人間が人間らしく発達していくために必要なものは、人が生まれながらに持っている素質と乳幼児期の周囲の環境にあると言われています。
人が生まれながらに持っている素質とは遺伝のことです。
周囲の環境とは、周囲が働きかけてくる力であったり、学習環境のことを指します。
周囲の環境がいかに大事であるかは、「アヴェロンの野生児」や「オオカミ少女」の事例からヒントを得ることができます。
アヴェロンの野生児の事例は、19世紀の南フランスのアヴェロン川の流域の森で発見された少年の事例です。
保護された時は推定年齢12才だったのですが、その後は、六年間にわたる教育を受けましたが、話し言葉を修得できませんでした。
オオカミ少年は、インドでオオカミの穴に出入りしていた二人の子どもの事例です。
保護された時は、一人は推定2才でアマラと名付けられ、もう一人は推定8才でカマラと名付けられました。
アマラは一年後になくなりましたが、カマラは9年間生存し、人間らしさを取り戻すことに成功したそうです。
しかしながら、言語の習得は困難だったと言います。
これらのことから、生まれた時からのコミュニケーションが言語の習得には欠かせないことが考えられます。
発達心理学では、このような人間の発達について研究していきます。
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発達心理学
人間を育てるうえで欠かせない学問といえるでしょう。