先日のリンク記念SSと森永君の初恋SSに続いて、診断メーカーのキスお題ったーから、最後を飾るのは宗一兄さん。
久々に「超」乙女な兄さんになりました。
甘く、いちゃいちゃ。をテーマに(?)書いてみましたが、いかがでしょうか。
※原作とは一切関係ない妄想文です。
※上にもある通り、超乙女な兄さんです。ありえないかも。覚悟の上、お進みください。
ログイン |
高永ひなこ先生作「恋する暴君」の感想ブログです。
先日のリンク記念SSと森永君の初恋SSに続いて、診断メーカーのキスお題ったーから、最後を飾るのは宗一兄さん。
巽宗一さんにオススメのキス題。シチュ:人気のない場所、表情:「赤面」、ポイント:「お姫様抱っこ」、「お互いに同意の上でのキス」です。 shindanmaker.com
【Sweet Afternoon】
春のうららかな日。大学の中庭で、気持ちのいい風に吹かれながら、宗一は煙草をふかしていた。昼食後の一服はうまい。
森永が買ってくるコーヒーを待ちながら、ぼんやりと立ち上る煙を見上げていると、近くの学生の話し声が聞こえてきた。
「……でさー、この間サークルの飲み会で、××君が○○ちゃんをお姫さま抱っこしてさー、もう大爆笑だったよ!」
「えー、その二人って付き合ってたっけ?」
「罰ゲームだよ。でもあれってどっちも大変みたいで、男の子も苦しそうだったし女の子も怖がってた」
「そうだよねえ、男に力がなかったら持ち上がらないし、第一恥ずかしい!」
「だから罰ゲームなんじゃーん」
賑やかな笑い声に、宗一が少し眉をひそめる。女の子の姦しい話し声は苦手だ。
「先輩、お待たせしましたー。……どうしました?」
森永がカップを両手に持ってやって来た。宗一の顔を見て首をかしげる。
コーヒーを受け取りながら、「何が?」と聞き返す。
「だって、なんかほら。ここ、シワ寄ってますよ」
森永の指が宗一の眉間を指す。
「別に。いつもだろ」
「せっかく気持ちがいい陽気なんですから、難しい顔やめましょうよ」
そう言って、宗一の眉間を森永の手が撫でる。
「……分かったよ」
「で、なんでそんな顔だったんです?」
「あー……別に話の内容はどうだっていいんだが、話し声がうるさくて」
宗一しか目に入っていなかった森永が、意識を周囲に向けると、近くの女の子達の声が聞こえてきた。
「ま、女の子が集まるとあんな感じですよね。移動します?」
「ああ」
コーヒーを啜りながら、宗一はその場を離れた。ぶらぶらと学部までの並木道を歩きながら、森永を見上げた。
こいつなら、女の子を抱き上げるのもお手の物だろうな、と宗一は思う。
「先輩?また眉間にシワ寄ってますって」
「……うっさい」
時々、何がきっかけなのか分からないがムカムカする時がある。大抵、森永を殴ったり蹴ったりして憂さを晴らすのだが、今日はなぜかそういう気分にもならない。
研究室がある棟を通り過ぎて、宗一はずんずんと人気のない木々が生い茂った方へ歩いていった。
「先輩、どこ行くんです?」
気付いた時は農学部の裏の鬱蒼とした一画へ来てしまっていた。
「あ……わり、ちょっとぼーっとしてた」
「先輩、なんか顔赤い……熱でも?」
「へ?熱なんかねーぞ」
森永の手がまた宗一の額に触れる。どくん、と心臓が強く鼓動する。
「……っ」
「じゃあなんで?先輩、さっきからなんか変ですよ」
飲み終わっているコーヒーのカップをそっと宗一の手から取り上げて、自分のものと一緒に地面に置いた。
宗一の目をじっと見る森永の視線に耐えきれず、宗一は顔を背ける。頬から耳にかけて赤く染めて。
かわいいな。森永は、宗一が何を意識しているのか分からぬまま、木立に隠れてそっと抱きしめた。
「ば、ばかっ。離せ!」
「だってかわいいんだもん。ちょっとだけ。誰も来ないよ、こんなとこ」
「かわいいとか言うなって、……わっ」
腕の中でじたばたと暴れる宗一を難なく押さえ込んで、森永は赤い耳元にふっ、と息を吹きかける。
