遙かなる時空の中で4「遠夜」



●遠夜/トオヤ(cv高橋直純さん)
18歳。独特の文化を持つ「土蜘蛛」と呼ばれる異民族の青年。呪術的な歌声を持ち、「妖《あやかし》」たちと意思を交わすことができるため怖れられている。森の奥で人々と関わりを避けて暮らしていた一族のため、人付き合いが上手ではないが純粋な心の持ち主。







〜ネタバレ〜
土蜘蛛と呼ばれる異民族の遠夜は、急に主人公の目の前に現れた不思議な青年だった。
その姿は土蜘蛛たちが着る独特な装束に包まれ、禍々しく、人々に恐れられている。主人公たちの目の前に現れた時も皆不気味に思ったのだが、主人公だけは何故か違った。土蜘蛛である遠夜の言葉はみんなには聞き取れない言葉だったが、何故か主人公にだけはちゃんと聞こえた。耳を傾け、ちゃんと話しを聞いてくれる主人公に対し遠夜は一生懸命想いを伝え、主人公を崇めた。不思議な力を持つ遠夜はきっと主人公の力になれると思い、主人公と共に旅に行きたいと申し出、主人公は笑顔でそれを受け入れてくれた。
遠夜は人が聞こえないものが聞こえ、そして頑丈な体を持っていたため、やはり何度も主人公の手助けをしてくれた。見た目が不気味ではあったが、主人公はそんなことは気にしなかった。
しかしある夜、とても美しい歌声を聞いた主人公。その声を辿り外に出ると、そこには美しい青年が美しい歌を歌っていた。その歌声に聞き惚れると、主人公に気づいた青年は慌ててそばにあった装束を掴み身を包む。そう、その美しい青年はなんと遠夜だったのだ。驚く主人公に対し、姿を見て怖がっていると勘違いした遠夜は「ごめんなさい」と謝った。誤解を解く主人公は、むしろみんなの前でも装束を被らない方がいいと言った。本来土蜘蛛は人前で装束を脱ぐことはなかったのだが、主人公が遠夜の本来の姿を見て嬉しそうに笑うのが嬉しくて、遠夜はそれを承知した。
それから遠夜は本当の姿でみんなの前にいることになったが、みんなもやはり全然違った雰囲気にいい意味で驚いていたが、本人はやっぱり自分の姿が怖いから驚いているのだと勘違いしていた。
そんな遠夜と旅を続ける中、主人公と遠夜が二人でいるときに偶然山賊に襲われてしまう。山賊は金目のものを置いていけといい、更に主人公をいやらしい目で見ると、主人公のことも置いていけと言った。その言葉に憤りを感じた遠夜は「神子を護る」といい、大鎌を取り出し山賊を躊躇なく殺した。純粋な遠夜は、大事だから守り、敵だから殺す、それしか知らない。純粋ゆえの行動であったが、それは間違いだと主人公は必死に止めた。意味がわからない遠夜に、命の代わりはないこと、その人がいなくなったら悲しむ人がいること、そして主人公も悲しいこと、それを伝えると遠夜は少し何かに気づき、攻撃をやめた。
その後もなにもわからない遠夜だったが、主人公のことなら知りたいと思えるようになった。主人公が読んでるものを読みたくて、読み方を教わった。自分の名前の「遠夜」という字を読んであげたときの遠夜の笑顔はとても可愛らしく胸が暖かくなったし、主人公の名前も書いて欲しいと笑う姿もまた、胸が暖かくなった。
しかしそんな時、主人公と遠夜は土蜘蛛の秘密の土地を見つける。そしてそこで同時に頭が痛くなり、遠い昔の記憶が流れ込んできた。それは遠夜にそっくりな美しい男性が、主人公にそっくりな姫を抱きかかえ泣いている場面。どうしてワギモが死ななければならないのかと、お前を助けられないならば言の葉はいないと嘆く。その記憶は、遠い昔の初代の姫の記憶だった。国の危機に立ち向かい、国を救うも自らの命を犠牲にした初代の姫は、遠夜に似た土蜘蛛と恋仲だった。
そんな悲しい記憶を見た二人。胸が痛くなると同時に、なんと遠夜が人の言葉を話せるようになった。そのおかげで仲間たちとは更にコミュニケーションが取りやすくなり、より一層仲間として認知され、同時に主人公への気持ちも深まった。ずっとそばにいて、ずっと守りたいと思った。
しかし言葉が話せるようになると小さな神々である妖たちの姿が見えなくなってしまった。不安になり妖たちを探す遠夜の耳に僅かに聞こえたのは最近であった妖の「兎」。兎は遠夜がなぜ自分たちを見えなくなったか知っていた、そう、遠夜は人間になったのだ。
純粋で愛する人に寄り添う土蜘蛛の遠夜は、その心の清らかさにより心も姿も主人公に寄り添い、人になったのだ。だからもう姿も見えなくなり、声も聞こえなくなり、土蜘蛛としての力が使えなくなって行く。主人公のために力を使いたいと思っていた遠夜は戸惑った。
そしてまさにナーサティアとの戦いで呪いを受けた主人公が、土蜘蛛の力じゃないと中々回復しないと言う時、やはり遠夜の力は効かなかった。それでもゆっくりと回復し、主人公は無事だったのだが自分が助けられなかったことがとてもショックな遠夜は主人公に謝り続けると、主人公は「遠夜が人間になってくれて嬉しかった」と言った。これで同じものを見て同じものを感じられる、二人は同じ人間なのだから。その言葉を聞き、遠夜も本当は同じことを思っていたのだと言って抱きしめてくれた。この先もずっと一緒にいる、大好きだからと。
そしてナーサティアとの戦いで平和になったものの、なんと常の世に黒龍が現れ全てを破壊しようとしていた。このままでは国が危ないと、主人公たちは黒龍に立ち向かう。しかし黒龍の力で主人公の意識は無の世界へと飛ばされてしまう。一生懸命主人公を連れ戻そうとする遠夜だったが、人である遠夜の力では黒龍に敵わずどんどん押されてしまう。しかしその時遠夜の背にたくさんの光が現れ、遠夜へ力を注ぎ込んだ。そう、それらは見えないものの確かにいる、あの小さき神々たち。我が友に、力を貸そうと言うたくさんの神々たちにより力が増幅する遠夜は仲間と共に黒龍を討ち取ったのだった。
そして遠夜の声で目がさめる主人公。目の前には涙を流す遠夜が「なんで涙が出るのだろう」というと「人は嬉しくても泣くんだよ。今の私のように。」と言葉を返し抱きしめあった。
エンドロールの後は、平和になった中つ国を再建するために王になった主人公。遠夜と共に森へいき、妖が見えない遠夜に見えなくてもそこにいると微笑む。すると遠夜も微笑んで、見えなくても変わらない、俺がお前を大好きなようにずっと変わらないと言った。


余談ネタバレ。
◯遠夜は過去にアシュヴィンと過ごしたことがある。アシュヴィンが幼い頃病にかかり、それを治したため未だにお互いをわかっていた。
◯トオヤの名前の漢字は本当は土蜘蛛の族の中で十八番目の実力があるから「十八」という名前だった。「遠夜」は主人公が勝手につけた。

(遙かなる時空の中で4)



前のページへ 次のページへ


元カレたちのストーリー (prof) (bkm)

-エムブロ-