そばにいて 3

料理が来るまで何か話してたけど
外をずっと見て無視していた

「おまたせいたしました」

「かわ・・・・」

危ない(汗)
料理もそうだけどお皿も可愛い
女性は好きだけどこういうの男は興味ないよね

無心に食べよう・・・


「うっ!?美味しい(бвб)」

「お口にあって嬉しい」

またやっちゃった・・・まあ、感想だからいっか

次々運ばれてくる料理は美味しくて
お皿もかわいくてテンションが上がってくる

「全部美味かった(бвб)」

まだデザートも出てくるらしい

「よかった、初めて会った時緊張してて
あまり話せなかったから好き嫌い聞いてなかったでしょ
嫌いなものがないかドキドキしてたんだ」

嘘ばっかり、堂々としていて
品定めされてるような威圧感を感じてたんだから
それにさっきから笑ってるけど営業スマイル?
的な感じにしか見えない

「最近の男性って料理する人も多いけど
リクさんはするの?」

チャンスが来た感じ?
お兄ちゃんは何でも出来るけど・・・
陽菜のことを言えばいいよね

「僕は全くしない
料理なんて女がするものだろ
男が台所に立つなんて考えられないよ」

どう、嫌になるでしょ

「そっか、私料理得意だから楽しみにしててね」

失敗・・・・もっとたたみ掛けないと(汗)

「仕事で忙しいのに出来るの?
ぼ、俺掃除も洗濯もしないよ」

「何もしなくていいよ、そばにいてくれるだけでいい」

何この人・・・びくともしないんですけど(汗)

そうだ

「ドライブの他に何か趣味ある?」

「時間が空いたら映画とか見に行ったりするのも好きかな」

「あぁー俺は映画見ないなー
空いた時間や休みは家でゴロゴロしてたい派だから」

何もしないし家でゴロゴロされたら嫌でしょ

「それ良いね」

「え?」

「DVD借りてきて家でゴロゴロしながら見るのも良い」

くっ・・・こうなったら

「本当は仕事もしたくないんだよね」

これは極めつけでしょ

「私がその分働くからいいよ」

ダメだ・・・何言っても吸収しちゃうよこの人・・・
パパごめんなさい陽菜にはムリだったみたい

ちょうどデザートとコーヒーが運ばれてきた

「私ここのチーズケーキ好きなんだ」

どこのでもいっしょだと思うんだけど・・・

「ふーん」

「食べ終わったらもう一箇所行ってもいいかな」

「ごめん無理」

「・・・・そうだよね体調悪いんだったね」

あ・・・そういう設定だったのに全部食べちゃった(汗)

「家まで送るよ、帰り寝ててくれてもかまわないから」

お言葉に甘え帰りはずっと寝てた

こんな男、陽菜なら絶対イヤだし無理!

「着いたよ」

「んん・・・・」

目を開けると見覚えのある風景・・・と言うか家の前だった
住所言ったっけ?
結婚するんだから調べてあるか


「ありがとう」

シートベルトを外しドアに手をかけようとしたら
腕を取られて引っ張られ・・・・振り向くと首に腕を回されて・・・・

なに?二回目でキスしようとするつもりそれも女から?