途端に、宗一の体が震え、森永の白衣をぎゅっと握りしめた。感じやすくて、愛しい体。森永のスイッチを、無自覚に不用意に押してしまう宗一がかわいくて仕方ない。宥めるように、宗一の背をゆるゆると撫でると、少しずつ力を抜いて自分に体を預けてくれる。
「……さっき」
「はい?」
「……さっき、お姫さま抱っこがどうとかって、あいつらが話してて、お前なら軽いだろうなって」
「ん?先輩、お姫さま抱っこして欲しいの?」
「ばか!そうじゃねえ!……その、きっと絵になるだろうなって」
「ふーん。まあ、軽めの女の子なら確かに持ち上げられそうな気がしますけどね。ていうか、先輩はなんでそんなこと考えてんだか。それで機嫌悪かったの?」
最後は笑い声も混じって、宗一はいたたまれなくなった。なんで話してしまったんだろう、と激しく後悔した。
「そうですね、さすがに先輩をお姫さま抱っこは難しいかな……あ、でもこれなら」
森永は木に寄り掛かって座り、宗一を自分の膝の上に横向きに座らせた。
「!!!な、なにすんだっ」
「形だけですけど〜。お姫さまだっこ♪はい、腕はここですよ〜♪」
楽しそうに森永は宗一の腕を自分の首に回させ、自分は宗一の膝裏に手を通してその背を支えた。
「こ、この、」
恥ずかしさにさっきより赤くなった宗一の上唇に、森永がちゅっとバードキスを落とした。
「ね、俺たち絵になるかな?」
人気がないとはいえここは大学で、雑木林の中、男同士で絵になるわけないだろ!と宗一はぐるぐると混乱しながら思ったが、声に出せずに赤くなるばかりだった。
「先輩、キスしたい……」
目を細めて宗一を見ていた森永がそう言って、唇を寄せてくる。
「あ……」
こんな風に体を熱くしている時は、宗一がキスを拒まないことに森永はとっくに気付いていて、見計らったように口づけをしてくるのだった。
これは、同意なのか、ただ流されているだけなのか。いろいろつけ込んでいることも分かっているけれど、それでも森永はこうして宗一の体に自分の想いを刻むことで、いつかちゃんと気持ちが向いてくれると信じている。
……餌付けみたい?と森永は内心苦笑いをしながら、抱きしめた宗一の唇がうっとりと解けていくのを感じていた。
「先輩のここ、ゆったりした。よかった」
微笑んだ森永は、宗一の額に口づけて、羞恥心の限界を超えたらしい宗一に殴られ、痛みに耐えながら研究室に戻った。
恥ずかしいことばかり言う後輩は、宗一の心を乱すけれど、同時に落ち着かせる術も会得している。
ムカムカしていたことなどすっかり忘れた宗一の怒号が研究室に響く、いつもと変わらない午後になった。
end.
-------------------
宗一兄さんがおとなしく森永君に好き勝手させ過ぎですよね!ありえないよね!うん、分かってる。
おかしな妄想してすみません。
お姫さま抱っこ、酔っぱらって友達にされたことがあります。男性には「ちゃんと体重預けてくれないと怖い!」と言われたけど、駅でやられたものですごく恥ずかしかったし、落とされるんじゃないかと思って怖かった。
私と会ったことある方は分かると思いますが、結構太っているんですよ。
鍛えていないと上げるのは無理だろうなー。
というわけで、お姫さま抱っこは普通の男性同士じゃ無理じゃね?というところから始まったお話でした(だからキスお題だっつーのにポイントずれまくり)。
性 別 | 女性 |
誕生日 | 12月14日 |
地 域 | 東京都 |
職 業 | その他 |
血液型 | A型 |
お姫様抱っこ・・・
これはやばいですsyuyuさん。
宗一さんなら軽いので、きっと森永くん出来ますよ!
うわ〜、いま頭の中の二人が完全にお姫様と王子様です・・・だめだ、倒れそう。
それと時間なくてコメ出来なかったのですが、森永くんの初キスのお話しとてもよかったです。
少年時代の森永くんがとても可愛かったです〜。その時は一番好きな相手だったのだから嬉しかったでしょうね。
どのキステーマも素敵でした。
ありがとうございました!
