わかっているんです。
…こんな感情は間違っていると。
頭の片隅で警告ランプが点滅しているようにチカチカとする。
しかし、やはりどこか冷静な自分は静かに目を閉じてしまう。
僕は貴方にすら牙を向けるんだ。
「……ねむ…」
「…今日は暖かいですからね。もうすっかり春が近づいているようで。」
彼の小さく呟いた台詞を聞き逃しはしない。
微笑いながら囁くようにそっと顔を寄せる。
「…あぁ……。」
もう会話もまともにできないのだろう。
適当に相槌を打ち目を擦りながらふらふらと歩く彼は先程から欠伸を何度も噛み殺している。
「………っぁ…?」
「大丈夫ですか?!」
突然かくっと膝をつき、転がりそうになる彼をそっと抱き起こす。
「…悪い。なんだか本当に、眠いみたいだ……」
「…僕のマンションで仮眠を取っていって下さい。危なっかしくて放っておけやしません…ちょうどここからだとこちらの方が近いですしね。」
口角があがってしまいそうになるのを必死に押さえ、心配そうな顔を貼付ける。
話すことすらままならない彼に冷静に判断する思考など働くわけもなく、あぁ…とだけ言うと体を預けて眠ってしまった。
……部室で帰り際に一気飲みするとわかっていた朝比奈みくるのいれた緑茶に、こっそり入れた睡眠薬が効いてきたらしい。
彼も律義な人だ。
ぼんやりと思いながら、やはりどこか冷静な頭で彼を見ていた。
「……起きて下さい。」
ぺちぺち、と頬に鋭い刺激を感じそろそろと目を開ける。
「……古泉?すまん、俺どう、し…」
ぼやける視界で声が聞こえた方をむくと、古泉が覗きこんでいた。
そこで感じた、違和感。
まず、古泉が無表情なんだ。
まるで長門みたいに表情が読めない。
次に感覚があまり感じられない腕。
立ち上がろうとしたがうまく身体が動かない。
どうやら腕が紐状の何かで頭上に固定されているらしい、と認識するまで幾分か時間を要した。
「なんだこれは…またハルヒがわけわからないことでも言い出したのか?悪いがくだらない冗談につきあう暇はないんだ。今すぐコレを解け。」
ふといくらか覚醒してきた頭で状況を省みる。
何度か見たことのある天井…古泉の部屋に運ばれたのか。
てっきりすぐ開放されると思い込んでいたがなかなか古泉は動かない。
さっきっから一言も言葉を発していないんじゃないか?
「…おい?こいず、」
名前を呼ぶ前に荒々しく唇を奪われ、それ以上は続けられなかった。
「っ…んぅっ…」
荒々しく口内を貪られ、息もうまく継げない。
苦しくて怖くて、首を横に振って逃れようとするが後頭部を掴まれさらに深く舌が絡まる。
「…っこいずみ」
キスの合間に無理矢理名前を呼ぼうとするが、聞かないとでも言うかのように荒々しい口付けを施される。
ハルヒ達が突如出て来るサプライズの線は消えたな。ぼんやりと思った。
俺とコイツの関係は実に曖昧で…。
端的に言うと、何度かキスをしたことはある。
しかしどちらかがそのことに触れることはなかった…付き合うとか付き合わないとかそんな次元のものなんかではないんだ。
これでいいと、思っていた。
しかしこんなに激しく求められたのは初めてで、正直心臓が張り裂けそうな位ドキドキしている。まるで恋する乙女のようだ…って余りにも気持ちが悪いだろう。
酸素が足りないのか、頭がぼぅっとしてきたと思ったらようやく唇が離される。
「…っは、ぁ…。古、泉?…なぁ、どうしたんだよ…これ、解くつもりないのか?」
ベットの端と繋がれているらしい腕をゆさゆさと揺らしてみるが、古泉はまた無表情になる。
はぁ、とため息をつくと同時に古泉にシャツのボタンを静かに外されていき、流石に焦る。
「ちょ…古泉?なぁ、どうしたんだよ?なんかあったのか?」
普段とは全く違う古泉の行動に俺の頭は何か期待してしまう。
「…すみません。もう我慢、できないんです…」
ようやく聞けた古泉の声はどこか弱々しく、なんだか変に納得した。
ワイシャツを剥き終わると、そのまま肌に舌を這わせ二つの突起を舌と指で執拗に責められる。
「…ぁっ…んんっ…」
歯を立て吸われるたびに、なんともいえない感覚が身体に走り声が抑えられない。
その声に反応するかのように、ちらりと上目で見られ目が合うとどうしようもない羞恥に襲われ、目を閉じて唇を噛むようにし声を出さないよう耐えた。
