話題:父親


父と母は一回り年が違う。
友達の父親よりもずいぶん歳が上で、若いパパがいる子からするとおじいちゃんくらいにもなる父親が少し恥ずかしかった幼少期。

仕事人間な父は、ほぼ毎日朝から晩まで仕事であんまり家にいた記憶がない。仕事が休みなら休みで、パチンコに勤しむ(笑)


会社の飲み会でベロベロに酔っ払って、その後謎に一人でパチンコ屋行って階段から転げ落ち深夜に緊急搬送されたのはちょうど1年前の話(笑)




口数は多くないのでそんなに饒舌に話したりもしない。けど、冗談言うのは好きで、しょうもない親父ギャグ連発。

言葉にこそしないものの家族が好きで、ひときわ娘が好きで、猫田が大好きすぎてちょっかい出しまくってくるのが「うざい!!!」というのは思春期ならではの感情ですね。

頭薄くてメタボなTHE オヤジ。


去年初めて家を出て、一人暮らしを始めた猫田に、「家帰って来ればいいじゃん」と寂しそうに言った父の言葉は少し胸が痛む。一緒にいればよかったのかな。



父の病気がわかったのは1月の終わりで、猫田に「ちゃんと治療うけるから、心配しなくて大丈夫だから」って口下手なのに言ってくれた。

もともと微熱出ただけでもヒーヒーうるさいほど痛いのも苦しいのも人一番堪え性ないお父さんが、あれから半年間頑張って治療受けてきてくれたのはわたしたちのためだってわかってる。

辛いのも十分すぎるくらいわかるから、「もうさ、治療やめていいかな」と冗談交じりに言ったお父さんの言葉を否定なんてできるわけなかった。



先月誕生日迎えるまで頑張って生きてくれた。

「もういいでしょ」って、喋れたなら言ってたかもしれないね。

うん。充分だよ。
本当に本当に頑張ってくれたね。
辛かったよね。苦しかったよね。
ゆっくり休んでね。


お父さん、27年間育ててくれてありがとう。仕事を頑張ってきてくれて、治療頑張ってくれて、大切にしてくれてありがとう。

結婚式も、孫の姿も見せてあげられなくてごめんね。


お父さん、わたしはいい娘でいられたのかな。

ことあるごとにそうやって思っちゃうけど

「いい子に育ってくれた」
「かわいい子たちだ」
「大好きだよ」

と、口下手なお父さんの言葉はきっと本心に違いないから。


お父さん、わたしもお父さんが大好きだよ。
わたしたちは大丈夫だからね。
心配しないでいいからね。



もうすぐ1ヶ月も経つのにまだひょっこり帰ってきそうに思っちゃうなあ。