いきなりのことで抵抗できず目をギュッと瞑ると

「抵抗しなくていいの、陽菜ちゃん」

「へぇ?・・・・」

「陽菜ちゃんだよね」

「なんで・・・・」

「私一度でも会って覚えた人の名前と顔は仕事柄忘れないんだ」

「いつからわかってたの」

「ん?車を降りたときからかな」

「レストランで?」

「違う違う迎えに行ったときだよ」

「じゃ〜初めからバレてたって事?
なんで怒らなかったの」

「なんか理由があるんだろうなって
それと面白そうだったからかな」

「酷い(怒)私が必死でお兄ちゃんのふりして頑張ってたのに
面白そうとかありえないんだけど(怒)」

「騙されてたのは私なんだけどね(笑)」

「あっ・・・・(汗)ごめんなさい・・・」

「理由聞いてもいいかな
と言うか聞く権利はあると思うんだけど」

確かにそうだ、聞く権利は大いにある

「怒らないって約束してくれるなら・・・」

「替え玉でも怒らなかったんだから今更でしょ」

「そうだよね(бвб)」

朝起きてからのことをすべて話すと

「そっか男が好きだったのかじゃー仕方ないか」

多分嘘だと思うけど・・・

「本当にごめんなさい」

「陽菜ちゃんは悪くないんだから謝ることないよ」

陽菜もそう思う、だって無理やりさせられたんだもん、でも

「でも兄だから・・・
大島さんは兄のこと好きだったの?」

「え?」

「結婚しようとしてたのに
逃げたって聞いても悲しそうじゃないから」

「あぁー・・・う〜ん、そこはほら、
会社経営者としたら色々あるじゃん」

「どういうこと?」

「好きとか嫌いは二の次ってこと(笑)」

「そんな・・・」

お互い好きでもないのに結婚しようとしてたってこと?
ありえないんだけど

「結婚に関しては私の方からお断りの連絡入れてあげる」

うそ・・・やったー!

「ありがとう(бвб)」

なんだいい人じゃん♪

「そのかわり」

「そのかわり?」

何?お金の要求?
それともうちの会社を乗っ取って吸収?

やっぱり、いい人じゃなかった(涙)


不敵な笑みを浮かべる大島さんが少し怖かった














そばにいて 2

プップッー!!

うっさいなー、全然邪魔じゃないでしょ(怒)

クラクションを鳴らす車を睨んでいたら
ピタッと横に止まった

うそ・・・睨んだから怒られる?それとも連れ込まれる?
あ、陽菜今男だった、大丈夫じゃん(бвб)

それにしても遅いなー、三分も過ぎてるし(怒)

カチャッ・・・バン!

車のドアが開き運転席に居た人がこっちへ回ってきた

「・・・・見たことあるような・・・誰だっけ?」

「リクさんお待たせしました」

リクさん?えっ、お兄ちゃん何処にいるの

「リクさん?」

・・・・・・今は陽菜のことじゃん(汗)

「いえ、全然待ってませんよアハハ」

なるべく低く小さい声で話す

ちょっとまってよ自分で運転してきたじゃん
何が運転手がいるよ、パパの嘘つき

「今日は自家用車で来たので私が運転します
どうぞ乗って下さい」

助かった(ホッ)

車が音もなく発進する
なんて車種だっけ?音も静かだし振動も感じない

「朝、体調がすぐれないと連絡を受けていましたが
大丈夫なんですか」

「喉が少しだけ・・・心配をおかけしてしまいすいません」

「いえ、来ていただけて嬉しいです」

「・・・・・」

来たくなかったけどね

「結婚するんですし今からデートなので敬語やめませんか」

「僕はどっちでもいいけど」

「アハッよかった私の方が年下だから
嫌だったらどうしようと思ってたんだ」

お兄ちゃん確か今年30歳だったよね
年下っていくつなんだろう
どう見ても陽菜より下に見えるけど

それからは一人でべらべら喋ってて
陽菜は相槌を打つだけでよかった

運転するのが好きだけど仕事の時はさせて貰えなくて
休みの日になると自分で運転してドライブに行くらしい
だから今もドライブ中みたい

どこ走っているのか全然わかんないんだけどね

「車酔いとか大丈夫?」

今更聞く?もう1時間位走ってるよね

「大丈夫」

「よかった、こうやって移りゆく景色を見てると
なんだか癒やされるの」

それだったら電車とかのほうが良くない
言わないけど・・・

あ、嫌われるためには言ったほうが良いのか・・・

「なあ、どこまで行くつもりなんだ」

「後20分ほどかな、私のお気に入りの場所があるんだ」

「お腹すいた」

「食事、予約してあるから」

レストランなのか・・・

どんどん坂道を登って行き着いた先は・・・

「可愛い・・・(бвб)」


しまった、男が可愛いなんて言わないよね(汗)
慌てて横を見ると聞こえてなかったのか
ドアを開けて出ていくから
慌てて追いかける

高級レストランではなく丘の上の小さなレストラン?
みたいな感じのすごく可愛いお店
中に入ると奥行きがあって外から見た感じより広い

「いらっしゃいませ
大島様こちらへどうぞ」

「やっとこれたよ」

「先月はお忙しかったみたいですね」

「色々あってね」

よく来ているのか顔なじみみたい

「何を飲まれますか」

「私はいつもので、リクはお酒飲む?」

「いや、まだお昼だし今日はやめとく」

飲んだらボロが出ちゃいそうだもん

「こちらにも同じ物といつものコースをお願い」

「かしこまりました」

「見て景色いいでしょ」

確かに・・・林の向こうに海が見えていて
自然の中で食事を味わえる感じがする

運ばれてきたのは・・お水?