それをいいことに古泉はチャックを降ろすと制服のズボンと下着を同時に降ろす。
突如下半身が外気に触れ、ぶるりと肌が泡立つ。
「かわいいです…」
「ばっ…ぁ、あぁっあっ」
耳元で囁かれ、講義しようと思いきり口を開けた瞬間、下半身に刺激が走り思わず声がでてしまった。
「あっ…あぁっ、いや、嫌だ…んぁっあ」
一度漏れてしまった声は納まることを知らず、古泉の熱い視線を感じて更に熱が高まる。
するとぬるり、とした感覚を感じ思わず見遣ると古泉が俺のブツをくわえていて、
「やめっやめろ馬鹿っ…汚いっんぁあっ」
講義している最中に思いきり吸われて目がカチカチする。
「…あっだめだ、出る…離せ…」
古泉は離すどころか更に深くくわえこみ、俺は呆気なく古泉の口に達してしまった。
ごくっと飲み下す音が聞こえ、ぎょっとして古泉を見ると
「…おいしかったです。」
とかほざきながら微笑んでやがる。
口から俺が放ったらしき白い液が垂れていてとても卑猥だ。
背徳心だかなんだかわからないが ずくん、と心臓が鷲掴みされた気分だ。
かちゃかちゃとベルトを外す音を遠くに聞きながら焦点ままならない視線わさ迷わせる。
すると突然古泉は俺の膝の裏を持ち上げ両耳のあたりまでくっつけると、なんとケツの穴に舌を這わせやがった。
「やめ…馬鹿!やめろ…ぅあっやだ、やめろ!」
両足をバタバタとし本気で抵抗を見せたら観念したのかようやく顔をあげた。
「両手が塞がってしまって…濡らそうと思ったのですが。それとも無理矢理がご希望で?」
無理矢理?無理矢理ってやっぱり入れるんだよな…つか拒否権はなしかよ。
だがあんなとこ舐められるより百万倍ましだ!
俺はこくこくと馬鹿みたいに首を縦に振った。
「…痛いですよ」
なぜか古泉が苦しそうに言うからおかしくて、いいから早くしろ、って言ってやった。
古泉にそのまま立派にそそりたったイチモツを宛がわれる。
「…ぅ、あ…」
先走りの液をぬるぬると円を描くように塗り付けられるとそのままずぶり、と押し進められた。
ぎちぎちと肉が軋む。
すっかり古泉のモノが納まる頃には俺は額に汗を浮かべ眉根を寄せ痛みと戦っていた。
「は…狭いです」
呟くように囁かれた後、腰をつかまれがくがくと揺さぶられるように律動が開始される。
痛みで涙がでる。
ぺろ、と涙を舌で拭われると痛みで萎えてしまっていた俺のモノをやわやわと右手で握られる。
「んぁっ…ぁっ…んうっ」
律動の度に変な声がでて気持ち悪い。
…それにたまに変な感じもしてくる。
「古泉…キスしろ、よ」
手が拘束されてるせいでしたくてもできないんだ。
古泉は一瞬物凄いあほ面をして、すぐに苦しそうに顔を歪めると荒々しく唇を重ねてきた。
なんだかとても不条理だけれど、すごく幸せな気持ちだったんだ。
「んぁ…っで、る…っ」
「…イって下さい?」
目を開けると古泉の切なそうな顔があって…目が合った瞬間自分の腹に出してしまった。
「あっ…はぁっあぁっ」
「…んっ……」
俺が吐き出すと古泉は俺の腰を掴み乱暴に律動を始め、俺の中に熱いものを放った。
「…なぁ。何隠してんだよ」
漸く手の拘束が解かれ、赤く跡つく手首をさする。
「いえ。……殴っていいですよ。僕は睡眠薬を飲ませて無理矢理貴方を抱いた。」
…あぁ道理であんな不自然に眠くなったわけだ。
「僕は、貴方を汚した。貴方は世界を救う唯一の鍵なのに…この醜い感情の為だけに。
もう二度と触れない…だから今だけ言わせて下さい。
僕は貴方を愛してるんです」
そう告げ古泉は今にも泣きそうなくせに笑顔を貼付けると目を閉じる。
ごちゃごちゃ面倒くさい事を考えてやがるのか。
小さく舌打ちをすると、古泉の瞼がぴくりと動く。
そのままゆっくり顔を近づけて触れるだけのキスをしてすぐ離れると古泉は驚いたように目を見開き固まっている。
「世界がどうとか、もういいんだ…。
俺はお前が好きで、だから抱かれてやったんだ。
もう二度と触れないとか言うなよ……本当はもっと早く触れたかったんだからな…。」
視界がぼやけて古泉の顔が見えない。
古泉を感じたくて思いきり抱き着くと、物凄い力で抱き返された。
―これで、いい。
やっと堕ちた…。
本当は古泉の挙動不審な動きも、朝比奈さんのお茶の味が違うのも気付いていたんだ…。
「愛してる、古泉。」
本当に世界なんかどうでもいいんだ。
お前がいれば
ブラックキョンとかwww