オルフレール〜幸福の花束〜「フィル・カーター」



●フィル・カーター(cv佐和真中さん)
カーター家の嫡男。カーター家は代々リード家に仕えている家系で、フィルも年の近いアデルと親友のように過ごしてきた。大人になってもアデルを支えるべくヴァルト騎士団に勤めており、副団長をしている。物腰柔らかいようでいて笑顔が怖い言葉を発する。







〜ネタバレ〜
(ベストエンド〜恋が始まった場所で‥〜)
アデルに命を助けられ、リード家でメイドをすることになった主人公は、アデルの専属メイドとなった。その為、ヴァルト騎士団の副団長でありアデルの親友のフィル・カーターとよく顔を合わせるようになった。
フィルもまたカーター家の嫡男であり位の高い存在ではあったが、リード家に仕える家系であったためアデルのために常に動いていた。何よりアデルを一番に優先する彼からしたら主人公の存在は認められるものではなく、アデルが主人公に懐いているのが気に食わなかった。そのため、主人公には笑顔でもトゲのあるような口調で話すことが多かった。
そんな時、アデルが主人公を本当に好きになってしまい、主人公に猛アタックをしてきたことで屋敷のメイドたちから勘違いされ、主人公がアデルを誘惑してると噂されてしまう。そのため主人公はアデルの専属を外すという話になるが、アデルがそれを機会に、自分の代わりにフィルの世話をしてほしいと言い出した。
主人公が盗賊団にまだ狙われていることもあり、アデルは主人公を守りたいが専属を外されては守れない。そのため、フィルを主人公の護衛に付けるためにしばらく屋敷に留まらせるというのだ。しかしそれにはもう一つの理由があった。フィルを監視してほしいという頼みがあったのだ。親友を疑いたくはなかったが、フィルの行動が最近おかしいと感じるアデルは、内部の情報が漏れている事と関係してると思っていた。
そして、主人公の監視の仕事が始まった。しかし主人公の監視行動は子供のような可愛いものでフィルにすぐにバレてしまう。けれどフィルはそんな素直な主人公がおかしくて気づかないふりをしつつ、からかっていた。そんな日が続くと、フィルはすっかり主人公に気を許すようになっていた。純粋で可愛らしくて優しくて頑張り屋の主人公、そんな姿をずっと見ていて情が移ったのかもしれない、そんな風に思うがフィルにはやらなければならないことがあった。
それは主人公を暗殺すること。
内部の情報を漏らしていたのはやはりフィルだった。フィルは王政のやり方に疑問を感じ、反逆軍であるレジスタンス創立グループの一員であった。そのため機会を見て謀反を起こすためにスパイとしてヴァルト騎士団にも所属していたが、余りにもこの居場所に馴染みすぎていた。アデルや騎士団の仲間たちが大切になってしまっていた。そしてレジスタンスから派生した盗賊団に襲われた主人公も盗賊団の顔と、レジスタンスの象徴であるペンダントを見られているために殺せという命令が来ていた。
むかしのフィルならもうすでに殺していたはず、けれど長く一緒にいすぎた、もう主人公を殺せないという気持ちが生まれる。
そしてフィルがそんな葛藤をしている頃、主人公はフィルの優しさを感じていた。意地悪だけど最近は笑顔を見せてくれるようになったフィル、そして両親が死んで悲しむ暇がなかった主人公に「泣いていい」と抱きしめて慰めてくれたフィル。そんな彼を好きになっていた。
しかし主人公はフィルの部屋であのレジスタンスのペンダントを見つけてしまった。やはりアデルが睨んだ通り、フィルはレジスタンスの一員なのかもしれない、そう思った主人公は本人にちゃんと訳を聞こうと思った。
