スチームプリズン〜七つの美徳〜「エルトクリード・ヴァーレンティン」



●エルトクリード・ヴァーレンティン(cv白井悠介さん)
年齢25歳/178cm
【キャラクターテーマ:救恤 Charity】
下界にある『リベラリタス』地区を支配する
ヴァーレンティン銀行の頭取。
誰に対しても敬語を使い、紳士的な態度で接する。
軽口をたたくことがしばしばあるが、地区住民からは信頼されている。 下界出身だが上界へ憧れを持っている




〜ネタバレ〜
(ベストエンド)
保護地区へ落とされ、なんとか生き延び仕事を探し始める主人公。そんな主人公の所にウルリクと言う少年が現れ、主人公を雇いたい人間がいると伝えられる。その雇い主こそが、エルトクリード・ヴァーレンティンだった。
エルトは保護地区の外にある下界の地区の一つ「リベラリタス」の代表である男。若くしてトップに立つエルトは銀行の頭取であり、なにもかもに自信に満ちている男だった。そんなエルトは以前主人公が視察で下界に来た際、ザクセンと剣を合わしていたのを見ていたと言う。しかもその時の主人公の剣に一目惚れをし、自分の護衛となる騎士として主人公を雇いたいと言うのだった。
今まで女の警察官ということで人々からは非難されていた主人公だったが、そんなことは気にせずに自分の剣を認めてくれた事がとても誇らしく嬉しかった。だから主人公はエルトを護る騎士になる事を決め、その仕事を引き受けることにした。
エルトを主人と認める主人公は、騎士のように跪き、エルトの盾となり剣となると誓った。その姿を見たエルトは感動し、興奮して更に喜んでくれた。
その後、保護地区からリベラリタスに移り、エルトの屋敷で暮らすことになったのだが、エルトはとても変わった人間だった。ウルリクは「変態」や「変人」などと呼ぶし、他には「女殺し」などという言葉も付け足した。上界と違って自由恋愛が許される下界で、エルトは存分に恋を楽しんでいるようで、来るもの拒まずたくさんの女性と関係を持っているようだった。そして主人公にも、今はもう自由であると、このリベラリタスで恋をしてみないかと甘く囁いた。
冗談なのか本気なのか分からない言動が多いエルトは主人公を惑わせ翻弄した。そして慣れないときめきに、主人公は困惑した。
そんな日々が続き、真面目な主人公は仕事を全うしようとエルトの護衛をしっかりやっていたのだが、下界では実は銃が主流であり、剣は古いものとされていた。そのため本当に悪党がエルトの命を狙ってきた時も、主人公が抜刀する前にエルト自身が銃で悪党を撃ち殺してしまった。銃の威力に圧倒する主人公は、それならば何故剣しか使えない自分を護衛なんかにしたのかと疑問に思うと、ウルリクに「エルトみたいな上流階級のやつは連れている物はアクセサリーなんだ」と言った。そう、女で騎士、そして上界出身の主人公。その肩書きが彼のアクセサリーであり、護衛なんてのはただの口実であり、本当はそこにいるだけでいいのだと実感してしまう。自分の剣を認められて仕事になったのだと思っていた主人公はショックを受け、どうにかエルトに必要とされる自分だけの何かと居場所を探していた。
数日住んでみてリベラリタスはとてもいい所だった。上界と変わらないどころか、むしろこっちの方が活気があって人は自由で街は発展している。そんなリベラリタスでエルトに可愛がられ自由に美味しいものを食べて綺麗な部屋で眠る事が、当たり前になる事が怖かった。両親を殺した犯人を見つけなくていいのか?真相を知るために上界に戻らなくていいのか?そんな思いが主人公の頭からは離れなかった。
しかしそんな思いを打ち消すかのようにエルトは相変わらず優しかった。主人公に愛を囁き、自分を好きになってほしいと言う。そして愛を教えるために、主人公にキスまでした。
エルト自身、最初は小さい頃から憧れていた「騎士」にピッタリな主人公を気に入っていただけではあったが、主人公と過ごすうちに主人公の純粋さや高貴さ、その真っ直ぐな生き様と美しさに惹かれ、冗談で口説いていたはずなのにいつしか本気になっていると気づく。誰からも愛され、憧れの眼差しを受けるエルトは、自分から誰かを愛すると言う事を初めて知ったのだ。
そんな二人が信頼関係を深め、心が繋がっていくのは時間の問題で、主人公はエルトに対するこの気持ちがなんなのかは分からないものの、大切な存在だと言うことは間違いないと思っていた。
