何だと?』
狼『……やってみろ、と言った』
シャン『(素早くグリフォンを振り上げれば鈍色の光が残像を残し忍びに振り下ろされ)』
狼『(ベックマンの喉元に突き付けていた刀をすばやく翻してシャンクスの剣撃を受け止め弾き返し、真っ直ぐに刃を突き出し。)』

ヤソップ『弾き返した!?』

シャン『ちっ!(舌打ちして突き出される刃を叩き折る勢いでグリフォンを振り下ろし)』

ベック『(咄嗟に二人の間に割って入り振り下ろされたグリフォンを左手に握った大典太(本体)で受け止め/どつり、と突き出された忍び刀が制する様に動いたベックマンの右腕に深々と突き刺さり。)』

シャン『っ!?』
狼『……!』

ベック『二人ともケンカはそこまで(ぎりぎりと火花を散らしてシャンクスの剣を右手に握った大典太で牽制し/忍び刀が突き刺さった左腕からは刃を伝って血が滴り)仲良くしろ』

狼『(ゆっくりと忍刀を腕から引き抜き)』

シャン『ベックマン!!!』
ヤソップ『バカ野郎!腕が…!』
ベック『何、ほんの掠り傷だ(痛みに僅かに表情を歪ませ)』
ヤソップ『ぬぁにが掠り傷だ!!!ざっくりやられてるじゃねえか!!!(傷口を塞ぐ指の隙間から血が溢れているのを見て)』
シャン『手当てするぞ!早く!』

狼『待て(部屋に行こうと立ち上がるベックマンを呼び止め)』

ベック『ん?』
シャン『まだ何かやろうってのか(殺気立ち)』
狼『(懐から瓢箪(ひょうたん)を取り出し、蓋を開け/それをベックマンに差し出して)』
ベック『……ひょうたん?』
ヤソップ『…酒、じゃねえよな?』

狼『…薬水だ……飲め』
ヤソップ『はぁっ?!ま、まさかこの得体の知れない液体を飲めと!?』
シャン『やっぱりケンカ売ってるだろう、てめぇ…(頭の血管がキレそうになっており)』
ベック『飲んで良いのか?』
ヤソップ『ベックマン?!』
シャン『お前何言ってんだ!?得体の知れない薬水なんか飲めるわけ…』

狼『…傷が痛むのだろう』
ベック『じゃあ、お言葉に甘えて…(瓢箪を受け取り薬水を飲み)』
ヤソップ『ああぁっ!!?』
シャン『嘘だろ?(汗)』
ベック『……あ、さっぱりした味だな』
ヤソップ『お前マジで言ってるか!?なあ!飲むか?!普通!』

ベック『…あれ?何か痛みが…(腕についた傷が癒えて血の流れた跡のみ残っており)』
狼『…その薬水は傷を癒す、飲み終えたら瓢箪を鬼仏に供えろ……中身が満たされる』
ヤソップ『どういう仕組みなんだよ…?(瓢箪を覗き)』

狼『…薬師から貰い受けた瓢箪だ、中には…薬液の元である瓢箪の種がある…鬼仏に供えれば良い』

ベック『ありがとうな、あと、さっきは驚かせてすまなかった(申し訳なさそうに頭を掻きながら謝り)』
狼『…忍びが…背後を取られるのは……死を意味する故…許せ』

ベック『だけどそれだけ強かったら海賊相手でもやり合えそうだな(笑)』
狼『………』
ベック『そろそろ夜も遅い、ゆっくり休むと良い…船室で休むか?』
狼『…ここで良い(鬼仏の前で座禅を組み)』
ベック『そうか、何かあれば部屋に来いよ?』
狼『……わかった(皆が船室に戻った後、ベックマンが置いていったタオルで身を包み)』

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