震災1週間で営業再開、東北の風俗嬢たちの物語

『震災風俗嬢』(小野一光著、太田出版)は、2011年3月11日に起こった東日本大震災の被災地で生きる複数の風俗嬢を、5年間にわたって追い続けた作品。著者は、"戦場から風俗まで"をテーマに活動を続けてきたノンフィクションライターである。つまりは人が入り込まない場所へも切り込んでいくタイプだといえるわけで、その行動力は本書においても存分に発揮されている。

 風俗嬢の半生やプロセスに焦点を当てたノンフィクションなら過去にも存在したが、震災を切り口にしているという点において、"この著者でなくてはできないこと"を形にしているといえるだろう。

「こないだね、北上(きたかみ)のデリ(デリバリーヘルス)で遊ぼうとしたらね、やって来たのが沿岸に実家がある十九歳の学生の子だったのよ。大船渡だっけかな。家族は全員無事らしいけど、家が流されたうえに、お父さんが勤め先を流されて仕事を失ったらしぐって......。それでまだ小さい弟と妹がいるもんだから、家計を助けるため北上さ出てきて働き始めたんだって。いやもう、なんか気まずかったぁ」(18ページより)

 震災直後から単独で被災地に入り、各地で取材を続けていた著者は、岩手県北上市のバーで、顔見知りになった男性客からそんな話を聞く。「することはしたけど」というひとことには苦笑してしまったが、ともあれわずか5行しかない男性の言葉にはかなりのインパクトがあり、この時点でぐいっと心を引っぱられた。震災については多くの方が命を落としたという事実にばかり目が行っていたが、たしかにそういうことがあってもおかしくないのだ。

 しかしその衝撃は、長らく風俗嬢のインタビューを続けてきた著者にとってもショッキングな出来事だったようだ。あの混乱のなか、やはり「風俗産業についてまでは考えが及ばなかった」というのだ。だが結果的には、それが本書を生み出すきっかけとなる。以後の著者は他の仕事の合間を縫い、東北各地を動き回りはじめた。

【参考記事】<震災から5年・被災者は今(1)> 義母と補償金を親族に奪われて
【参考記事】被災者の本音、女性が抱える避難所ストレス

 重要なポイントは、誰かに取材を頼まれたわけではないということである。あくまで自主的な判断に基づく行動であり、だから取材を続けつつ、同時に掲載媒体を探す作業にも追われることになる。

 私は同業者なのでなんとなくわかるが、それは決して楽な作業ではない。風俗であろうが芸能であろうがジャンルにかかわらず、取材をする場合には緻密な気配りが必要とされるからだ。



 端的にいえば、関わるすべての人間の要求に応える必要があるということ。提灯記事を書くという意味ではない。その取材をすることによって、誰かがいわれのない苦痛やリスクを背負うとしたら、それはフェアではないということだ。たとえば本書の取材に関していうと、「掲載する価値」を求める媒体、取材対象としての風俗嬢を斡旋するかわりに(記事広告的な)見返りを求める風俗業者、そして震災で受けた心の傷を開かざるを得なくなる風俗嬢と、三者三様の思いを満たす必要があるわけである。でないと、取材自体が成り立たなくなる恐れがあるのだから。

 事実、取材は最初の段階から頓挫することになる。一般客を装ってデリヘル嬢を呼んで(プレイなしで)話を聞き、以後の取材の約束も取りつけるものの、直前になって「ちいさな町のことなので、目立つことはしたくない」と断られてしまうのである。

【参考記事】路上生活・借金・離婚・癌......ものを書くことが彼女を救った

 いわれてみれば当然のことではあるだろう。また、震災から1カ月も経てば出版社側の状況も変化してくるようで、「震災関連で」と企画を持ち込んでも「震災関連は最近ちょっと企画の通りが悪くなってるんですけど、どんなやつでしょう」と消極的な返事が返ってきたりする。しかしそれでも著者は、以後もさまざまなルートに話をし、粘り強くコネクションをつくって取材を続けていく。そしてそのかいあって、風俗店オーナーとのコネクションを得、数人の風俗嬢にインタビューできることになる。

 震災から1週間後に数件のデリヘルが営業を始めていたという事実には驚かされるし、それ以前に、地震と津波の被害に遭っていながら風俗を利用する人がいるということ自体に驚く。ここに登場するチャコさんという20代女性の話によると、相手にした客のほとんどが、なんらかのかたちで地震と津波の被害に遭っていたというのである。にもかかわらず、なぜ風俗を利用するのか? その答えは、以後の会話のなかにあった。

