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読書会+5月飲み会

こんばんは。13です。
5月28日(土)に読書会を行いました。
課題図書は池澤夏樹「きみのためのバラ」(新潮文庫)でした。

http://www.shinchosha.co.jp/book/131820/

一作品ではなく、短編集一冊全部を用いての読書会という初の試みでしたが、思っていた以上の盛り上がりを見せました。副部長の用意した作品に関する資料の配布なども議論のスパイスとなり、熱い議論となりました。
作品の配置、構成の意味等、新しい視点も盛り込んだ読書会を今後も展開していければと思います。


夜は5月飲み会を行いました。新歓よりもこじんまりとしたものになりましたが、美味しい食べ物を食べながら、みんなで楽しいひと時を過ごせました。幹事さんお疲れ様です。

龍谷読書会

こんにちは。二回長のヨアです。
今回は、龍谷大学で行われた対外読書会に参加しました。正式名称は「龍谷大学第90回創立記念降誕会協賛他大学合同公開読書会」。当初五人で参加する予定だったのですが、風邪で二人欠席し、結局参加者は三人となってしまいました。

課題本は泉鏡花の草迷宮。
鏡花らしい、美しい旧字体混じりの文章に、当時の民間伝承や古典をもとにした幻想的な話です。
独特の文体に加え、語り手がころころ変わるので、なかなか話の筋を追うのに手間取ります。
読書会では、文章の美しさに感動し、登場人物の名前の意味や僧にみる宗派の混ざり等、興味深い視点も発見しつつ、話の筋を手探りで追っていくものとなりました。

龍谷さんはいつも事前に資料を作って配布して下さるのですが、その資料がとても丁寧で素晴らしいです。作家に対する知識から時代背景まで、各項目ごとに部員が責任を持って作成しています。
前回の龍谷大学の対外読書会はルイス・キャロルの鏡の国のアリスで、幻想文学ものが続きました。龍谷の二、三回生に幻想文学好きな方が多いそう。興味がある方もそうでない方も、また機会があれば奮ってご参加下さい。

金平糖の男の子

こんばんは。13です。
当文芸部では、部内から作品を募り、その中から部員たちの投票で選んだ作品を関学新聞に掲載させていただいております。
そこで、掲載終了した作品及び掲載候補を公開することにしました。
今回の作品は、2011年1月の関学新聞の掲載候補となった短編作品です。