そしてフィルにその事を尋ねるとフィルの口調は「僕」から「俺」に変わり、豹変する。自分がレジスタンスだったらなんだというのか、それはアデルのためを思っているのか?と。みんなアデルが大好きで、誰も彼もアデルばかりを見ている、主人公もまたアデルを好きなんだろう、と、物凄い剣幕で主人公を責めた。そんなフィルの姿に、ああ、彼はずっと二番目でいることに傷ついていたのかと思った。かっこよくて強くて家柄もよく性格もいいアデルのそばにいて、いつもアデルを通して見られる存在、それがフィル。その重圧で心が折れてしまったのかもしれないと思う主人公は、大声で叫んだ「私が好きなのはフィル様です!」と。
驚くフィルは「本当に?」と何度も主人公に尋ね、そして強く抱きしめる。更に首筋に唇を落とし、吸い付いたり噛み付いたりし、何度も好きかと確認した。噛みつかれる痛みはとても痛かったものの、この人に気持ちを伝えるにはこの行為から逃げては行けないと思った主人公は耐え続け、フィルを受け入れた。するとフィルも主人公を好きだと言ってくれた。
それから恋人同士になったものの、二人の関係は秘密で、夜になるとフィルがただ主人公の部屋へ来て体を重ねる行為だけが続いた。その行為に愛があると思えるものの、何度好きだと伝えてもフィルは「僕もですよ」というだけではっきり「好き」とは言ってくれなかったため、不安は募っていった。
一方フィルの気持ちはどんどん大きくなっていた。本当は主人公を愛してしまったが、まだ迷いがあった。迷いに迷ってちゃんとレジスタンスを抜けようと覚悟したが、そんな時に限ってレジスタンスから通達が来てしまった。攻め時はきた、あの女を殺せと。
もう主人公を殺せるわけがないフィルはついに、アデルの部屋へ行きアデルに本当のことを話し、協力してもらうことにしたのだった。本当の話を聞いたアデルはもう気付いていたようで、フィルの力になると言ってくれた。偶然居合わせた主人公もフィルの正直な気持ちを聞き、安心できたのだった。
翌日、フィルは主人公の目の前でレジスタンスのペンダントを壊し、「レジスタンスのフィルは死にました」と言って主人公を抱きしめ、愛していますと言葉にした。レジスタンスを裏切ったことで狙われると思われるフィルはアデルの命令でしばらくリード家に監禁するという名目で、主人公の護衛をしろと命令された。ようやく本当に愛している人に愛してると言える喜びを感じ、主人公を強く強く抱きしめたのだった。
エンドロール後は、騎士団のおかげでレジスタンスも鎮圧化された様子。そんな中毎日愛し合う主人公とフィルだったが、朝方にそっと部屋を抜けるフィルを主人公は追い掛ける。するとフィルは主人公を初めて抱きしめて慰めてくれた場所におり、不安な顔をしていた。幸せすぎる今、逆に不安になるという。想いが通じ、叶ってしまったらあとは終わりが来ることを怖く感じるというフィル。それに対し主人公は微笑んで「終わりが来たらまた始めればいい」と言った。永遠に愛してると言い続けてあげますという主人公に、フィルの不安は消え、死ぬまでではなく死んだ後も愛していると誓ってくれるのだった。

(グッドエンド〜ただいま〜)
↑のエンドからの分岐。
レジスタンスの事を話し、アデルに協力を求めた後、フィルはレジスタンスに戻ると言いだす。主人公を守るため、組織を潰すため。離れていても二度と会えなくてもずっと貴女だけを愛していると言ってキスをし、フィルは去ってしまう。絶望する主人公の元へアデルがやってきて、フィルを連れ戻すから待ってて欲しいと言い、アデルもまた行ってしまった。
エンドロール後はその二年後。
ずっとリード家で待っていた主人公の元へ二人がやっと帰ってくる。喜びでフィルに抱きつく主人公に開口一番「浮気はしてませんか?」と言ういつも通りのフィル。レジスタンスを内部から破壊し、もう心配はなくなったと教えてくれた。そして自分の全てを主人公に捧げると言って愛を誓ってくれたのだった。

(オルフレール〜幸福の花束〜)



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