いらっしゃいませ♪
絵的には見たいですよね、お姫さまだっこ。大人しく兄さんがさせてくれるなら(笑)お姫様と王子様、5巻のシンデレラでは抱き寄せてすぐ蹴られてたしw
森永くんの初キス話にもコメントありがとうございます!思い出話にしちゃったから余計に切ない感じになっちゃいましたね。
ありがとうございました♪
ふふふ。もう兄さんが可愛いくて可愛くて苦しいです!(笑)
ぐるぐる考えちゃう兄さんも可愛いし、何だかんだ森永くんのやることを受け入れてしまう兄さんも可愛い〜(*´Д`*)
それを解ってる森永くんっていうのもいいですよね〜。
あ〜、また顔のニヤけが止まらないです(笑)
お姫様だっこ、いつか森永くんホントにやってくれないかな〜?とちょっと願望が芽生えてしまいました。
可愛いSSありがとうございました〜。
んもぅ〜すんごくいい〜…っ!
この設定…このSS…
マジで萌え転がる〜♪
は〜森永君が兄さんをお姫様抱っこ〜♪
あぁ…めちゃめちゃ想像しました(^^)/
森永君なら実際に立っても出来ますよ!
愛の力でやりますよ!
彼ならきっと☆
あ〜設定が大学なんで読んでる方もドキドキしますね。
森永君と誰かの事を想像してイライラなんて…兄さん可愛い過ぎる〜(*^.^*)
この森永君めちゃめちゃ余裕ありますよね?
大学じゃなかったら…このまま…ねぇ?
いつか、シェアハウスでお姫様抱っこも見たいです!(←我慢出来ない人)
素敵なSSありがとうございました!
いらっしゃいませ♪
兄さん可愛い!と言っていただけるとほっとします。暴君度が低くなってしまうのが難点ですが。
森永くんが超余裕になってしまって途中で自分で困っちゃったんですが、お題を消化しようとして力尽きた感じです。
8巻の書き下ろしでリクエストしてみる、というのはどうでしょう!高永先生の絵で見てみたいですよね。
コメントありがとうございました!
いらっしゃいませ♪
萌えを優先できない残念な脳みそですみません…。どうも自分がされた時の記憶がよみがえってしまって(苦笑)。
愛の馬鹿力で持ち上げるべきでしたね。なんのためのお題だかw大学構内、しかも外。お姫さま抱っこより、こっちの方がよっぽど危険かも!
兄さんのイライラは無自覚ですから(^^)
じゃあいつかお姫さま抱っこをファンタジーで書いてみますか。
ありがとうございました!
てか…なにこれ!!もう……(((*´д`*)))
兄さんが可 愛 す ぎ る !!!
くっそぅ!兄さんを好き勝手転がしている森永くんが激しく憎い!!!(私最近こればっかり言ってる気がする)
森永くんならきっと兄さんもお姫様抱っこできますよ!!!
愛の力で!!!!(≧∀≦)
てか兄さん軽いから……(;∀;)ウラヤマ☆
しかしまぁ何という萌え萌えSSでしょうか。
syuyuさんあなたが神か?
もぉー皆様神の領域に到達し過ぎです(・д・)
一体何人崇めれば良いのでしょうか。
真っ赤になってチューを受け入れる兄さん……好きです!!!(*´□`*)
ゴチでした〜〜vvvv
…って、今頃ノコノコとお邪魔してごめんなさい。
乙女な宗一兄さん万歳〜♪
なんて可愛いらしい生き物なんでしょう!?
焼きもち妬いて、照れて恥ずかしがって真っ赤な宗一兄さん♪
もうこれだけでもスペシャルに可愛いのに。
「お姫様だっこ」に「ナチュラルキス」…
調子にのって殴られちゃう森永君まで、全部が愛しいです♪
また乙女な宗一兄さんを書いて下さいね。
ありがとうございました!
いらっしゃいませ♪お返事が遅くなって申し訳ありません。
棗さんの気持ちよーくわかりますよ。森永くんがいい目見てると苛めたくなるのは私のS心をくすぐるからw
でもいつも苛めてばっかりだとかわいそうかなって思うしww
なんかリクエスト(?)多いから今度リベンジしようかしら。兄さん軽いし…もしかして私より…orz
私も棗さんを崇めていますよ!どえむの神として♪
コメントありがとうございました。
いらっしゃいませ♪お返事が遅くなりまして申し訳ありません。
実は、しばらく乙女な兄さんを書いていなかったので、久しぶりに書いたらどこまでデレさせていいのか分かりませんでしたw
読み返すと恥ずかしいですね…何やってるんだろう森永くん… ←100%私のせい
でも皆さんに「かわいい」と言っていただけるだけで本望なので、書いて良かったです♪
コメントありがとうございました。