腐ってますがなにか？

彼岸花二夜の個人的なプレイ感想

年末年始恒例の竜騎士の新作感想。

今回は彼岸花の二夜です。
感想を一言で表すなら、今までで一番つまんなかった。
二夜は全体的にローテンションで淡々としている印象です。
竜騎士作品の妙に熱いテンション、疾走感はあまりありませんでした。


以下はネタバレ含む感想なので未プレイの方、プレイ予定の方はご注意を。


壱「お月見会」
各キャラ紹介回、毬枝が主役。
ただし、一夜プレイ済み人向けのキャラ紹介なのでいきなり二夜からのプレイはお勧めできません。
主に一夜で出なかったキャラの紹介で、二夜ではこの人達についてのエピソードやるよーという事前アナウンス的な、プロローグに近い話。

弐「十三階段の死神」
無気力すぎる女の子と十三階段のイザナミの話。走るのって！いいよね！私嫌いだけど。
二夜の中ではいい話。ストーリーも纏まりもいいと思います。

参「鏡の世界へようこそ」
鏡のキョウと毬枝が鏡の世界で掃除する話。
面白いといえば面白いけど微妙といえば微妙な話でした。
親しき仲にも礼儀あり。友達をパシリに使うのはやめましょう。

四「少年たちの肖像」
嗜虐趣味のあるショタ好き女教師と美術室のルノワールの話。
一夜の毬枝VS金森と似たような状況だったにもかかわらず、何故か燃えない展開でした。原因は何なんだろう…
それにしてもこの学校の先生は犯罪者ばっかですね。大丈夫なのだろうか。
とにかく、三次元ショタに手を出してはいけません。

伍「私の親友」
一夜に登場したみちるが再び登場。やっと友達できたと思ったら速攻で死んで、ェ…でした。
蘇った智子は悪魔が見せた幻影で、失意のみちるを悪魔が狩ろうとしたら毬枝が登場とかを予想してたんですが…思ってたよりストレートな展開でした。もっと捻ってくるかと思ったんだけどな。ただのいい話エンドとは思わなかった。

陸「復讐のアザミ」
いじめられっこ吉川＋一夜の由香里VSアザミスミレ姉妹の話。
もうイジメはいいよ…前回で既にお腹いっぱいだよ…彼岸花、毬枝はほとんど絡まないし、読んでてしんどかった。

七「彼岸花の咲く前に」
彼岸花の生まれた直後の話。
彼岸花と秋一の関係は好きなんだが、秋一の病院送り事件は胸糞悪すぎる…しかも黒幕はまたしてもスミレ。なんなの君本当になんなの。
どんな状況でも希望を捨ててはいけないというのはわかるんだけど、盲目になってピアニストに転向、しかも世界的に有名になった、という流れはいくらなんでもご都合主義過ぎかな。

新要素「放課後」
これは酷い。このキャラの意外な一面というより、薄い氷の上にかろうじて出来ていたキャラクター像を砕かれた、という印象です。
ひぐらし、うみねこでやったならまだよかったけど、キャラの魅力が足りない（エピソード、キャラクターの掘り下げ不足？）の状態でやられても…というのが正直な感想でした。
変態教師対決とか教頭先生VSイザナミは面白かったけど、その他はちょっと…秋一の漫画どうたらとか先生の音也ー！とかはいらなかったな。


・全体感想
とにかくネックなのがいじめ描写。一夜だけならまだよかったんだけど、二夜もいじめの印象が強く、しつこく感じました。
書きたいものに反するのかもしれないけれど、もっと普通の子を主役にしてイザナミとあやの追いかけっこみたいなのを書いてくれたらな、と思いました。せっかくの学校妖怪なのにいじめがどーたら生きてる価値がなんたらの印象が強すぎて妖怪達が霞んでる気がする。もっと妖怪たちをメインに据えた怪奇ストーリーが見たかったな。
「鏡の世界〜」は妖怪メインだけど、あれはなんか違う。

あと、今回はそれぞれのストーリーで緩急が少なかったように思います。
特に気になったのが戦闘描写。あるにはあるんだけど、なんか印象に残らない。これまでなら上げて落として上げて、みたいに二転三転してたと思うんだけど…毬枝の戦闘シーンや妖怪VS妖怪のガチバトルが見たかったのにそれがなかったから余計にそう感じるのかな？
他にも、うみねこのワルギリアは味方と思ったらそうじゃなかったー！最後の最後でラムダが戦人と縁寿のためにベルンに喧嘩売ってくれたー！エヴァが戦ってくれたー！みたいな意外性ももっと欲しかったです。一夜にはあったんだけどな…
緩急についてはストーリーの順番も関係しているように思います。壱、弐、参、伍は軽めのいい話系。四、陸、七は胸糞悪い系で後半に酷い話が偏り気味。なんかバランス悪い。七はいい話なのかもしれないけれど、リンチのせいでどうも嫌な話のイメージが拭えません。

他には、何故か全体的に「生きるの素晴らしい」「いじめかっこ悪い」「もっと人生楽しめ」ぽいメッセージがバンバン出てきます。一夜の頃からこのスタンスだったし、全面的にその意見には賛成だし、いいんだけどね。ちょっとね、うん。

あと「復讐のアザミ」以外、一話の量が少ない気がする。気のせい…？


私は竜騎士作品の勢い、ひっくり返す展開が好きなので、それが弱かった二夜はあまり面白く感じませんでした。
彼岸花三夜、もしくは次回作に期待しようと思います。


書き忘れました。音楽は相変わらずよかったです。OPのCD欲しい。