スチームプリズン〜七つの美徳〜「フィン・ユークレース」



●フィン・ユークレース(cv新垣樽助さん)
年齢22歳/身長182cm
【キャラクターテーマ:信念 Faith】
下級警察官。主人公の同僚であり、仕事上のパートナー。
気弱ではあるものの心優しく穏やかな性格。
※他のキャラ五人クリアでルートオープン。






〜ネタバレ〜
(ベストエンド)
幼い頃からの夢である警察官になって、それからずっとパートナーとして共に行動をしている人、それがフィン・ユークレースだった。
フィンはユークレース商会という商人の家の息子で、主人公より年上で高身長だが少し臆病な男だった。しかしとても優しくて穏やかで、主人公の事をいつも大切にしてくれて、毎日家に迎えに来てくれるのが日課だった。そんな優しいフィンとパートナーになれたことは誇りだったし、仕事は順調で、とても充実した毎日を送ってた。
そう、あんな事件が起きるまでは。
主人公の両親が何者かに殺され、なんと主人公はその殺人の犯人にされてしまう。何者かの陰謀に翻弄される中、一番先に主人公の元に現れたフィンはなんと、主人公を庇うために「自分が二人を殺した」と言い、なんと警察官に捕まってしまったのだ。
あんな優しいフィンが両親を殺すはずがない、これは自分を庇うための嘘に決まってる。そう確信する主人公だったが、フィンの決意は変わらず、公開裁判の際に自分が犯人であると証言しただけではなく、なんとフィンは「自分は主人公を愛している」と言った。上界では自由恋愛が禁止され、それを破ったものは重罪だと下界に落とされる。殺人と愛、その二つの罪を認めたフィンに猶予などなく、下界堕ちの判決はすぐに決まった。
衝撃の言葉を発したフィンの真意が確かめたく、主人公は無理を言い、下界に落とされる前にフィンに会うことにした。フィンはやはり殺しはしていなかったが、愛するあなたのためなら罪をかぶっていいと、愛していることは否定しなかった。
自由恋愛が禁止される場所で生まれて育った主人公は、疑いもなく真っ直ぐに生きていたため、フィンが言う愛が分からず混乱する。フィンはたしかに大切で、でも今までそんな風に特別には思ったことがなかったから。
けれどフィンはそれでも良かったと、この想いは永遠に隠しておくつもりだったと言う。けれどあなた以外に感じることのないこの胸の痛みとときめきと、大切で愛おしい子の気持ちを、恋以外とは思えないから自分は裁かれて下界へ行くと言ったのだった。
結局、フィンは罪をかぶったまま下界へ行った。モヤモヤとする気持ちを抱えたままの主人公だったが、やっぱりどうしてもフィンの事は大切だと思った。だからこそ本当の犯人を探し出し、フィンを助けると決意したものの、なんと主人公は警察官の職を剥奪されることになった。
そう、警察官のパートナーの片方が何か問題を起こした場合、もう一人のパートナーは保護地区のHOUNDSへの移動が決まっていたのだった。その事実は警察官達には明かされていないため、主人公ももちろん知らないシステムだったが、どう足掻いたところで事実は変わらないと、自らの足で主人公もまた下界へ行くことになるのだった。
下界の保護地区に着いてからはイネスのおかげで無事にHOUNDSの一員として迎えられたが、HOUNDSの仕事は警察官と違い危険が伴った。保護地区は喧嘩や殺しはしょっちゅうだし、荒れていて、HOUNDSの横暴な行動で人は怯える。特にリーダーであるザクセンは権力と力で人をゴミ扱いし、気に入らなければすぐに人を殺した。そんな中でも誇りだけは無くさないようにと、主人公は精一杯勤めようとする。
そんな日々が続くが主人公は野蛮な男達に襲われ、殺されそうになってしまう。三人がかりで襲われたためこのままでは死んでしまう‥そう思った時なんと男達をあっという間に斬り助けてくれた人が現れた。それはなんと、フィンだった。
久しぶりに会えたフィンはなんだか以前の雰囲気と違っていて、強くて男らしい感じがした。不自由なく暮らしていた上界から落とされ、下界で一人で生きてきたせいなのか、とても頼れる感じがした。
そしてやっと会えたことに喜ぶと主人公に、フィンは保護地区の事を色々教えてくれた。そしてフィンの家を紹介してもらい、今は器用な手を活かし、壊れたものの修理をしたりしてお金を稼いでいると教えてくれた。しかし主人公がHOUNDSになったのが自分のせいだと知るととても落ち込んだ様子だったが、主人公は結局逆になっても同じ事だったと、自分のせいでフィンを巻き込んでしまった事を申し訳ないと謝った。
漸く探していたフィンに会えた事で少し希望が出た主人公は、仕事がないときにフィンの家を訪れた。ザクセンに目をつけられて配給が貰えなかったフィンに自分の食べ物を差し入れなどして、助けたいと思っていた。しかしフィンはそんな主人公に対し、もう来ないでほしいという。ショックを受ける主人公に対し、自分の罪を忘れたわけじゃないでしょう?と問う。フィンは期待をしてしまうと言った。愛していると言ったのに、こうやって自分の元に来てくれるあなたに対して期待してしまうと。愛が分からなくて戸惑う主人公にフィンは、だったらわからせてあげますよと、主人公を抱きしめてキスをした。口内に侵入してくるフィンの舌に自分の舌を絡め取られると、恐怖を感じると共に体が熱くなった。
口を離したフィンは、ずっとこうしたいと思っていたし、ずっと触れたいと思っている、そう思うのが愛だという。だからこれ以上何もされたくなければ帰れというのだ。
