早くも(?)暴君大正パラレル第二話でございます。
えっと……これ何話で終わるの?(・▽・)
カッコよく告白する森永くんはいつ書けるの?
それをかああっってなって受け止める可愛い兄さんはいつ書けるの?
そんな先の見えないお話ではありますが、よろしくお願いします。
追記よりどうぞ〜。
※原作とは一切関係ない妄想文です。
※大正時代をモチーフにした、パラレルSSとなっております。そのため、若干家族構成や生い立ちなどを都合よく捏造しています。あしからずご了承ください。
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高永ひなこ先生作「恋する暴君」の感想ブログです。
早くも(?)暴君大正パラレル第二話でございます。
【初戀〜片想い篇】
宗一さんの居室は離れの和室だ。俺の部屋の隣を最初に勧めたのだけど、洋間は使い慣れないし落ち着かないから、という理由で六畳間にいつも引っ込んでいる。それだけでなく、なるべく俺たち家族とは関わらないようにしている風に見えた。
書生とはいえ、彼は家賃を払って住んでいるので、下働きをさせるわけにもいかないし、こちらから積極的に声をかけないとなかなか宗一さんとは話せないことになる。
というわけで、俺はせっせと宗一さんの部屋へ通った。今日も学校から帰って荷物を置き、母に挨拶をすると離れへ向かう。
「宗一さん、帰ってますか?」
「……ああ」
中から低い声がする。俺はうきうきと障子を開けた。
「ただいま帰りました。宗一さん、学校はどうでした?」
窓際の文机に向かって座る宗一さんは、「いつもと同じだ」としか答えてくれない。それでも、一緒の空気を吸っていたくて俺は部屋に留まる。
「学校には慣れたんですね。良かった。……そろそろ、俺にも慣れてくれませんか?」
「なんでお前に慣れなきゃいけないんだ。犬猫じゃあるまいし」
「だってせっかく同じ家に住んでるのに、全然打ち解けてくれないから……」
「俺は部屋を貸してもらってるだけだ。それ以上でも以下でもない」
うう、この素っ気無さ。涙が出そうだ。でも負けない。
「ここに閉じこもりっきりは良くないですよ。ほら、窓も開けましょう。庭が見えますよ」
立ち上がって、文机の前の障子窓を開けると、宗一さんが俺の手を払った。
「余計なことすんな!」
「?どうして?風が入った方が気持ちいいでしょう」
「き、気が散るんだよ」
「気が散るって……別に誰もいないですよ。たまに庭師さんが入るくらいで」
宗一さんの視線の先には、庭と母屋の角しかない。そんなばかでかい敷地じゃないから確かに母屋に人がいれば窓から見えてしまうかもしれないが、そんなに気になるだろうか?一階は居間で、二階は俺の部屋だけど、いつも誰かいるわけじゃないし……。変な宗一さん。
見下ろすと、宗一さんの耳が赤くなってる。なんか意識されてるみたいで嬉しい。
「あ、この人の本。俺も持ってますよ。この間同じ研究者の新刊が出てて……」
文机に積まれた本の著者名を見て、話題を逸らした。それは何年か前に出た学術論文で、学校の図書館から借りてきたに違いない。
「えっ。本当か?」
「ええ、それですぐ買いに行ったら一冊しか入荷してなくて、あとは取り寄せになるって……」
じっ、と俺を見る宗一さんの目が、少し揺れてる。読みたいんだろうなあ。
「そうか。学校で購入するかもしれないな」
「!ちょっと、宗一さん、俺が持ってるって言ってるのになんでですか!」
「お前に借りて汚したり失くしたりしたら大変だから」
「……もう!」
さすがに俺も苛々して、宗一さんの腕を掴んで立ち上がらせた。無理矢理引っ張って母屋へ歩き出す。
「な、何すんだよっ」
「そんなに意地張らなくてもいいじゃないですか!本なんていくらだって見せてあげたいし、あちこち一緒に行きたいし、美味しいもの一緒に食べたいんです!」
俺の部屋へ連れて行って、扉を閉めると、鍵をかけた。滅多に鍵なんかかけないけど、宗一さんが逃げ出さないように。
「お前……やっぱり変だぞ……」
宗一さんがぎらりと眼鏡の奥から俺を睨む。怖いけど怯まない。この人の頑なさも好きだけど、もっと柔らかくなってほしい。もちろん、そんなの身勝手な俺の我が侭だと分かってる。
「変?変なのは宗一さんですよ。ほら、この本、読みたかったんでしょう?読んでいいですよ」
本棚から真新しい本を取り出して、扉の傍に立ったままの宗一さんに差し出す。ぎゅっと拳を握って、宗一さんは頑として動かない。