「家を流されたり、仕事を失ったり。それでこれから関東に出稼ぎに行くという人もいました。あと、家族を亡くしたという人もいましたね」
「えっ、そんな状況で風俗に?」
 思わず声に出していた。だが彼女は表情を変えずに続ける。
「そんな場合じゃないことは、本人もわかっていたと思いますよ。ただ、その人は『どうしていいかわからない。人肌に触れないと正気でいられない』って話してました」
「いくつくらいの人ですか?」
「三十代後半の人です。子供と奥さんと両親が津波に流されて、長男と次男は助かったらしいんですけど、いちばん下の男の子と奥さん、あと両親が亡くなったそうです。(中略)その人はプレイのあとで添い寝をしてほしいと言ってきたので、そうしてあげました」(41〜42ページより)

 この発言について著者は「言葉を失った」と記しているが、まったくの同感だ。正直なところ考えたことすらなかったが、たしかにそんなとき、人肌に触れることには大きな意味があるのかもしれない。



 そして事実、お客さんは総じて震災前よりもやさしくなったのだという。以前はガツガツしている人が多かったのに、元気がないというか、ふんわりした人が増えたというのだ。そんなところからも、ひとりひとりがそれぞれの傷を負っていることが想像できる。だとしたら、「デリヘルを呼ぶ間だけは楽しみたい」と思ったとしても、それは責められるべきではないだろう。

 しかし当然のことながら、それはデリヘルに連絡してくる客の側だけの問題ではない。先の19歳の学生の例がそうであるように、風俗嬢もまた被害者なのだ。

「もう人生観が百八十度変わりました。友達は一緒に連れて逃げようとしていた子供を、津波に呑まれて亡くしちゃうし......」(54ページより)

 2011年5月の取材でこう語っていた26歳の主婦、アヤさんは、翌年の取材時にはこのように語っている。

「なんか五月の終わり頃から、人がいっぱいいる場所に行くと息苦しくなったりというのがあったんですね。あと、車の運転中にめまいがしたり、いきなり涙が出てきて止まらなくなったりもしてたんです。それである日、夫に『なんか変だ』って言われたんですよ。私がテレビの前でなにもせずボーッとしていたらしいんです。放心状態みたいな感じだったって......」(99〜100ページより)

 どう考えてもPTSDの症状であるだけに、その言葉は心を深くえぐった。間違いなく彼女たちも被害者なのだ。そこが、本書における重要なポイントである。

 しかしそのいっぽう、「ああ、この人はだめだな」と感じざるを得ないような風俗嬢が本書に出てくることも否めない。とはいえ、それは余計なお世話というもので、たとえ震災からなにも学んでいないように見えたとしても、相応の"なにか"を背負っているであろうことは事実なのだ。だからこそ読者であるわれわれは、彼女たちが言葉にし切れなかった思いをも、行間から感じ取る必要があるのではないだろうか?

「みかじめ料脅し取られた」 暴力団会長に賠償求め提訴

指定暴力団共政会傘下の組長や組員に「みかじめ料」を脅し取られたなどとして、広島市内の風俗店経営者ら3人と運営会社が、共政会会長の守屋輯(あつむ)受刑者(73)ら4人を相手取り、脅し取られた現金や慰謝料など計約2200万円の賠償を求めて広島地裁に提訴した。

 提訴は9日付。2008年施行の改正暴力団対策法は、傘下の組員らのみかじめ料の徴収について組トップの使用者責任を問えると定めている。弁護団によると、みかじめ料を巡って組トップの責任を問い、賠償を求める訴訟は異例という。弁護団は「表面化しにくい問題で、請求が認められれば抑止効果になる」としている。

 弁護団によると、原告らは12年12月ごろから共政会傘下の組長らからみかじめ料を要求された。応じなかった原告は、店の従業員の送迎車を追い回されたり、バットのようなもので壊されたりした。60万円を脅し取られた原告もいる。このため、車の修理代やみかじめ料のほか、恐怖心への慰謝料などとして、1人約650万円〜約890万円の支払いを求めた。

 組長らは、県警に恐喝容疑で逮捕され、現在、組織犯罪処罰法違反の罪で公判が続いている。

多額借金…女性を殺害か 風俗店店長を逮捕

広島県尾道市内の雑木林に女性の遺体を捨てたとして、知人で風俗店店長の男が逮捕された。男は殺害も認めているという。

 死体遺棄の疑いで逮捕されたのは広島県福山市の風俗店店長・廣保雄一容疑者(37)。調べによると廣保容疑者は今年1月、尾道市内の雑木林に福山市の無職・大橋愛姫さん(39)の遺体を遺棄した疑いがもたれている。遺体はプラスチックの箱にいれられていた。