そしてある日、エルトと主人公は銀行の帰りにディナーをしていた。エスコートが上手いエルトにご馳走になり、夜も更け、暗い夜道を二人で帰る。エルトは今宵だけでも自分の大切な女性になってほしいと言い、主人公から自分にキスをしてほしいと頼んだ。以前エルトはキスをする場所によって意味が違うと言っており、それを教えられていた主人公は今の本当の気持ちを表すためにエルトの唇にキスをした。熱のこもったキスにエルトは胸を焦がし、主人公もまた胸のときめきに震えた。しかしそんな甘い二人のそばに、一人の男が現れた。主人公の名を呼ぶその声は忘れもしないあの大切な人の声。
そう、怒りを満ちた表情でそこに立ち尽くすのは、なんとフィンだった。
上界での主人公の大切な警察官のパートナーであったフィン。彼はなんとHOUNDSになっていた。理由は警察官のパートナーの一人が罪で下界落ちした時、なんとその片方のパートナーは警察官という職を剥奪され、HOUNDSにならなければならないという規則があったのだ。もちろん知らなかった主人公は驚くが、それ以前にフィンは怒りにあふれ、なんとエルトに斬りかかってきた。
フィンは主人公を愛していた。だからこそHOUNDSになり辛い日々を送っていたがいつか主人公に会えるだろうと耐え、ずっと探していたのだ。しかし見つかったというのに眼に映るのは下界の男と情熱的なキスをする姿。それをみて冷静でいられるはずはなく、エルトの背中に斬りかかり大きな傷を残した。
幸いエルトの部下たちが現れたためフィンは逃げていったが、フィンの剣には毒が塗ってあったため、エルトの怪我は中々治らず家で絶対安静を強いられてしまった。
しかもHOUNDSであるフィンがリベラリタスの代表を襲ったという噂はどんどん広まり、上界と下界の関係は一触即発になってしまう。そのため責任を負わせられたエルトは、他の地区の代表に自害まで要求させられエルトは実行しようと決意までしたが、主人公が生きてほしいとエルトに決闘をしてまで説得し、一緒に生きてこれからのことを考えようと納得した。
しかしエルトはリベラリタスの代表を辞めさせられ、そのせいでリベラリタスはどんどん荒れていった。更にテンペランティア地区代表のノイエ・テンペランスが裏で手を引き、リベラリタスに暴動を起こしていた。若く力を手に入れたエルトを昔からよく思っていなかったノイエは自ら暴動を起こし、それを自分が解決したように見せかけ、リベラリタスを自分の領地にしようとしていたのだ。しかしそれにいち早く気づいたエルトはなんとHOUNDSと力を合わせ暴動を止めることを決意。ザクセンに頭を下げ、HOUNDSはリベラリタスの治安に力を貸してくれたのだ。
主人公もまたHOUNDSと共に街を走り抜けるが窮地に陥ってしまう。しかしそのにフィンが現れ、主人公の盾となり助けてくれた。そのお陰で主人公は助かったが、代わりにフィンは命を落としてしまった。一度はエルトに剣を向けたフィンだったが、本当に主人公を愛し幸せを願っていた。そして主人公もフィンが大切だった。その命を無駄にしないために主人公はまたザクセン達と共に戦った。
結果、暴動は収まり、ノイエの計画は失敗。ノイエへの牽制もし、これからリベラリタスに手を出さないように脅した。
エルトはこれから先、保護地区とHOUNDSと友好関係を持ち、交流していくことを宣言。苛立つザクセンをも饒舌でまくエルトに、主人公達は微笑み平和が戻った。
落ち着きを取り戻した街で、主人公はフィンの最後だった場所へ訪れる。ついてきたエルトは花束を備え、惜しい人を亡くしたと弔ってくれた。斬られたにも関わらず、死を惜しむエルト。若くして地位を確立し、傲慢で自由かと思えば本当はいつも全ての人のために尽くしている存在。そんなエルトを誇りに思い、支えていきたいと強く思った。
エンドロール後は、数ヶ月後の二人。無事に代表に戻れたエルトは保護地区とリベラリタスを繋ぐ「列車」というものの開発に忙しくしている。それがなんだかよくわからない主人公だったが、楽しそうにするエルトの横顔を見ると幸せだった。しかしエルトは毎日好きだ、愛している、結婚してくれ、と主人公を口説いているのに主人公はまだ一度も好きと言ってくれないと怒っていた。主人公はエルトが常に愛を注いでくれることで満足してしまい、中々口にできずにいた。そんな主人公の前に跪くエルト。そして手を取り、守られるだけではなく貴女を守る騎士になりたい、貴女は私の女王様、と手の甲に誓いのキスをしてくれる。そして愛していると微笑む。その言葉に主人公もまた「私も愛しています」と素直に言えるのだった。
ようやく愛を伝えてもらえたエルトは嬉しさで朝までベッドで愛を育むと宣言し、主人公をお姫様抱っこする。その行動にやっぱりまだまだドキドキさせられっぱなしだと思うが、幸せだと思えるのだった。


(スチームプリズン〜七つの美徳〜)



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