かみ頼み
2018年6月5日(火)
09時01分
駅の階段おりてたら
いきなり髪の毛を鷲掴みされて下に引っ張られる
と同時に、女の人のきゃあっ、という悲鳴が近くで聞こえた
通り魔か、と最悪のシナリオを思い浮かべたら
なんてことない
女の子がコケたのだった。
あたしがスニーカーだったので、その場でかなり踏ん張ったのと
前に男の人がいて、彼の背中かなにかがストッパーにもなってくれて
結果女の子はバランスを崩した程度で済んだ。
女の子はとにかく謝ってくれた。
黒髪の女子大生。
清純そうな、
でもデカ目カラコン、つけまびっしー!で、髪も意図的な黒髪みたいな子。
流行をちゃんとおっているから個性の主張がなくて、でもそんなあざとさが隠しきれてなくて、ゆえに綺麗すぎないって意味で、こどもっぽくて可愛いかった。
もうこういう年齢の人と会うこともないからね。
不思議な感覚だった。
お互いに衝撃的すぎて
すみません、本当にすみません
と
大丈夫です、大丈夫ですか?
をただただ繰り返す。
お互いに肩や腕に軽く触れたままやりとりした。
女の人ってどうしてこうやって絶妙なタッチをするんだろう。
私にはできない。
私はブラウスの上に薄い綿パーカーだけど、彼女は半袖だったから、生腕で、ふと触れて、それを知って、あ、ごめん、となった。
でも彼女はそんなことは一切構わず
強調された目をキョロキョロ動かして、私の目を右左と確認していた。
私がどう思っているのか、許してくれるのか、その答えを探すように。
びっくりしたけど
どちらかといえば彼女の方が心配だった。
あれこれ聞くのは迷惑というか気を遣わせるかなとか思って
大丈夫の肯定文と疑問文しか言えなかった。
マスクしてるし
不調期だからたくさん発話できないし。
幸いだったのは
昨日安定剤を飲んでいたこと。
これ飲んでなかったら内心でブチギレていたかパニック起こしてた気がする。
感覚鈍化しててよかった。
そう、だからなおさら彼女は困惑したのかもしれない。
本当に怒ってませんか?と。
あのね、髪の毛ひっぱられるとね
脳みそも引っ張られるからね
頭働かなくなるのよ、物理的に。
だから怒ることもできないの。
特に私は。しかも薬残ってるからね。
で、怒ってないしね。
にしても髪の毛で人を救うって
あたしゃおとぎ話の主人公か、
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