「意地っ張り……!」
宗一さんを今度は窓際へ連れていき、椅子に座らせた。机に本を置く。
「ここで読めばいいじゃないですか。読み終わらなかったらまた明日来ればいい」
「……分かったよ……」
根負けしたのか、宗一さんはため息をついて本を開いた。
俺はほっとして、ベッドに寝そべって宗一さんを見上げる。ああ、綺麗だなあ。ちゃんと男の人なのに、どうしてもそんな風に思ってしまう。
本に目を落とす切れ長の目を縁取る睫毛が意外に長いのに気付く。顎から首、立て襟の隙間に覗く喉仏。ページをめくる指先……
こっち向いてくれないかな。それから、『哲博』って名前呼んで、笑ってくれないかな……
「……おい。……おい、起きろ」
ゆさゆさ、と誰かが俺の肩を揺すっている。なんだよ、宗一さんと一緒にいるんだから邪魔するなよ……あれ?鍵、かけっぱなしだから、今ここにいるのは……
「えっ。あれっ?」
俺は、目を覚ました。横になっている内に眠ってしまったらしい。
「ったく。なんなんだ、お前は。無理矢理連れてきたかと思えば、寝ちまうし……」
呆れ顔の宗一さんが俺を見ている。
「ご、ごめんなさい。……あの、怒ってます?」
「はあ?呆れてんだよ。別に怒ってねえ」
「良かった……。暗くなってきましたね。ランプつければいいのに」
「もうそろそろ夕飯時だろう。続きはまた明日だ」
「!明日も、来てくれるんですか?」
「お前が自分でそう言ったんじゃねえか。……チッ、訳わかんねえ」
やった!また、ちょっとだけ宗一さんに近づけた気がする。手も握れたし、また明日もここで一緒に過ごせる。
明日はちゃんとお茶を準備しよう。そして、もっと話をしよう。
俺のことも知って欲しい。俺に、もっと興味を持ってほしい。
……そして、好きになってくれたら。男同士だし、夢かもしれないけど……。
今は片想いでも、きっといつか、想いが通じる日が来る。
そう信じて、俺は宗一さんに微笑みかけた。
片思い篇、終。
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前回のコメントでブラック森永の需要が高かったので(笑)、ちょっぴりブラックにしてみましたけどどうですか…こういうのでいいんでしょうか、ブラック森永。
しかし兄さんが頑なすぎて告白までなかなか辿り着けません!プロットは立てたのに〜。
萌え、萌えはどこへ……自家発電、難しいです>PPK様
あ、今回のお話の中で森永くんが自分の記憶を捏造している箇所があります。意図的なものです!突っ込んでくださってかまいませんw
性 別 | 女性 |
誕生日 | 12月14日 |
地 域 | 東京都 |
職 業 | その他 |
血液型 | A型 |
ブラック森、難しいよね。
あたしも今んとこ超えれない壁です(泣)。
でも、ブラック出てたよ。これからもっとすごくなるだろうけど、大正だし(何だそれ?)兄さん心開ききってないから、これくらいがいいよ。
ああ、ここの森も避け飲んで暴れないかなあ(笑)。
それでは
最近、某変態様に影響をうけて
ちょっとおかしなアキノです。
でも、私は純粋な森永君大好きです!
(信じてくださいね〜)
この話はじっくり進めてほしいですね!
頑なな兄さんの心が、だんだん森永君の純粋で一生懸命さに少しずつほぐれてゆく。
この微妙な焦らし具合がよいですね。
次は次は!?とわくわくします。
そして書生の兄さんぴったりですね!
思いつかなかったけども、環さんのイラストを見てこれは!と思いました。
ブラックだけどかわいいです、森永君。
そして設定が細かいです〜スゴイ!
めくるめく大正浪漫(?)素敵でした(^v^)
是非お酒がっつりで語りあいたいです!
ありがとうございました!
この清く正しく美しくの宗一さんを堕とすのは至難の業だと思いますが、
ちょっとずつ距離が近づいていくこのじりじり感がとても好きです。
告白なんてまだまだ先でいいですよ(笑)
森永くんがまだまだブラックになりきってないようですが、
まだ青さの残る森永くんも好きです。
でも段々、漆黒に染まっていくのですね?
その辺も含めて今後の展開楽しみにしてます!
ありがとうございました。
書生さんが好きです。
兄さんは長男なんだな〜。
しっかりしなきゃ。ちゃんとしてなきゃ。
って感じが可愛いです(*´ω`*)
記憶の捏造…(・Д・)
どこだろ。一冊しか入荷してないとか言ってたとこ?
