←  
2011/11/26 19:59[0]
【サヨナラ、冬】


 
 抑えきれられない気持ちは
 どこにやればいいのですか、
 今も、今も。キミだけを見ているのに。


はらはら舞い散るのは花弁ではなく、白いしろい雪のようなキミだった。消えてしまわないで、強く願ったけれど。それすら幻想だったのだろうか。忘れないよ、そう云ったことすら忘れ行くのが恐いよ。人間みたいに溶けなければ、いいのに。また寒い寒い季節が来て、ぼくは生まれる。そしてまた、静かに静かに、無くなっていくんだ。むなしいなんて思わないよ。だってぼくの中には心なんか内蔵されていないもの。
しろいしろいキミは、冷たい冷たいぼくに融けたいと云った。溶けゆくぼくをぎゅうっと抱きしめて泣いていた。その雫ですら、ぼくを無くしていく。なんて空しいんだ。むなしい、むなしい、むなしい。違うんだ。むなしくなんか、ないんだ。

カナシイ、んだよ。どうして季節は過ぎて行くのだろう。どうして感情なんかが取り乱させるのだろう。ねえ、その瞳すら真っ白に覆い尽くせたらひとつになれたんだろうか。もう、キミはしろくなくなった。さよならさよなら。



スノウダンス
(活きたいなど思わないよ、ちっとも。)
 



ほんとうだよ、
 



 



-エムブロ-