 先月、大橋さんの兄が「1月6日から妹が子どもを残したまま行方不明になっている」と警察に相談。警察が大橋さんの知人の廣保容疑者を調べたところ、容疑を認めたため逮捕した。

 捜査関係者によると、廣保容疑者は大橋さんに数百万円の借金があり、殺害についても認めているという。

「マンションヘルス」経営の男ら3人、風営法違反容疑で逮捕

禁止区域内で風俗店を営んだとして、大阪府警生活安全特捜隊などは24日、風営法違反容疑で、大阪市阿倍野区阿倍野筋、風俗店経営、松原庸郎(やすお)容疑者(57)ら男女3人を逮捕した。おおむね容疑を認めているという。

 逮捕容疑は、23日、同市北区曽根崎新地や同市天王寺区南河堀町のマンションの一室など5カ所で、男性客に対して女性従業員に性的サービスをさせたとしている。

 府警によると、平成25年2月ごろから営業しており、松原容疑者の自宅からは売上金約900万円が見つかったという。

妻の「風俗」勤務が発覚してショック・・・家計を助けるためでも「離婚」できる?

妻が風俗で働いていることに気づいた男性から、弁護士ドットコムの法律相談コーナーに「離婚はできるのか」「慰謝料はどうなるのか」と相談が寄せられた。

相談者によると、風俗店のサイトで、偶然妻が風俗嬢として写真付きで紹介されているのを発見した。顔には多少モザイクがかかっていたが、着ている服や髪型など、本人に間違いないと確信している。相談者の家庭は夫婦ふたりだが、収入は少なく家計は厳しい状態だそうだ。

相談者の男性は「離婚を検討している」というのだが、妻が風俗で働いているという事実だけで、離婚できるのだろうか。もし妻が苦しい家計を支えるため、やむなく風俗で働いていた場合はどうだろうか。離婚問題に詳しい渡邊幹仁弁護士に聞いた。

●性行為までしていたら「不貞行為」にあたる

「裁判で離婚が認められるためには、法律に定められた要件が必要です。その一つとして、『不貞行為』(民法770条1項1号)があります。

『不貞行為』は通常、『配偶者ある者が、自由な意思にもとづいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶこと』と考えられています」

渡邊弁護士はこのように指摘する。風俗で働くことは「不貞行為」にあたるのだろうか。

「風俗店といっても様々な種類の店舗があります。したがって、どのようなサービスを行う風俗店で働いていたのかということによって、結論も異なります。

仮に、働いていた風俗店において性交渉まで行った場合(それ自体に違法の可能性があるという問題は別としても)、いかに生活のためとはいえ、配偶者以外の者と性的関係を結んだということで、『不貞行為』に該当し、離婚原因となる可能性が高いと言えます。

最高裁判所も、生活のために売春行為をした妻に対して『妻の身分のある者が、収入をうるための手段として、夫の意思に反して他の異性との情交関係を持つ』ことは許されないと判断しています。

この事案で裁判所は、いかに生活苦にあえいでいる女性であっても、同じ立場の世の中の多くの女性が、生活費を得るためにそのようなことまでするのが通常であるとは言えないし、それがやむを得ないとは到底考えられない、と述べています」

●「不貞行為」にあたらなくても、離婚原因になる可能性

では、風俗店で働いて性的サービスは行ったものの、性交渉までは行わなかったという場合だったら、問題ないということだろうか。

「その場合は『不貞行為』があったと言えないと考えられます。

ただ、この場合であっても、『婚姻を継続し難い重大な事由があるとき』(民法770条1項5号)に該当するとして、やはり離婚が認められる可能性があります。

こちらの場合は、どのようなサービスを提供していたのか、どのくらいの期間や頻度で働いていたのか、風俗店で働かざるを得ない事情がどの程度あったのか(どの程度家計が苦しかったのか、夫の協力が得られなかったのか)などを総合的に考慮して、『婚姻を継続し難い重大な事由があるとき』にあたるかどうか、判断されることになると考えられます。

なお、妻が風俗店で働いたことを理由として離婚が認められる場合、妻に慰謝料の支払義務が生じる可能性があります。ただ、慰謝料の具体的な金額については、風俗店で働かざるを得ない事情がどの程度あったのかといった事情によって異なってくると考えられます」
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