すくなっ!!とは思いましたが…どうでしょう。
この二人がらぶらぶになるところみたいな〜vv
楽しみにしてますvv
ではー☆
いらっしゃいませ♪
私も歴史駄目ですね〜。年表の暗記が好きじゃないです。歴史物を読むのは好きなんですけど。
「愛の嵐」、タイトルは知ってます〜。あれっ?ちょっと前に昼ドラでやってたやつ??と思って調べたらそれはリメイク版でした…。昭和初期みたいですね。
ブラック森永は、どうなんですかね。彼の本質の一部なんですかね。人ってみんな黒い部分も持っていると思うんだけど、過去に受けた傷でそれが強く出てしまう傾向にあるのかな?と。パラレル設定ではそこまでいかないかもです。
お酒か〜。まだ学生だから考えてなかったんですが、それも意識の片隅に入れときますね。
ありがとうございました!
いらっしゃいませ♪
大丈夫ですよ、人間みんな変態ですから〜(フォロー?)
純粋な森永くんが大好きなアキノさん、と……φ(・・)
次もぼちぼち書いております!っていうかなんで最初から始めたんだろ、私w
楽しんでいただけて嬉しいです。環さんに感謝……。
書生さんはほんとに違和感なくて、書きやすいですね。
早く色気のある話も書きたいです(えりょって意味じゃなく)。そして残念な森永くんももっと書きたい。
大正ロマンっていう響きは非常にいいんですけど、抽象的なんで、皆さんのイメージでぜひ補完をお願いします!
ありがとうございました〜♪
いらっしゃいませ♪
清く正しく美しく、大和撫子で日本男児な兄さんがちょっとずつ絆されていくのですね〜。ふふふ。
告白まだ先でいいですか?ちなみに次回軽く山場です(早っ)。山場といえばMr.山場……w
漆黒の森永くんを出したら、今の段階だと書生さんドン引きになっちゃうので出しどころは難しいですね。
それにしてもT森永の皆さんはブラック森永への思い入れが半端ないなと思っているところです……。
次回、もうちょっとお待ちくださいね〜。
ありがとうございました!
いらっしゃいませ♪
ブログ巡り解禁ですか?(・▽・)来てくれてありがとう!
兄さんは長男気質バリバリですからね〜。パラレルでもそこは譲れないですね!
記憶の捏造はですね(もうバラす)、「手を握った」ってところです。手は握ってないよ。腕を掴んで引っ張っただけだよw 都合よく脳が解釈した結果、森永くんの中では手を握ったことになっております。
らぶらぶ、は環さんのイラストで最終形態が見えているので、あそこに辿り着けるよう頑張ります!
いろいろすっ飛ばしていちゃいちゃちゅ〜♪な二人も考えてるんですが、さすがにそれはまだ早い!(頑固親父風)
コメントありがとうございました〜。
以前に読ませて頂いたのですが
今日は隙を見つけてコメに…
今頃ですみません
大/正暴君…やべ…心奪われてる…
本当に自然な感じにお話が出来上がってて
すごいですね〜!
背景って言うかsyuyuさんは書かれる前に
いろいろ調べられてるそうなので本当にすごいですね!
頑なな兄さんが少しずつ森永君に心開いて
行くんですね〜!
本に読みいる書生兄さんとか想像したら
美しくてしょうがないです!
本当にそっとこの恋を見守ってあげたいですね♪
これから森永君のさりげないカッコ良さに
ドキッとか…
期待しまくりですみません…
次作が楽しみです!
ゆっくり連載して下さいね〜!
素敵な作品ありがとうございました!
いらっしゃいませ♪
コメントいただけるだけで嬉しいので!いつでも嬉しいです!ゆずるさんの心、いただきました…!(´∀`人)離さないように頑張らなきゃ〜
調べるっていってもちょこっとネットで見るだけです(笑)。
兄さんの美しさは森永くんフィルターかかってますけどね♪兄さんにもフィルターかかっちゃうのかな〜(´ω`)
フフフン
あとブラックでカッコいい森永くんが書けるかどうかがポイントな気がしますよ……頑張ります!
ありがとうございました〜♪
もう、この2人!なんて可愛いの〜。
ピュアピュアですやん!
森永君の、ここで読めばいいじゃないですか。に激萌え!!いいぞ!押せ!
意地っ張り宗一さんには、押さないと!
はぁ〜。かわゆい(>_<)たまらん。
三話目にも、またコメントしに参ります。
今日はこの辺で。お邪魔しました〜。
いらっしゃいませ♪
森永くんも兄さんもぴゅあぴゅあです!だって環さんのイラストがぴゅあぴゅあだから♪
気付いたら、こいつがいつもそばにいた…ってどこの少女漫画か!っていうのを目指してます。
続きも読んでいただけるんですね!嬉しい〜。
コメントお待ちしてます。ありがとうございました!