「これ湧き水でこの少し下で汲んで来るらしいんだけど
すごく美味しいんだよ」

飲もうとしたら

「あ、待って」

グラスを手に取ると差し出してきた

「お水で乾杯(笑)」

「あぁ・・・」

コツンと音をさせてから口へ運ぶと

「美味しい・・・」

水なのに少し甘いようなきがする

「でしょ、体にいいらしくて
いつも少し分けてもらって帰るんだ」

ずっとニコニコしてるんだけどこの人・・・
お兄ちゃんのこと好きなのかな
どうしよう嫌われなきゃいけないのに
全然だめじゃん

どうしよう・・・
話無視すればいいか
あと、嫌われそうなこと言わなきゃ(汗)




そばにいて 1

日曜の朝からすごく騒がしい両親

「煩いなー休みの日なのにゆっくり寝てられないでしょ
何騒いでるの」

「大変なの、リクがリクが(汗)」

「お兄ちゃんがどうかしたの?」

「これ見て」

1枚の便箋を渡され読んでみると

”会社のために一度は結婚を決意したけど
やっぱり僕には無理です
僕は男の人が好きだから・・・
ほとぼりが冷めるまで旅に出るので
捜さないで下さい”

「うそ・・・なにこれ」

「あいつが男を好きだったなんて・・・(汗)」

絶対ウゾじゃんだって女性を部屋に連れ込んでたの知ってるもん

「こんな事が相手にバレたらうちは終わりだ(泣)」

「バレなくても終わるかも」

「陽菜!(怒)」

「やっぱりやめますって言えば」

「そんな事言えるわけ無いだろ相手は取引先で
うちよりも大きな企業なんだぞ」

「・・・・とりあえず捜せば」

「そ、そうだな」

「私も着替えて行きそうな場所捜してあげる」

「陽菜は他にすることがあるからこっちへいらっしゃい」

「する事?」

「あなた昔、リクの大学の学園祭へ行った時
カツラかぶって双子ネタしたのよね」

あれは確か景品が欲しいものだったから
お兄ちゃんにそそのかされてつい・・
ていうか嫌な予感しかしないんだけど(汗)

「あれは顔と雰囲気だけ似ていたら良くて・・・
ほら、今、髪も長いし胸だってあるし声も違うし無理だよ」

「大丈夫、お母さんそういうの得意だから
声は低い声出しとけばなんとかなるわよ」


それから30分後

どこに置いてあったのかショートヘアーのカツラをかぶり
胸にはサラシをガチガチに巻き
少しダブっとした感じの服

「ほら、かっこいいわよ
これで今日のデートはバッチリね」

「・・・・・ムリ〜(汗)こんなの絶対にバレるって(汗)
そうだ身長だってお兄ちゃんより10センチ以上低いんだよ」

「大丈夫、まだ会うの二回目だし
隣に並んでないからわからないと思うわ、後は
適当に何かやらかしてふられるようにしてくれればいいの
あなたそういうの得意でしょ」

「むぅ・・・どういう意味かな(怒)」

「付き合っても長く続かないし
告白されるのにフラレるのもむこうからだって
リクが言ってたわよ」

お兄ちゃんのおしゃべり(怒)

「陽菜すまないね、会社の為にも頼んだよ(涙)」

重すぎるんですけど(汗)

でも・・・やるしかないよね

「わかった、頑張ってフラレてくる」

「さすが私の娘だ!」

「あぁーでも私車運転できないけどどうするの」

「相手は運転手付きの車で来るんじゃないか
待ち合わせ場所指定してきてたみたいだし」

そうなんだ・・・流石大企業の社長さん
うちはお兄ちゃんかパパが自分で運転してるのにね
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