 
『金平糖の男の子』  作・曾根崎十三


 振り返ってみたところで毎年大差ないような気がしてしまうのは、僕があまりに味気ない人間だからだろうか。
 日頃、見向きもしない銅鑼やら鈴やらを一心不乱に鳴らす人々。その参拝姿勢に関しては、僕も例外ではない。しかし、並ぶのは億劫なので、人混みの後ろから十円玉を投げた。賽銭箱に入っただろうか。確認はできなかったが、目を瞑って拝む。
 じゃらじゃら、がん、ごん、じゃらん。
 家で正月番組を見ている家族を置いて、一人でわざわざ初詣に来ている人間なぞ、恐らく僕だけではないだろうか。
 今頃自宅でカタツムリの如きこたつ虫になっている家族に思いを馳せていると、突然脚に何かがぶつかった。思わずよろめいて目を開けると、そこに幼い少年がいた。どこかで見たことがあるような気がする。それどころか、とてもよく知っているような気さえした。近所の子だったろうか。
「ごめんなさい」 
 僕と目が合うと、少年はすかさず礼儀正しく頭を下げて謝った。しかし、再び上げたその表情は今にも泣き出しそうだった。
 参拝客たちの足下に散らばった色とりどりの金平糖。そして、彼の手に残る空の袋が起こった事を物語っていた。もごもごと呟く言葉をどうにか聞き取ってみると、どうやら両親に買ってもらったようだ。
「ごめんね。せっかくの金平糖なのに」
 そういえば、すぐ近くに金平糖の量り売りの出店があったはずだ。恐らく彼はそこで買ってもらったのだろう。決して弁償すれば済むと思っているわけではないが、僕は彼の手を引いて金平糖の出店へ赴かずにはいられなかった。
「ほら、もう一回買っておいで」
 そう言って、金平糖を入れる袋を渡しても、なかなか少年は従おうとしなかった。おろおろと僕の顔を見上げる。遠慮しているらしい。歳の割に可愛げのない奴だ。何だろう。どこかでこのような事があった気がする。いつか読んだ小説だろうか。
「ほら」
 何度か急かして、ようやく彼は金平糖をすくい始めた。最初はおそるおそるだったが、徐々に笑顔が浮かんでくる。そして、一度調子に乗り始めてからは容赦なく金平糖を詰め込み始めた。
 その光景を眺めながら、僕はこの少年が何者であるかにふと気付いた。ああ、そういうことか。不思議なこともあるものだ。――とんでもない事実をすんなりと受け入れる自分がいた。
 遠慮のない彼のお陰で、思わぬ出費となってしまった。金平糖がこんなに高価だったとは。しかし、会計の際に満面の笑顔で「ありがとう!」とお礼を言われると、こちらの心まで明るくなる。羨ましい力だ。この年齢だからこそ成せることだろう。
「あ、お父さん、お母さん!」
 少年が一際弾んだ声で叫んだ。そして、金平糖を片手に一目散に駆け出した先には、まだ若い夫婦がいた。その顔を見て僕は納得した。ああ、やっぱり。そして、それと同時に何だかくすぐったくて、思わずその場を後にしてしまった。僕も帰ろう。両親のところへ。
 僕が迷い込んだのか、それとも彼らが迷い込んできたのか。まぁ、そんなことはどうでも良い気がした。
「さっき零しちゃったんだけどね、優しいお兄ちゃんが買ってくれたの」
 はるか昔の僕が両親にそう言った時、金平糖を買ってくれた男はもういなかったものだ。ああ、僕にもこんな時代があったなんて。すっかり忘れてしまっていた。
 そっと「ありがとう」と幼い僕に心の中で呟いてみた。
 さて、こたつ虫たちに金平糖でも買って帰ろう。結局、買ってもらった金平糖は食べれず終いだったし、そのお詫びにでも。

合評会

こんばんは。13です。
今日はどきどきわくわくの合評会でしたね。
季節の変わり目のせいか、風邪での欠席が多く、その点に関しては残念な限りでした。当ブログをご覧の皆様も体調には気をつけてください。

都合上、今回は学校ではなく甲東公民館で行いましたが、皆いつもの調子を崩すことなく、そして今回は今年度初の2班分かれての合評会を無事終えることが出来ました。
部会含め、約6時間総勢13名の合評、部員の皆様お疲れ様でした。
新入部員たちもなかなか意見を言ってくれて、これからの活動がますます楽しみになりました。文芸部の未来は明るいですね。期待に胸が高鳴ります。

読み合わせ最終日

こんばんは13です。5/20(金)は読み合わせ最終日でした。
3限には5月号第3部ミシガン号掲載の新崎有さんの作品「馬鹿な女に惚れた馬鹿」、第4部エリー号掲載の倉井塁くんの作品「アイリス」の読み合わせを行いました。私は授業で参加できませんでしたが、空きコマのメンバーも多く、どちらの作品についてもどうやら大いに盛り上がったようでした。行けなかったのが残念です。
4限は第4部エリー号掲載の私こと曾根崎十三の作品「耳」、第3部ミシガン号掲載の大宮冬仁くんの作品「春の訪れ」の読み合わせを行いました。いずれも誤字脱字から人物の描写、展開の運び、構成などいろいろなことを語ることができ、今後に生かせればと思います。1回生たちとも改めて和やかに話すことができて、いろいろ彼らも文芸部員なのだなぁという実感が迫ってまいりました。
合評会に向けて丁度良い具合に温まってきた気がします。素敵ですね。こういうの。
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