生存確認
 虎伏(呪術廻戦)
 2018/11/19 01:01

「アンタそれ、即答しなかった時点で答え出てるでしょ」

「今悩んでるって事自体が答えじゃないのかなぁ」


…どいつもこいつも同じ事言いやがって。解ってるんだそんな事は。

虎杖から、オマエが好きだと言われた。予想外の言葉に固まって何も言えなかった俺に、今答えてくれなくていいよって、寂しそうに笑いながら虎杖が告げた。
それが1週間前。この1週間、虎杖は告白以前と変わらない距離感で俺と接してくれている。ただ、俺に向ける視線の意味を、俺が知ってしまったというだけ。
あれも。これも。俺を好きだからこその行動や発言だったんだって、知ってしまった。
そのいたたまれなさったらない。
虎杖に何をされてもむず痒くて、虎杖は何も変わらないのに、俺だけがおかしくなっている。
見かねた釘崎と五条先生にそれぞれとっ捕まって、それぞれに事情を聞き出されて、それぞれから賜った有り難いお言葉が冒頭のふたつ。

解ってるんだ。そんな事は。

その場で有り得ないと言えなかった時点で、俺は、虎杖の事が好きだって事なんだ。
だからってどうすればいい。1週間でこんなに、当人どころか周辺の人間にさえ気付かれる程挙動不審になる俺が、虎杖に何を言えるっていうんだ。
俺も好きだなんて言えない。虎杖の気持ちを知っていながら1週間も何も言わずただ傍にいた最低な俺が、今更そんな事を言える訳が。

今日も、虎杖は俺に笑いかける。
俺は、どうすればいいんだ。


「虎杖は気付いてると思うけどね」
「ニブチンは恵の方だったかぁ」

c o m m e n t (0)



[ 前n ]  [ 次n ]
[ 購読 ]/[ TOPへ ]




-エムブロ-