しかし主人公は、ここはもう自由恋愛が禁止されている上界ではないと自分に言い聞かせ、フィンのことがやっぱり大切だから、フィンがいう愛を自分なりに理解していきたいと、これから知っていく努力をするといった。驚くフィンだったが、前のような優しい笑顔で、そっと主人公を抱きしめてくれたのだった。
それから二人はちょくちょく会うようになった。フィンはあれ以来無理矢理キスをする事は無くなったが、愛を告げる事を隠さなくなり、主人公の手の甲や髪にキスを落として微笑んでくれた。フィンが修理屋という自分の店をオープンさせたお祝いの時に、酔って転びそうになった主人公を支えてくれたフィンが抱きしめてくれると心臓がドキドキと鳴ったし、そのままそっとフィンの胸に顔を寄せるとフィンからも同じくらいドキドキという音が鳴ってて顔が赤くなった。
しかしそんな甘い雰囲気の中、ザクセンが女を襲おうとしている場面に合い、主人公は女を助けようとしてザクセンに歯向かってしまった。そのせいで主人公はHOUNDSの職務停止となり給与が与えられなくなってしまう。更にザクセンの嫌がらせは続き、フィンの店に難癖をつけ、フィンを殺そうとした。フィンを助けようとした主人公だったが、そのときなんと見知らぬ少年が主人公とフィンを助けてくれたのだ。煙幕みたいなものでザクセンの目を誤魔化し、主人公とフィンを壁の外の下界「リベラリタス」へ連れて行く。その少年はウルリク・フェリエと言い、情報屋だった。更に雇い主であるエルトクリード・ヴァーレンティンの所へ連れて行ってくれた。
エルトクリードはリベラリタスで銀行取締役をしているお金持ち。そんな彼はリベラリタスで地位があるため命を狙われやすく、主人公を護衛として雇いたいと言った。もはやザクセンにも目をつけられ、HOUNDSには戻れない主人公は悩みながらもフィンの後押しのおかげで、エルトクリードの護衛として生きることを決意した。更にエルトクリードはフィンもリベラリタスに住む許可をくれ、二人はとりあえず一晩エルトクリードの屋敷に泊まることになった。
変わり者のエルトクリードの変な気遣いで、二人は同じ部屋に泊まることになった。ベッドが一つしかないため主人公は軽く「一緒に寝よう」とフィンを誘う。そして背を合わせて二人で寝ると、主人公はフィンの背中の温もりを感じ、フィンの事を沢山考えた。
背中から伝わる優しい温もりはいつも自分を見てくれる優しい温もり。なのに自分より肩幅も広くて、体も大きくて、そして保護地区にきてから男らしくて頼りになった。いつも一番に自分を大切にしてくれるフィンを、大切だと思う。
そう思った瞬間、何故か背中に触れていることにドキドキし、緊張してきてしまう。そしてやっと気付いたのだ、それが恋なんだと。
フィンの事が好きだとすぐに口にしてあげればいいのだろうけど照れて言えない主人公は、横になっているフィンに近づき、頬にキスをした。眠れない時母親がよくこうやってくれたんだと言って誤魔化したけど、フィンは驚いて寝付けない様子だった。
そして次の日エルトクリードは自分が持つ家の一つを二人に貸してくれると言った。案内された家は家具までも用意され、エルトクリードの好意にありがたさを感じた。これから二人で暮らすこの素敵な家。上界から保護地区へ、そして保護地区からリベラリタスへ。そんなめまぐるしい中でも二人はずっと一緒にいた。
二人きりになるとフィンは跪き主人公に「俺と結婚してください」と言った。主人公が自分を好きではないとわかっているけど新たな土地で変わらない愛を宣言したかったからだと。だからまだ答えは今はしなくていいと。しかし主人公はもうフィンが好きどからこそ「何故今じゃなくていいんだ?」と聞き返す。驚くフィンに好きと言いたいのに言えない主人公はあの時フィンがしてくれたことをすれば気持ちが伝わると思い、フィンの肩に両手を掛け、唇に口付けた。驚くフィンを床に押し倒して馬乗りになると、前にフィンがしたように彼の口内に舌を入れて気持ちをぶつけた。
ようやく口を離し、今度こそ「好きだ」と言うことが出来、フィンも「愛しています」と、ずっとそばにいてくださいと抱きしめてくれたのだった。
エンドロール後は、結婚して一年の記念日にフィンがお祝いに大好きなハンバーグを焼いていたが、主人公は記念日の事をすっかり忘れていていた。気にしていないというフィンだったが気落ちしている雰囲気がひしひしと伝わり、申し訳なく思った主人公はフィンに「なんでも好きな事をしてやる」と言う。フィンは「あなたと寝たい」と言ったが主人公は寝る事を添い寝だと思っており、まさかと思ったフィンが「赤ちゃんはどこから来るか知ってますか?」と尋ねると主人公は「神官院」だと答え、フィンは衝撃を受けた。
赤ちゃんが勝手に運ばれてくると思ってる主人公に、「寝る」ことは「抱きたい」ということだと伝えると、最近エルトクリードの護衛となってそういう不謹慎な言葉の意味を知り始めた主人公は意味がわかって赤くなる。そしてフィンは主人公を自分の膝に乗せ、愛しているからこそもっと触れたいしその先に行きたい事を話してくれる。いつも穏やかで優しくて大人しいのに、こうやってたまに男の顔をするフィンに、主人公はやっぱりドキドキして身を委ねたい事を伝えると、フィンは「あなたは俺の希望です」と愛を伝えてくれるのだった。

(スチームプリズン〜七つの美徳〜)



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